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日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る

本書は『日本史サイエンス〈弐〉 邪馬台国、秀吉の朝鮮出兵、日本海海戦の謎に迫る』の続編で、エンジニアの播田安弘さんが、数字を駆使して日本史の謎に迫る一冊です。
蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の三つのテーマについて、科学的なデータや計算で分析し、新しい見解を示しています。

「蒙古軍は、日本の武士団に敗北したのではなく、自らの船に敗北したのである」
この一文は、本書の特徴をよく表していると思います。
播田さんは、蒙古軍が日本に上陸できなかった理由を、船の設計や構造、航海の条件などの観点から説明しています。
そして、蒙古軍の船は、日本の海に適しておらず、上陸作戦に失敗したことを示しています。

目次
- 第一章 蒙古軍はなぜ一夜で撤退したのか
- 第二章 秀吉の大返しはなぜ成功したのか
- 第三章 戦艦大和は無用の長物だったのか
- 終章 歴史は繰り返される

私が一番興味深かった章は、第二章「秀吉の大返しはなぜ成功したのか」です。
この章では、本能寺の変のときに中国地方にいた秀吉が、わずかな日数で京都に戻って明智光秀を討った「中国大返し」の真相を探っています。
播田さんは、秀吉の行軍の速度や距離、兵士の体力や食料などの要素を考慮し、秀吉の大返しは常識的な行軍では不可能だったと結論づけています。
そして、秀吉がどのような戦略を用いたのか、論理的に推測しています。
この章を読むと、秀吉の天才的な指揮能力や、歴史の裏側に隠された真実に驚かされます。
自分の立場や環境を正しく把握し、戦略を立てることは重要です。秀吉の大返しは、そのための参考になると思います。

第一章「蒙古軍はなぜ一夜で撤退したのか」では、蒙古軍の船の設計や構造、航海の条件などを科学的なデータや計算で分析し、日本に上陸できなかった理由を説明しています。
自分の仕事やプロジェクトにおける課題や問題を、客観的に分析し、解決策を見つけることは重要です。
この章を読むと、そのための思考法や方法論を学ぶことができます。

この本は、歴史の謎に科学で迫るという面白さがあります。
歴史や科学に興味がある人なら、読んで楽しめると思います。

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