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悪夢の民主党政権…

安倍元総理が「悪夢の民主党政権」と発言した時、野党陣営や野党支持者、そしてマスコミ関係者や、ワイドショーコメンテーターの中からも大反発がでましたが、大衆のほとんどが反発を示さないていう様な状態でした。

悪夢の民主党政権ってのはある面では現実として認識されている、と言う事は否定はしきれないのはあると思うのです。
そしてだからこその野党やマスコミ、コメンテーターなどは自覚している面はあるのじゃないか?と言うか、自覚はしているのだと思います。

もし安倍総理の言う事だけで事実ではないとしたら、現実にはそうでないとしたらあそこまでの猛反発をみせる必要はなかったなんて思うのです。

現実にそれはどうだったのか?

凡そ3年3ヶ月に渡る民主党政権は現実にはどうだったのか?と言う話しになるんですが、印象はスタートから最悪だったのではないでしょうか?

リーマン・ショックなどの景気の悪化があるにも関わらず鳩山総理が一ヶ月近く外遊やイベントなどにしか顔をださない。
仕分けをするとして、公共の事業や予算を止める。
政策に対して、予算の不足。
過去に言っていたこと、公約をやらないか忘れているかのような状況等々…。

これらの状況の中で国民の生活が改善したかと言うと改善していませんし、子ども手当にしても、外国人にまで無制限に出すような状況になり、国民が楽になるわけではない。

社会での子育てと言う認識が広まった反面、無責任な親が地域に子供を投げっぱなしにする等などの問題が澱のようにたまっていった数ヶ月などは不況の最中では悪夢と感じる一般の方々(ウヨでもサヨでも無い人達)に増えたのは否定できません。

また、翌年の予算編成で予算不足により国債の発行などを増やしてしまう事なども否定される要因になっています。
因みに、国債を一旦出すとその後はそこを補填する為に同じ様に発行する必要や財源確保などがあったりして、簡単には軌道修正が行えません。
国家運営は例えるならば大型艦船の操船のようなものです。
舵を切ってもすぐには曲がらないので、その他の操作や出力の調整が必要になって寄り多くの燃料や電力、時間を食う事になるのです。

鳩山由紀夫はそれを気づいていたかもしれない

一ヶ月ほど遊んでいると批判された鳩山元総理ですけれども、彼は就任数カ月後に「マスコミがこんなに怖い物だとは思わなかった」と言う様な発言をしていました。

マスコミは、民主党政権誕生前までは何があっても褒めちぎる様な状態でしたし、野党(当時の民主党)での問題や失態は隠す事をしているというか報道しない様な状態でした。
例えば西松建設の事件でも、反自民、反政権に邪魔となれば非自民系での問題を問う事はせずスルー、報道してたのは赤旗くらいじゃないですかね?なんていうような新聞事情、野党側の失言は一切報道しない、と言う見える姿勢に加えて当選後の1年程は、噂では某ナベツネさんがご祝儀報道ををしろと言ったなんて話しがでる程に甘い、と言う状態でした。

なので、民主党が誤解をするのは有ったと言えます。
本来、新聞(テレビニュースもか)の役目は社会(民衆)と行政(政治家)などをつなぐパイプの役目ですが社会の声や現状への批判が封じられては政党や政治家がマトモに情報を拾い上げる手段は減ってしまいます。
しかも、大手マスコミは序盤は褒めちぎる姿勢ですから、何があっても大衆の情報を手に入れるには一歩も二歩も遅れる事になるのは必須、といえる環境に置かれてしまったと言えます。

そして、一ヶ月程で大衆の声が批判が大きくなると堰を切ったように大批判の嵐。
そりゃあ、さすがの宇宙人鳩山だってビビるでしょう。
あの変心ぶりは、政治家界隈や翼リベラル界隈のネット不信を植え付けられていた層に、ネットよりもマスコミへの不信を植え付けたと言っても言い過ぎじゃないと思います。

この権力の側に立った途端に攻撃されると言うのは、おそらく万年野党だった陣営には恐怖として写ったと思います。

実は理性的な民主党支持の識者も多かった

社会学者や政治学者へのインタビューやコラムが結構載っていた地方新聞(因みに家は神奈川新聞を取っていた)や雑誌、地方局等では民主党政権誕生前から直後の数ヶ月は、自民党との連立政権を提案する意見なども載っていました。

民主党自体は政権運営経験者がほとんど居ない事、また社民党は社会党政権時代の経験者がゼロな事などから自民党の経験を良い意味で盗む、というかOJTとして連立政権を組む事を言う学者も居ないわけではなかったし、必要とあれば公約の実行のための初期対策や対応に自民政権時代からのブレーンたる人材に協力を仰げと言う意見もあったりはしました。

また、一般の支持者などもこの不況下では急に行う事はできないので徐々に変えて行く方が無難、まずは不況対策、国民の生活の改善(または回復)をと言うのが主軸だったと記憶しています。

さらに一番期待されていたガソリンの税制見直し(多重課税状態の改善)などはどうするか?と言う事があったのですが、そうでしたっけとか言って流してしまう様な浮かれっぷりの批判が必要と言う声もあるにはありました。

しかしそうは行かない、期待通りもしくは民主党ブレーンの予定通りに行かなくなったのは周知の事実。
結果、民主党政権は悪夢の政権へと転落する道筋を作ったと言えます。

悪夢の要因はマスコミのから騒ぎ?

民主党政権誕生にはマスコミというか、新聞やテレビの情報発信が無くてはならなかった!と言う驕り高ぶりが新聞やテレビに出た事、それによる大衆操作が更にできると言う傲慢が出たことなんていうのは、メディア界隈の人も言う事はあると思います。

実際には大手新聞社、大手テレビなんて事でしかありませんが、地方の声を拾わない、大衆の声を拾わない事への批判は多かったのですね。
そして、ネットを悪役やデマの巣窟の様に言ったのがありました。

当時はまだ今ほどネット機器が充実していませんから、90年代終わりからのネットの闇だの悪のインターネットだのと言った報道を真に受ける大衆も多かったのは事実です。
そこに、悪意と差別意識のネット世論、差別的なネット言論なんて言い出してネットの情報がたとえ政党からの発信でも見られない環境ができたことはありました。

そこで、扇動(と言ってよいかどうか)で自民を叩き民主党を持ち上げる事で自分たちが世論を動かし大衆を操作したかの様な意識になった、というかそうなっているという話しも伝え聞く事はありました。
が、実際には現状の政治状況や社会状況、また景気に対する不安や閉塞感などが多くの人が民主党に希望と可能性を賭けて投票したと言う面が強く、マスコミは恐怖を煽ってより大きな希望に賭ける様になる不安を煽ったに過ぎないのですね。
その象徴的な言葉は「自民党にお灸をすえる」といってた高齢者層などの存在に現れていると思います。
彼らは、自民党がこれでちゃんとやるだろう、自分らの期待(利益)を叶えてくれるだろうって程度の考えしか無かったのはあります。

実際、選挙後のインタビューで高齢者層程、まさか民主党政権になるとはと答えていたのは印象に残っているかと思います。

希望を絶望に変えた悪夢

この一言に尽きると思います。
民主党政権には過剰に大きくされてしまった民衆の期待=希望がありましたが、その希望を叶えるには現実的な選択が必要な面もありました。
先述したように、自民との連立政権で政権運営のノウハウを得る事や、自民のブレーンと目されていた人物などにも協力を仰ぐこと、などですね。

しかし、大手新聞やテレビなどはそれを許す空気を作りませんでした。
日本は空気で社会が動くなんて言われていますが、大手マスコミの思う空気、望む空気を民主党政権に押し付けてその同調圧力に民主党が負けたとも言えます。

結果、現実的な路線は採れずにマスコミ受けする方向で動かないと何をされるか判らない恐怖は民主党内に蔓延したと思いますし、それによって政治が機能しない政党になってしまっていたのは認めないといけない現実だと思います。
政策もマスコミ受けする物、現実にはどうなるかは不明、もしかしたら弊害の方が大きいかもしれない様な手段を取る必要が政権に誕生してしまうと言う事は、政治主導を標榜する民主党にとって痛手だったしできなくなった事は多かったと思います。

マスコミへの忖度、マスコミ主導の様な状況になった政権は迷走をしていきますし、参加する事で賛成とみなすみたいな発言が流れてしまっては自民党もまた、政権への協力に回っているはずの共産党まで一緒に審議拒否をするという事態を生み出すに至っては希望と可能性に賭けて最後まで支持者に残っていた一般の人をも切り離すには十分でした。

過度に育った期待や希望、無理を承知で実行させられた数々の政策。
中小企業にまで影響を及ぼしてしまった仕分けパフォーマンス。
これらの状況から鳩山政権は短命に終わり(と言うかこの時期の通例にもれずというか)、菅直人政権に移るのですが子ども手当の予算不足を理由の増税、これは後に震災復興増税とされてしまいましたが、これらの謂わば愚行がますます大衆を遠ざける結果になった事は言うまでもなく、民主党は分裂し、支持率を失っていく道を繰り返していると言えます。

悪夢の再来があるのかないのか?

野党政治家も普通の野党支持者も、民主党政権の悪夢っていう事は意味合いは違えど理解していると言うのは最初に言った事ですが、野党とその支持者がこの民主党政権の悪夢を繰り返さない!と声に出さない限りは悪夢の再来は有ると思いますし、自民以外の政党の支持率上昇は望めないと思えます。

また、どんなにマスコミが必死で与党を叩いてもまだ10年も経っていない悪夢経験を忘れきるには時間が短いのですね。
だからこそ、野党はこの悪夢の民主党政権を野党の立場として論じなければいけません。
特に現在は、ネットも現実の一部と言う理解が深まっている時期です。
過去にネットをバーチャルと騒ぎ、ネットは現実とは違う切り離された世界かのように言ってマスコミの信頼をつなぎとめようと必死になったマスコミ、レガシーメディアがネットでの情報発信に勤しんでいる今、同じ様なマスコミの思惑のためだけに政治を動かそうとする様な状態を避けないと、野党への信頼の回復なんかは夢のまた夢、どころかマスコミの情報の逆張りが希望になる可能性だってあります。

現状のまま、自民政権が続くことが良いと思えないならそれこそ野党支持者はこのマスコミ扇動やメディアによる偏った希望を煽る行為などを糾弾する意味でも悪夢の民主党政権を言い、それがなんだったのかを言う必要はあると感じなくもないのですね。

その結果、現存する野党は消えるかもしれませんが同時に自民党も弱体化します。
ちゃんとマスコミに対応できて、情報の氾濫に対して対処できる政党が生まれるためには、そして現在野党に所属するちゃんとした政治家が生き残るためには、過去の悪夢を分析する野党サイドのインテリジェンスが発揮できるかどうか?が悪夢の再来を防ぐ事になる、とは思います。

問題は…

未だ、テレビと新聞は絶対疑わない老人層、まあ老害と言っても過言ではないのが多くいる事でしょうね。
これが、一般大衆だけなら問題はまだ解決が容易といえるのですがまだまだ政党の中や政治家、また政治家事務所に多いと言う事です。

マスコミも税金を払ったり公共の名目で優遇受けたりする立場ですからそれこそ財務省の意向に真っ向勝負なんてしませんし、できません。
自分たちの立場を守る事に汲々としているなんていう面はあります。

だって、オリンピック中止論を載せながら、オリンピック待望論も同時に載せてしまうと言う矛盾があるんですよ?
報道の義務と責任以前に、社としての方針すら固まってないところが、社会正義でございと言う事を新聞やテレビしか情報源を信じない人にアピールしているんです。
これらの人は以外と過激ですからネットや一般的な意見を敵視したら結構攻撃的な事、時に暴力もいとわないかもしれません。
そういう問題を如何に解決するか、ここは与党支持だの野党支持だのウヨだのサヨだの言ってる場合じゃない、と言う事が必要なんですが。

煽られてるんだよね、対立構造。
この辺りはネット政治論壇ほど、レガシーメディアに載せられていると言うのはあるのじゃないでしょうか?
一番の問題はこれかもしれません。

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