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憧れたアメリカが壊れていく

アメリカへの旅は、ことごとく中止になった。

学生時代に短期留学したくて応募した交換留学は、財政の問題で無くなり、
友人と一緒に計画したアメリカのディズニーランドへの旅は 友人が
「私、結婚する」と言うので 無くなってしまった。
ハワイへ行こうと計画したら 台風で欠航。ツイテナイ。

アメリカに憧れても どうやっても辿り着けない。
学生時代に 友人たちが次々とアメリカへ留学して 本当に羨ましかった。
アメリカの広さ、民主主義の考え方、チャンスが転がってる話。
何かが邪魔して、私は アメリカに受け入れられないのだと諦めた。

憧れだけが空転していた。

でも 自分の力でヨーロッパへ行けるようになった頃から、
アメリカが 憧れの国では無くなってきた。
留学後、アメリカでキャリアを築いて 家庭を築いた友人から聞く話が
夢見ていたものと大きく違っていたからだ。
何かが オカシイ。友人たちの話を聞いて、そう思うようになった。
友人が「アメリカの、どの州に留学するかで、将来像が違う」という。
「私はラッキーだった。アメリカの恩恵を受ける家庭を 見せて貰えて。」
白人でも 貧困の家庭があるという話は 聞いていた。
でも ここまで 深刻だとは思っていなかった。

それが現実の姿として現れたのが、トランプ大統領が当選した時だった。
ドナルド・トランプという ただのお金持ちで ただのセールスマンで
口が達者なだけの白人男性が 大統領になった。政治の素人なのに。
どうして、ここまで支持者が増えたのか?
アメリカは、どうなったのか? いつも気になっていた。

ドナルド・トランプ氏が当選してから、ヒルビリー・エレジーという本を
手に取った。白人貧困層の現実が描かれていた。
そうだったんだと、思い知った。
現実は過酷で、アメリカでは いつの間にか アメリカンドリームなんて
言葉は 死語になってたんだ、という現実に ショックを受けた。

最初の選挙の前に トランプ氏が支持者に宣言していた、政策が幾つもある。
実現が不可能だとか、そういうことじゃ無い。実現したら 誰が割を食うのか、
実現したら 他国にケンカを売ってるだけじゃなく、自国の経済や 
安全保障や、こういう新型コロナや環境への影響を含めた 地球規模の
最悪に対する自国の担ってきた責任など、本当に 分かっているのか?と。

分かってなんか、いなかった。分かってないだけじゃない。
放棄するだけ 放棄した。
そして 自国の大切な民主主義の理念や 自由には責任が伴うという概念や、
描く理想、多くの国民が 自らを犠牲にしてでも守り続けてきたものを
分断し ことごとく 壊していった。

アメリカ国民は、認めるのは 自分が批判されるよりも痛みを伴うだろうか?
そうだとしても そろそろ目覚めても 良いのでは無いだろうか?
トランプ氏の口車に乗せられてきた、という現実に。
そろそろ目覚め、気づかなくてはいけない、のでは無いだろうか?
変わらなくてはならないのは、大統領なのではなく、自分自身だ、
ということに。

憧れていたアメリカが 音を立てて崩れていく。

今日のニュースで 議事堂に雪崩れ込んだ、多くの白人の支持者たちを
見た時、本当に失望した。理念や理想や、主張の違いは あって当然だ。
でもそれを 言葉で伝え、議論し、互いの落とし所を探すのが 議会政治だ。
それを武力で 力づくで捻じ伏せようと呼びかけるドナルド・トランプ氏
あなたは 本当に 大統領を経験した人なのだろうか? 

そうだとしたら あなたを選んだ国民は、きっと悲しい現実に打ちのめされて
いるだろう。いや、まだ そんな現実にさえ、気付かずにいるのだろうか?
だとしたら、もっと惨めなことだろう。

そんな現実を見たくない。
でも、現実から目を逸さずに 見つめ続けるしかない。
そして 日本も、明日は我が身だ。覚悟せねば。


 

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