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和歌山市議補選は当世選挙事情の縮図

昨日は和歌山市議補選がありました。事前情報について私も示現舎サイトで記事にしています。単に高垣候補が祖父が元市長、父が市議会議長という政治サラブレッドながら韓国系キリスト教会の牧師という経歴に注目したんですけど。また山路候補は自己啓発系のセミナー講師でちょっとスピリチュアルな印象を受けたという筋でした。

しかし肝心なのは現在の選挙事情、特に野党について含むところが多いのでここで分析、検証したいと思います。

和歌山市議会議員補欠選挙(2022年8月21日)政治山より。https://seijiyama.jp/area/card/3624/IH039C/M?S=lcqdt0lcsir0k

れいわや立民が保守候補を応援していた

和歌山市長選挙(2022年8月21日投票)政治山より。https://seijiyama.jp/area/card/3624/4K4T3I/M?S=lcqdt0lcoeo0k

同日に市長選も行われ現職の尾花市長が当選しました。吉本候補は保守系の政治家ですが、れいわ新選組の大石あき子衆議院議員が応援するという不思議な現象がありました。これは吉本氏がIR誘致反対派という背景があります。ワンイッシューが一致し反自民なら皆仲間という野党の浅はかさを感じます。

そして問題の市議選に話題を移します。

リベラル基礎票は約2万票

現地記者によると今回の補選のリベラル票は約2万票と予想していました。これは2014年の同市補選が数字の根拠です。
今回の補選では左派政党の候補者はいませんでした。強いて言えば韓国系教会の高垣氏が左派票の受け皿になると予想されていました。

もともと高垣氏、山路氏も泡沫候補との見方が強く、また両候補は本選に向けての地ならし選挙ということでした。そんな中でいずれも1万票を超えたのは大健闘で名を売るには十分です。

ところが野党側がいくつかの“しくじり ”がありました。

統一教会報道の落とし穴

実は本来は高垣氏の票はもう少し上積みしてもよかったのです。ところが「韓国系キリスト教会の牧師」という経歴は旧統一教会問題があって左派から敬遠されてしまったのです。普段、嫌韓を批判する割に、と言いたくもなります。結局、それも今の過熱する統一教会報道に誘発されたのでしょうね。

そして迷走する左派層は行き場を失います。そこで山路恭世候補に左派票が向かいます。彼女は主婦で公約には子育て支援などがありました。一部左派にとってはある程度、価値観が共有できると考えたのでしょう。山路さんの健闘の裏には左派票の流出があったのです。

ところがこの方、さる自民党議員の運動員の経験を持つ「保守系候補」でした。そうした裏事情を知る共産党は高垣氏、非共産の左派政党票は山路氏を選んだと言います。基礎票2万をこの両名で上手く分配したということになります。

(もちろん山路氏は少なからず保守票を得ていますが、それだけでは一万票は到達しません)

山路氏の素性を知らず投票した左派の支持者や政党関係者は「しくじり」を痛感しているかもしれません。保守系候補の知名度アップに貢献した訳ですからね。

今回の補選ポイント
●統一教会報道は左派にとってもマイナスが発生する
●非自民ならば皆兄弟でいいのか
●非共産党の左派政党の情報収集能力低



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