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【Jier’s CINEMA02】 『シャクラ』

『イップ・マン』シリーズをはじめ、昨年9月に日本でも公開された『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、キアヌ・リーブス演じる主人公ジョン・ウィックの旧友で最大の敵となる盲目の達人ケインを演じるなど、ハリウッドでも活躍する宇宙最強の異名を持つ俳優・ドニー・イェン。
総監督・主演・プロデューサーと1人3役を務めたドニー・イェンが、「中国独自のヒーローの存在を知ってもらい、武俠映画の新たな高みを創り出したいと考えた」と選んだのが、ファンだったという香港を代表する武侠小説家・金庸(きんよう)の長編武侠小説『天龍八部』。仲間殺しの罪を着せられたドニー演じる主人公の喬峯(きょうほう)が、失われた誇りを取り戻すため、一対多勢の壮絶な戦いを挑んでいくというストーリー。『るろうに剣心』シリーズの谷垣健治がアクション監督を務め、アクション映画の更なる高みを目指した『シャクラ』がいよいよ1月5日(金)より全国で公開。
この『シャクラ』をダンス&ヴォーカルグループ「SUPER FANTASY」でラップとアクロバットを担当する、赤髪のアクロバットラッパー・TSUBASAがレビューします。


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これまでに見たことないような中国の歴史や技を尊重したスタントコーディネートに最新のアクロバット技も。新感覚で楽しめました

--『シャクラ』の感想は?
TSUBASA:予備知識なしに映画を観た感想は、発言や登場人物、その関係性など、何が真実で何が嘘なのかわからなくなるストーリーに感情移入しながら観ました。物語が進んでいくなかで、結末がどうなってしまうのか目が離せなくなってしまいました。アクションは、これまでに見たことないような中国の歴史や技を尊重したスタントコーディネートになっている。そのうえ、ちょっとマニアックなのですが、最新のアクロバット技もアクションに導入されていたので、新感覚で楽しめました。
--TSUBASAさんのようにダンスやアクロバットをやっているとわかる部分なんですね。
TSUBASA:経験者のみぞ知る、という感じです(笑)。谷垣さんがその辺りをコーディネートしたのだと思いました。ブレイクダンスやアクロバットをやっている人が観たら、新しいものが入っていると思いながら観られると思います。面白かったです。
--国際的アクションスター、この映画で製作・監督・主演を務めているドニー・イェンについては?
TSUBASA:アクションはめちゃめちゃ上手いですよね。ワイヤーアクションやCGも使っていましたがそれが自然で、物語に入り込みやすかったです。ドニー・イェンさんの映画を初めて観ましたが、アクションをメインで活動されている、今をトキメク俳優なんだなと思いながら観ました。
--全然その年齢に見えませんが、還暦なんですよね。
TSUBASA:ええー!! すごいですね。
--ハリウッド映画にも出演しています。
TSUBASA:もしかしたら、観ていた可能性もありますね。

--今回製作・監督・主演を務めたドニー・イェンとタッグを組んだ『るろうに剣心』シリーズの谷垣健治監督についてはどう感じましたか?
TSUBASA:僕は実写版の『るろうに剣心』を全作を鑑賞しているんですが、日本と中国では剣を構えるシルエットが全く違っていたので、正直なところ同じ監督だと思わなかったです。映画のはじめの方に出てくる鳩摩智(くまち)との戦いでの床を滑りながら走るシーン、これもすごくマニアックなんですけど(笑)、そこで谷垣健治監督のアクションと似ているなと感じました。「るろ剣で観たことあるな」と。ただ、戦い方は全然違っていたので(映画を観ただけでは谷垣監督とは)わからなかったです。
--その他、アクションについて感じたことはありますか?
TSUBASA:アクションは、一人対大多数の戦闘シーンが多く盛り込まれているのがすごく目立っていたと思います。次から次へと相手をなぎ倒していくアクションが爽快でしたし、大切なものを守ろうとする思いや憎しみから繰り出す技の一つひとつと、気功を使った技を繰り出して壮大になっていくところに、主人公の悲しみや背景もダイレクトに感じることができて、その主人公を観て僕自身が成長しながら旅をしている感覚になりました。また余談ですが、全体的に戦闘シーンの重低音が効いていてすごく臨場感がありました。普通の映画にはないくらいの音圧が来るサウンドエフェクトに注目したので、これは映画館でぜひ観てほしいと思いました。

--ところで、TSUBASAさんは、中国、香港映画で好きな作品はありますか?
TSUBASA:小さいときに観て衝撃を受けたのが『少林サッカー』です。キャラクターがそれぞれ持っている少林寺拳法(の技)を駆使してサッカーをするというその独特な表現に釘付けになったのが最初です。その主人公を演じたチャウ・シンチーさんに魅了されて『カンフーハッスル』も観ました。
--映画とTSUBASAさんがアクロバットを始めたことは関係あるのですか?
TSUBASA:ありますね。『少林サッカー』で体操競技の鞍馬のような技を使いながらサッカーをしている姿に憧れて、小さい頃に浅いプールで真似をしていました(笑)。チャウ・シンチーさんに憧れて、ブレイクダンスを始めたんです。少し成長してからゲームのキャラクターに憧れてアクロバットを始めました。ちょっと映画とは離れますが、池谷直樹さんが跳び箱の上で回ったりアクロバットをしたりしているのを見て、こういう人がいるんだと非現実(ゲーム)から現実を見て「俺でもいけるんじゃないか?」とアクロバットを始めました。
--『少林サッカー』が今の活動の原点だったんですね。ダンスとアクロバットをやっているTSUBASAさん、アクション俳優をやってみるのは?
TSUBASA:僕、アクションにはすごく興味があるんです。ただ、台詞がすごく苦手なんです。だから台詞がない仮面ライダーみたいな顔を隠しながらだったらいいんじゃないかな(笑)。以前、演技の先生に教えてもらっていたこともあるのですが、良い評価をもらえなかったので、自信をなくしました(笑)。アクション自体はやってみたいですね。
--この映画の登場人物で、この役をやってみたい、このシーンに挑戦してみたいというところはありますか?
TSUBASA:僕、悪役が好きなんです。だから一番の悪役。アクションだったら映画の最初のシーン。まだフルパワーに目覚めていない状態、でも何人も(敵が)来てすごく忙しい戦い。ああいうアクションをやってみたいと思いました。

誰か一人でも信じてくれる人がいることが生きる源になる、力になる。喬峯が阿朱を助けるシーンの言葉が深く心に刺さりました

--印象に残ったシーンはどのシーンですか?
TSUBASA:アクションではないんですが、喬峯が阿朱(あしゅ)を助けに行って、満身創痍で戦う場面で言った「助けると約束した、その価値がある。この世で君だけが俺を信じてくれる」というような言葉が深く心に刺さりました。人に見放されても、誰か一人でも自分を信じてくれる人がいることが生きる源になる、力になる。僕たちの活動を照らし合わせてみると、喬峯はたった一人だったけれど僕らにはたくさん味方がいるなと感じたり、たった一人でも応援してくれる人がいればステージに立てると思ったり、自分の人生やバックボーンと重なってすごく印象に残ったシーンです。
--いつも戦っている気持ち?
TSUBASA:戦っているつもりで活動しています。それから、人と人との信頼関係や絆というものは集団生活で生きていく上で必須なもので、今後の僕自身の過ごし方を見直していくべきではないかと思いましたし、アクション映画が好きな方はもちろんですが、人間関係もすごく考えさせられる映画ですのでぜひ観てほしいなと思いました。
--もし主人公の喬峯のように周りがすべて敵になってしまったとしたら、TSUBASAさんはやっていけますか?
TSUBASA: 一人だけ信じてくれる人がいたら、やっていける自信はあります。人見知りで周りと比べたら人間関係が狭いのですが、そのなかでも信じてついてきてくれる人がいるし、その人のために頑張ろうと思っています。それで、主人公と似たバックボーンを背負っているなと思いました。
--信じてくれる人はファンの皆さん?
TSUBASA:ファンの皆さんもそうですし、一緒に活動しているメンバー、運営の皆さん、そういう支えてくれる人がいて僕が立つ場所が与えられているので、その人たちのために頑張っていきたいと思います。
--技も磨いて。
TSUBASA:そう、技を磨いて強くなっていく…。そういう部分がこの映画の主人公と重なりましたね。
--では最後に読者の皆さんへ。
TSUBASA:ものの見方や受け取り方によって、善と悪はその人によって全く違うものになってくることを学びました。SUPER FANTASYの活動でもそうですが、やはり人と人との信頼関係や絆というものは集団生活で生きていく上で必須なものなので、今後の僕自身の過ごし方を改めて見直していければと思いました。アクション映画が好きな方はもちろんですが、人間関係をすごく考えさせられる映画なので、ぜひ映画館で観てください。


『シャクラ』

『シャクラ』

2024年1月5日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!

■STORY
宋代の中国。丐幇(かいほう)の幇主・喬峯(ドニー・イェン)は誰からも慕われる英雄的な存在だった。だがある日、何者かに副幇の馬大元が殺害され、その犯人に仕立て上げられてしまう。しかも自分が漢民族ではなく契丹人であるという出自まで明かされ丐幇を追放される。自らを陥れた人間を探し出し、さらに自身の出生の真実をつきとめるため喬峯は旅に出る。しかし、彼の行く手には更なる罠が仕掛けられていた! 武林最強の技、「降龍十八掌」を使い、襲い来る刺客たちをなぎ倒す喬峯。果たして彼は黒幕を突き止め復讐を果たすことができるのか!?

製作・監督・主演:ドニー・イェン アクション監督:谷垣健治
出演:チェン・ユーチー、リウ・ヤースー、ウー・ユエ、チョン・シウファイ
2023年/香港・中国/広東語/130分/シネスコ/5.1ch/原題:天龍八部之喬峰傳/日本語字幕:小木曽三希子
提供:ツイン、Hulu/配給:ツイン
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【公式】映画『シャクラ』オフィシャルサイト▶︎https://sakramovie.com/

■SUPER FANTASY
「おとぎ話の世界に飛び込んでハッピーエンドを迎えにいく」、まったく新しいエンターテインメントプロジェクトとして2017年2月にデビューし、毎週に赤坂の専用劇場にて定期公演を行う。2019年3月には史上最大規模となるZepp DiverCityでの単独ライブを成功させる。
2023年10月から満を持してHAKU、YUTO、TSUBASAの従来メンバーにRYOGA、RUKA、YAMATOが加わった6人体制の新生SUPER FANTASYの活動がスタートし10月25日には3rdシングル「Rapunzel」をリリース。

「SUPER FANTASY ONE-MAN LIVE -Fairy Tale-」
日程:2024年2月27日(火)
会場:白金高輪・SELENE b2
時間:OPEN 18:00 / START 18:30
チケット:https://t.livepocket.jp/e/superfantasy0227

SUPER FANTASYとして2年ぶり、新体制になって初めてのワンマンライブです。必ず成功させるという思いで邁進していきますので、ぜひ会場まで足を運んでいただけると嬉しいです。お待ちしております。(TSUBASA)

SUPER FANTASYオフィシャルサイト▶︎https://www.super-fantasy.com/
X▶︎https://twitter.com/superfantasy_fv

アジアのハッピーを結ぶフリーマガジン Jier(ジエル)
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