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水辺で私たちはどう暮らすのか?「SHIMOTSUMA DESIGN MEETING 2021」

こんにちは!普段は川崎市の職員をしている鈴木です。先日、下妻市の砂沼周りの観桜苑で開催された「SHIMOTSUMA DESIGN MEETING 2021 vol.2」に参加させてもらってきました。

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下妻には「砂沼」という農業用ため池があります。「SHIMOTSUMA DESIGN MEETING」は昨年度から継続して行われていますが、今回はこの「砂沼」で、ミズベリングの岩本氏の講演を聞き、実際に「砂沼」の周辺を歩いてみて、得られた知見を下妻市の未来へ提案し、反映していこうという内容でした。

ここで私自身が感じた、「水辺」という資源をどう暮らしに活かすのかという視点、また郊外都市の都市経営の視点について、思うところを書いてみます!

下妻市について

下妻市は茨城県西部に位置し、人口は4万人程度です。生活圏としてはつくば市都市圏に含まれているようで、車を使い通勤や通学などつくばへ行く、という方の声がちらほらありました。

「砂沼」は下妻の地域資源であるということ

さて今回の舞台となった下妻市内にある農業用ため池の「砂沼」。周囲6km、面積55haという広大かつとても穏やかな水辺です。

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しかもその周りに緑豊かな緑地が配置されており、ここに訪れる人々が各々に、のんびりしたりアクティビティを楽しんだりと、自分の時間を過ごしていました。

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話を聞くと、車で1時間弱かけて砂沼に訪れて休日を楽しむという方も多く、周辺自治体からも広く人々を集めているようです。

なかなか都市部ではこの規模の水辺+公園というのは得難いです。地元の方々にとっては「あたりまえ」の存在であっても、これはまさに下妻の地域資源と言えるでしょう。

水辺を使いこなす人たち:大興奮のSUP体験

さて砂沼では昨年度の「SHIMOTSUMA DESIGN MEETING」を契機に生まれた、「ミズベリングしもつま」というSUP体験を提供する団体があります。

SUPは以下の写真(再掲)の左側にあるように、水上でボードの上に立ってパドルを漕ぐウォーターアクティビティです。

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私も体験してみましたが、めっちゃ面白い!!

水の香りと風が身体を切る感覚、穏やかな湖上を独占しているかのような気分、容赦なく鍛えられる体幹(笑)。

私は着替えが無く池ポチャできなかったのでおっかなびっくりでしたが、それでも十分に楽しめました。池ポチャOKな服装でやれば確実にもっと楽しいです。もちろんライフジャケットを着用しますが、穏やかな池なので、より安全性が高いのも初心者にはうれしいですね。

このように地域資源があったとして、それをどうコンテンツとして生活に組み込んでいくのか。SUPは一つの例であって、本当はもっとたくさんの使い方もあるはず。それらが重なっていけば、砂沼はもっともっと面白くなっていきそうです。

都市や周辺自治体と差別化された”生活”をどう作るのか

一連の様子を実際に見て、下妻市の潜在的な魅力をとても感じました。郊外のまちだからこその、都市部ではできない暮らしをデザインできる可能性がありそうです。

日本も人口減少期に入り久しくなっています。人口の多寡は本質的な問題ではありませんが、暮らしがなくなり、また経済循環が無くなってしまえば、まちは立ち行かないでしょう。

税制優遇や補助金で人や産業を誘致するというのも、結局は「どこでも誰でもマネできる」ものであり、万が一効果があっても周辺自治体が即座にマネをして優位性が薄れてしまいそうです。しかも値下げ競争と同じで、最後はみんな苦しくなってしまう。

差別化し他自治体と競争優位に立つには、結局は唯一無二である地域資源を、そこで暮らす人々がどうやって活かすのか、ということに尽きるのではないでしょうか。

都市部や周辺自治体に住む人々が、「私もこんな暮らしをしてみたい!」と思えるような生活をデザインできるのかどうか。ミズベリングしもつまのような民間サイドから地域資源を活用する動きが出ていること、これが最も重要なまちの”きざし”だと感じました。