令和に蘇った伝説コラム!今度はカラスで「なあに、かえって免疫力がつく」
東京新聞の伝説的コラムがパワーアップ!
古参のネットウォッチャーでまず知らぬ人はいないでしょう。
2005年11月24日、東京新聞のコラム「筆洗」で出現した謎フレーズにしてネットスラングになった
「なあに、かえって免疫力がつく」
当時、韓国産キムチに寄生虫が混入していたことが騒動になったことを冷笑をしなすった訳であります。
なあに、から18年。令和の世に蘇ったのです! 今度はカラス生食。
<突撃イバラキ>カラス肉の生食文化 究極のジビエに挑戦(3月7日)
ギランバレー症候群の原因は生の鶏肉という報告もある中で、カラス生食とは相当、無神経でしょう。炎上中です。水戸支局に勤務する記者がひたちなか市某所の「カラス料理愛好家の集い」に入れてもらったそうで、参加者によると「スイートポテトのような味」だとか。
だったらスイートポテトを食べたい! そんな無粋なことを言ってはいけません。『孤独のグルメ』の井之頭五郎さん流に「今の俺は何腹だ?」という自答に「カラス腹」で構えてもらいたい!
記事全体は各々で読んで頂くとして、記者氏は「カラスの刺し身は想像以上に魅力的だった」と大絶賛。そしてパワーアップしたのはここ。
免疫力どころか今度はカラス食で
「食べ物への偏見は差別につながる。偏見をなくすことが世界平和につながるんです」
と壮大なスケールでまとめていました。
何を伝えたいのかよく分からない記事
早い話がカラスの生食は美味しかったというだけの記事なんですが、何を伝えたいのかよく分からないんです。
というのは茨城県生活衛生課にも取材して「食中毒のリスクはかなりある。禁止されているわけではないが、控えてほしい」と忠告された他、カラス料理研究家の著書から「生食は絶対にやめましょう」という記述も紹介しています。
食中毒のリスクが高いカラスの生食を
このようにゴリ押しするのは一体、ナゼ。ところがご本人も相応に食中毒を心配したようです。そこは「なあに、かえって免疫力がつく」の精神でしょ?
一方、YOUTUBEをみるとカラスやハト、ヌートリアなどの特定外来生物、未利用魚などを捕獲して調理するYouTuberは多数です。しかし解説や調理風景をみると相当、衛生面に配慮し、注意喚起をしています。
昨今、ジビエ食も関心が高まっています。そこで「生食」は確かに美味しいこともあるが要注意という趣旨なら理解できます。「美味しいがやはり生はリスキー」という構成にするだけで読者の反応も違ったでしょう。
にも関わらず不特定多数の人が読む新聞であえてハイリスクなカラス生食推しをすることにどういう意図や意味があるのでしょうか。
エンタメに徹しきれない当世の記者を象徴
最後の「膝を打った」。これは「感心した」「納得した」を意味する慣用句です。この表現は新聞記者が好きなんですよね(笑)。コラムなどで多用されます。
まあそれはともかくとして単純にカラスを食べるのは珍しいことだから純粋にその魅力を伝えることに徹すればいいのに。
各所にちょいちょい「イデオロギー」を入れてくるんですよ。これも今の記者っぽくて。
強烈な批判ではないけれど、軽くジャブを入れています。
そしてラストで強烈なストレートをかましたわけです。
しかもこの記事の流れで「偏見」「差別」というキーワードを持ち出す辺り「ザ東京新聞」という他ありません。ただ郷土話としてはせっかく面白いのになぜカラス食というエンターテインメントに徹しないのでしょう。だって新聞記事はみなイデオロギー的である理由も必要性もない。
せっかく体を張った貴重な体験なのに台無しな気がしました。新聞の部数減はおそらくこういうところでしょうね。
まあ記者氏にすれば今回の炎上で
なあに、かえって忍耐力がつく
と言えたらたいしたものです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?