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室井佑月VS仁藤夢乃、仁義なき戦いは「いい人の国」の関門バトル

新潟県前知事、米山隆一衆議院議員の奥方で作家の室井佑月氏と女子高生サポートセンターColabo、仁藤夢乃代表との壮絶なバトルはご存じでしょうか。事実関係をご存じない場合は、上記のまとめをご覧になってください。『夫の性欲処理機』という凄まじい表現はまさに「仁藤事変」。フェミ界隈を巻き込んだ戦闘状態に陥っています。

室井ー仁藤、この両氏の共通点は野党支持者であり、テレビ業界で政権批判要員として起用され、特にTBSの出演が散見されます。つまり左派内部での抗争というのは一目瞭然です。

室井‐仁藤抗争は一つに左派の先鋭化という見方ができます。先鋭化とはすなわち人権、環境、反戦といった左派の主張がさらにエキセントリックになっていく現象です。そして一つでも主張や行動が異なれば排除が始まります。

この騒動をウォッチしていたところ少年時代に読んでいた漫画の「関門バトル」を思い出してしまったのです。

「いい人の国」に入るための過酷な関門バトル

私、漫画家の車田正美先生の大ファンでした。特に代表作『リングにかけろ』は稗田阿礼の如く後世に口伝できるレベルです。本作は少年ジャンプを躍進に導いた名作であり、後の漫画作品にも影響を与えています。その一つが「関門バトル」です。

関門バトルとはつまりこういうこと。

頂上にはボスが待ち構えていてそこに到達するためには関門に待ち構える手下を倒さなければなりません。もちろん上層に向かうにつれ敵が強くなり頂上までの道のりが厳しくなります。このプロットは後の作品にも踏襲されてきます。

そして

左派の皆さん、実はあなた方は「いい人の国」への関門バトルの入り口に立っています。

良い人

青山学院大、中野昌宏教授の「いい人だけで国をつくりたい」という投稿を覚えていますか。中野教授の「いい人だけの国」もかなり話題になりました。とてつもなく「選民思想」的なのに同調したリベラルな人もいて驚いたものです。

意図としてはおそらく人権問題、環境問題、護憲、核廃絶、反原発、貧困問題、こういった現象について中野氏が理想とする、もしくは「特定の陣営」だけが好む人だけの国と考えられます。もちろん「善人」「お人よし」「面倒見がいい」といったニュアンスの「いい人」ではありません。

下手だけどイラストにしてみました。

良い人の国

まず第一関門です。差別がなく、貧困もなく、環境に優しく、戦争もなく、ネトウヨもいなく、ジェンダーフリーの「いい人の国」があるそうです。ものすごく漠然としていますがなんとなく魅力的。おお? 雰囲気がいいぞ。居心地も良さげだ。だから最初の門に大勢の人が集まってきます。

最初は門が広いです。このため第一関門はおおかたの人が突破できます。だけど道も門もだんだん狭くなる。では次の門に進みましょう。

「お前、ブラック企業といっただろ。黒人差別だ!」と吊るし上げられ門を通れない人が続出。結構な人数が脱落しました。

次の門。またハードルが高くなります。

「お前、森永製菓の商品を食べたな。安倍晋三の一味だろ」

はい、脱落。

「お前、石川優実さんを可愛いといっただろ。性差別だ」

はい、脱落。

「家族は必要だと? 家族制度は廃止だ」

はい脱落。

「焼肉を食ってたらしいな。ビーガン差別だ、動物虐待だ」

はい脱落。

「エタノールだと? 差別だろ」

はい脱落。

いい国への関門はどんどん狭き門になっていきます。なにせ東大よりも狭き門です。東大は必死で勉強して試験で高得点をとればいい。ところがいい人の門はどんな条件で振るい落とされるか全く予想できないから。

いい人だけの国に入国できるのはどっち?

ここで少し室井‐仁藤バトルに戻ります。

従来から、仁藤氏は米山議員のハッピーメール問題を嫌悪しており、さらに以下の米山氏の投稿で仁藤氏や周辺の活動家が激怒しました。その結果、仁藤氏による「夫の性欲処理機」につながっていきます。

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こんな見解の相違程度の発言が許せない――。左派の方がおっしゃる「寛容」とは何なんでしょうか。いい人の国への「門」を閉ざしているかのようです。ではこの場合、室井夫妻VS仁藤、関門をパスするのはどちらでしょうか。おそらく室井ー仁藤バトルは第二関門あたり。米山議員が第一関門を突破できたのは社民党推薦という背景もあります。もし仁藤氏が米山議員を批判するなら推薦した社民党の特に女性関係者も批判しなければなりません。しかしそうした動きは確認できませんでした。

この点も「いい人だけの国」への関門突破が難しいところでございます。関門突破は単に「人権、環境、護憲」といった概念を遵守するだけではなくて、人間関係や社会的立場も影響してきます。すなわち声の大きさ、シンパの多さ、こういった諸条件も必要です。

辿り着いたら声が大きい人だけの国?

思うに仁藤氏陣営は他者に対して自身の理想とする概念を強要しすぎてはないでしょうか。もっとも室井氏は仮に「米山隆一」が自民党議員かつ伴侶でなければ米山批判に走ったことでしょう。

「アタシさぁ気持ち悪くて」と『ひるおび』あたりで発言する光景が目に浮かびます。

左派が望む「いい人」の定義。要はイデオロギーではなく単純に人間関係ですよ。また仁藤さんも室井夫妻と交遊関係があれば看過していたでしょう。

左派や野党支持者が望む「いい人だけの国」がどんな国なのか分かりません。しかしその主張や行動を見るに「いい人だけの国」の関門は非常に狭き門です。その理想地にいたのは「いい人」ではなくて「声が大きいだけの人」ではないといいですね。






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