見出し画像

ナイナイ岡村糾弾、まだやっていますよ

三品純

このところニュースは賞味期間が異常に早いと思いませんか。瞬間的に沸いて数日で収束していきます。イデオロギーをはらむ問題については特に活動家肌の人は「怒るタイミング」を待っているような気がするんですね。燃えては消えの繰り返し。

トラブル→怒る→ネットで呼びかけ→集会→また違う怒りを待つ

ざっくりいって活動家サイクルはこんなところです。社会問題が絶えることはないから一種の永久燃料と言えます。今年はいろいろなことがあったけどこんな話を覚えていますか。

４月23日、ナインティナイン岡村隆史さんが深夜のラジオ番組でリスナーから「風俗に行けない」という趣旨のメールを受け取りました。すると「コロナが収束したら絶対面白いことあるんですよ。コロナが明けたらなかなかの可愛い人が、短期間ですけれども美人さんがお嬢やります。これ何でかって言うたら、短時間でお金を稼がないと苦しいですから」と発言。これが女性蔑視、差別と批判が巻き起こりました。

私も深夜ラジオが好きで学生時代はよく聴いていたものですが、Ｙ談、下ネタなんてごく普通のことでした。なんせあの福山雅治さんも結構過激なネタをやっていたものですよ。しかしもうこの時代、芸人の軽口も許されないということでしょう。

糾弾の急先鋒はNPOほっとプラス理事・藤田孝典さんでした。

ただ藤田氏については「謝罪しても許さない」という高圧的な態度がどうも反発を招いた模様です。



ＮＡＶＥＲのまとめになるくらいだからかなり反響があったようですが。ただ藤田さんが「セックスワーカー」という用語を用いたことから、ともに岡村批判派であるフェミニスト一派からも藤田さんに異議がありました。

「どうしても許せない」と言っていた藤田さんですが、直近のＳＮＳの投稿を見るともう岡村問題からは撤退しているようです。なので活動家界隈であってもすでに岡村風俗発言は過去のもの・・と思ったら

NHKは「チコちゃんに叱られる」に、依然として岡村隆史を登場させている。金曜夜と土曜午前だ。「コロナが収束したら絶対、面白いことあるんですよ」「コロナあけたら、なかなかのかわいい人が短期間ですけれども、美人さんがお嬢やります。なぜかと言えば、短期間でお金を稼がないと苦しいですから」などと、ラジオ番組で全国に流した芸人だ。NHKは、なぜ岡村を出し続けるのか。私たちはなぜNHKに止めてほしいと思うのか。9.12（土）は渋谷駅でリレートークの後、渋谷区勤労福祉会館（キンプク）で学習会。街頭でマイクを握って一言言いたいかた、座ってじっくり考えてみたいかた・・・。参加をお待ちしています。■岡村隆史の買春容認・奨励発言の経緯は下記にまとめられている。どうぞ。https://frihet.exblog.jp/31507597/

まだやってました。とっくに武装解除していたと思いきや、まだゲリラ戦が展開されております。本来、岡村さんは全面降伏したのに糾弾闘争は継続中。独ソ戦が如く消滅戦争の趣きすらあります。

最終目標は「生業を奪うこと」

では逆に人権関係のトラブルが発生した時に活動家たちはどうすれば矛を収めるのでしょう。

それは一つに「生業を奪うこと」があります。上記の呼び掛け文にも黒字にしておきましたが、岡村さんの降板を求めています。

本人に反省を促すこと＝職を奪うことは並列でしょうか。これが直接的な性犯罪、またはその他、刑事事件ならともかく、ですよ。活動家たちの目標はあくまで「生活の糧」を奪うことが重要なんです。あるいは「見せしめ」とも言えます。

私も人権絡みの取材をしているからよく出くわします。例えばこういうケースもあります。

「あいつの家族は市役所に勤務しているからやめさせろ」

と当事者以外へのペナルティもあります。これはきついですよ。ただ仕事を奪うのではなく無関係の親族に塁が及ぶわけですから。心理的なプレッシャーは想像以上です。

ここに社会に寄与する、人権意識を向上させる、こういった目的はありません。仮に岡村さんを降板させたところで社会の何が変わるでしょうか。あくまで首を狩る。これが「活動実績」になっていくわけです。

しかもそこいらのオジサンの発言ではありません。人気お笑い芸人、有名芸能人の岡村さんとなれば最高のターゲットでありましょう。かと言ってさすがにＮＨＫが岡村おろしに応じるとは思えません。どういう落としどころになるのか興味深いです。ま、別の問題が起きたらホイホイそっちに飛びつくでしょうけども――。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？