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公共FMアングラマガジン

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公共施設のファシリティマネジメント(公共FM)に関する記事を週1本(毎週日曜日)にアップしていきます。
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#断熱

#31 命を救う断熱

 こんばんは。脱炭素マニアな地方公務員・梅木です。  「うめちゃんは、なんでそんなに断熱のことになると熱くなるの?」とたまに聞かれます。今日はなぜそんなに断熱にこだわるのか、その理由についてお話ししたいと思います。 1.母の死 かれこれ20年近く前になりますが、私の実母は55歳の若さで亡くなりました。  死因は、自宅浴室での溺死(事故死)です。  当時は気づかなかったのですが、断熱の勉強をすればするほど、ヒートショックが原因だったのではないかと思うようになりました。  日本

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#16 省エネ基準改悪!? 公営住宅の脱炭素化を阻むものとは….

 こんばんは。脱炭素マニアな地方公務員・梅木です。  さて今回は、公共施設のうちボリュームの大きい施設ランキング1位か2位にどの都市も入ってくる「公営住宅」の脱炭素化についてお話ししていきたいと思います。 1.断熱化を阻むもの(1)公営住宅の断熱基準  公営住宅は、ほとんどの場合、国土交通省の補助金を使って建てられますが、その補助要件がR4年度に改正され、以降に新築される公営住宅はZEH水準で整備されることになっていきます。  これは、2030年に民間建築物も含めてZEH

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#22 エアコン間違えなければ、ZEBの方が安くなるってよ…

 こんばんは。脱炭素マニアな地方公務員・梅木です。  最近の暑さは酷いですね…。流石に「エアコンなしで夏を乗り切るのだ!」という我慢を美徳と考える人も少なくなってきたのではないでしょうか。というわけで、今回は夏の酷暑対策に必須の「公共施設に設置するエアコン」について、目から鱗の驚きの試算結果とともに、お話ししていきたいと思います。 1.近年の気温上昇 世界の平均気温は1.5℃以上の上昇が13か月連続で続いています。たぶんもう戻れないのでしょうね(泣)。日本ではこういった事実

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#10 日本でZEBが増えない理由とは?

 こんばんは。脱炭素マニアな地方公務員・梅木です。  4/7の第1話「#2公共施設の断熱化はなぜ必要なのか?」に引き続き、公共施設のZEB化についてお話していきたいと思います。  第1話を、まだ読んでいない方はぜひコチラからどうぞ。 https://note.com/jichi_fm/n/n827b0ba7a0ef 1.日本でZEBが増えない理由 前回お話ししたように、ZEB建築は、快適な生活空間をお得に得られるはずなのに、なぜ日本では普及していないのでしょうか。  #7

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#4 最近の庁舎整備事情ってどんな感じ?

NPO法人自治経営FMアライアンスの川口義洋です。 こちらのアカウントでのnoteは今回が初めてになるので、一応自己紹介から。 僕は岡山県津山市という人口約10万人くらいのまちの公務員(建築職)をやっておりまして、公共施設全体のマネジメント(FM)を中心に活動しております。 今年度でFM歴はかれこれ10年目ということで、この世界ではかなりの古参かなと自覚しているところです。 肩書きとしては、総務部財産活用課という部門の課長をやっておりまして、FM業務以外にも、庁舎管理、車両

#2 公共施設の断熱化はなぜ必要なのか?

 初めまして。  脱炭素マニアこと、NPO自治経営・FMアライアンス所属の梅木です。普段は北九州市の職員(建築職)をしております。  本日より月1くらいのペースで、公共施設のファシリティマネジメントの視点を絡めながら、脱炭素に関するお話しをしていきたいと思います。 1.公共施設の断熱化が必要な理由 まず初回は、行政の持つ庁舎建物や学校など「公共施設の断熱化はなぜ必要なのか?」というテーマについて考えます。  結論から言うと、 2050年カーボンニュートラルに向けて、公共施