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不完全体をさらす修行と、SNS継続のコツと。

「SNSをちゃんと更新していてすごい」と言ってもらうことが、かなり多い。

特に自分でものづくりやサービス提供をしている方、つまりちいさなブランドの運営者さんや、フリーランスの人達から、よく言われます。その言葉の裏にあるのはきっと「ちゃんと更新したいけど、なかなか続かない」の悩みなのかな。

わたしの周りの影響力のある人たち(SNSの発信を継続していて、端的に言えばファンが多い人たち)に「どうしてそんなにSNS頑張れるの?」と聞いてみると、だいたい同じような答えが返ってきます。

「毎日更新すると決めて続けていたら、今ではもはや更新しないと気持ち悪い感じになったよ」

「お仕事として更新している意識だから、仕事をちゃんとやってるだけで、すごいなんてことはないよ」

でもたぶん、「ちゃんと更新したいけど、なかなか続かない」という悩みへの処方箋って、「決めて継続しよう」や「仕事だと思ってやろう」よりも、もっと手前にあるのではないかと思うのです。なぜなら、わたしが同じ悩みを抱えていた頃、「意志や根性で続かないから悩んでいるのに…」と思ったから。

だから、悩んでいた頃の自分の思考を忘れないうちに、わたしがとった対策について綴ってみます。何か参考になったら嬉しいです。


「続けられない自分」をちゃんと見る

「SNSをちゃんと更新したいけど、なかなか続かない」というとき。

わたしは「何がハードルになって続けられないのか」を、じいっと観察することにしています。

自分が今できていないのには、必ず事情があるのです。

それなのに根性論で「頑張って更新せい!」と自分にムチ打っても、一瞬はどうにかなるかもしれないけど、たぶん長期的には難しい。わたしには。

何がハードルになっているのか、どんな事情で更新が続かないのか、どうすれば持続可能なのか。この分析と傾向と対策を、ひたすら。


じぶんジカンのInstagramの例

https://www.instagram.com/jibun_jikan/

例えばじぶんジカンのInstagramは、いま週5日以上更新しています。

他のSNSや、このnoteも更新するなか、どうやって更新頻度を保っているのかというと、それは「続けられなかった頃」の分析結果が生きているからです。その分析結果がこちら。

【Instagramを続けられない理由】
・毎日投稿をつくる時間をとれない
・投稿にデザインを入れようとすると時間が足りない
・写真が足りない

では、どうすればよいか。わたしが打った対策はこちら。

【続けるための対策】
・1週間分の投稿を週1でまとめてつくる
(週1回1時間ぐらいでつくれる範囲にする)
・デザインはテンプレで文章だけ入れ替える
・商品写真は毎回新しくなくても良い
(1枚目だけ最近の投稿と被らないようにする)

最初は上記の対策で、週1〜2投稿から始めました。やっていくうちに慣れて作業時間が短くなっていくので、いまは週5投稿ができるようになったという感じです。


最近頑張ってるYouTubeの例

https://www.youtube.com/@jibunjikan

もうひとつ、YouTubeでは今まさに「続けられない分析と対策」を実践しているので、そちらの例も。

2021年12月に初投稿をしたのですが、その後も月1ぐらいで投稿したいなと思いつつ、なかなか続かなかったYouTube…。自分なりの分析は、こんな感じでした。

【YouTubeを続けられない理由】
・動画撮影が大変
(慣れてない / 撮影環境を整えるのが面倒)
・動画の内容を考えるのが大変
(当初「じぶんジカン」のチャンネルとして始めたので「ブランドの世界観を壊さない動画…!」というのがハードルに)
・他の仕事より優先度が低く後回しになりがち

動画は初挑戦だったため、めちゃくちゃいろんなハードルがありました。でも動画を編集するのはすごく楽しかったので、何かやりたいなあとは思いつつ。それで考えた対策が、こちら。

【続けるための対策】
・チャンネル名を「じぶんジカン店主の日々」にする
→「じぶんジカン」でやるよりもハードルが下がる、暮らしや思考のことを記録できる
・「撮影環境を整える」のハードルを下げる
→動画撮影のために部屋を片付けるのをやめる(見栄を張らない!)/ 化粧するのをやめる(顔ほとんど映らない!)
・良い三脚とマイクを買う
→少しでも気持ちよく撮影するため / またそれなりの値段を出せば「やらねば」感が背中を押してくれるはず
・動画は短くても良いことにする
・スケジュールを組む段階で「YouTubeの日」をつくる

上記の対策を打った上で、今月はとりあえず「週1で更新しようとすると、どんなスケジュールになるのか」を知りたいなと思って、毎週土曜夜に更新してます。

実際のところ、たぶん今後も週1で継続するのはわたしにとっては難しいと思うのですが「1ヶ月とりあえずやってみる」をするだけで、わかることがたくさんあるはず。

1ヶ月更新を終えたあと、今の自分にはどれくらいの更新頻度が適しているのか、改めて考えてみようと思っています。月1になるかもしれないし、2ヶ月に1回とかになるかもしれないけど、まずはやってみないとわからないですからね。


完璧主義になりがちだから、不完全体をさらす修行が必要

結局のところ「ちゃんと更新したいけど、なかなか続かない」の悩みは、更新のハードルを上げすぎなんだと思います。「毎日更新しなきゃ」「クオリティの高い更新をしなきゃ」と気張った結果、続かなくなってしまう。

でも個人的には毎日更新しなくても良いと思うし、クオリティだって「それって見てくれる人が求めてるものなの?」と、自分に問うことにしてます。

真面目な人ほど「ちゃんとしてから」とか「上手くなってから」とか「クオリティを高めてから、発信しよう」みたいに思いがちですが、本当にそうなのだろうか。勝手に自分が完璧主義に陥って、ひとりよがりな発信になっているんじゃないか。そんな気がするのです。

もっと親しみがあっていいし、完璧じゃない方が愛される。完璧やクオリティを求めているのは見てくれる人じゃなくて、自分自身だけだったり、ね。

もちろんだからといって「なんでもかんでも発信すれば良い」ということにはならないけれど、わたしはSNSは "作品展覧会" ではなく "同じことを大切にしている人とほんの束の間でも時間を共有する場所" だと思っているので、例えば月に1回だけ一球入魂投稿をするよりは、週に1回ゆるやかにでも投稿して時間を共有できる方が、関係を築く上ではいいのかな〜と思っています。


継続できるようになったら、現れた次の壁

そんなこんなでわたしは、ある程度の継続更新ができるようになりました。このnoteも週1で数年間継続していますし、じぶんジカンTwitterは週5、前述の通りInstagramも週5で、1年以上続いています。

そんな中、最近次の壁にぶち当たりました。それが「不完全体をさらせなくなった」です。

どういうことかというと……

先ほど「クオリティはそんなに高くなくても良いのでは」と書いたのですが、正直なところ更新を継続していくと、それなりにちゃんとした投稿を気軽につくれるようになってくるのです(自分的には、ですが)。例えばじぶんジカンInstagramの投稿も「結構良い投稿だな!」と毎回思えるレベルになりました。それを週5で更新することが、できるようになっちゃうんです。

ブランドとしてもちょっとずつ大きくなり、お届け数が1万部を超えたり、見てくれる方が増えてきたり。つまりブランド自体が育っている感覚があります。

そんな中で、例えば以前は商品制作の過程をもっとお見せできていたけれど、最近では過程も「ある程度整ってから」お届けするようになったり。それは他にも投稿するコンテンツがあるからで、悪いことではないけれど、なんか「再び完璧主義になってきてない!?」と、感じました。

「ちゃんと整ってから」
「上手くまとまってから」

そんな完璧主義に戻ってしまうのは嫌だし、つまらないなあと思うので、それに抵抗したくて始めたのがthreadsでの「工房兼カフェ開業の道」の更新です。

https://www.threads.net/@miki_jibunjikan

ほぼ毎日、工房兼カフェ開業のためにやったことや考えたことを、日記のように綴っています。

正直なところ、この「工房兼カフェ開業までの道」を記すのは、わたし的にかなり居心地が悪くて。なぜなら、いつ完結するのかわからないし、ひょっとしたら最終的に「できませんでした!」になるかもしれない。物語の終わりが見えてない状態で、見切り発車でみなさんに見てもらっている感じ。

でも自分の完璧主義をもう一度壊すには、良いリハビリかなと思うのです。不完全体をさらす修行です。それに、もしもこの物語が完結したとき、わたしはそれまで考えたことや実践したことを、忘れてしまうかもしれない。記録としても、残しておきたいなと思っています。

ということで、最後は宣伝でおわります。よかったら、わたしの不完全体をさらす修行、工房兼カフェ開業までのどう完結するかわからない過程、見守っていただけたら嬉しいです。

***

ここに書いたことが、何か参考になりますように。

さいごまでお読みいただき、ありがとうございました!


▼ちいさなブランドにまつわるnoteはこちらのマガジンにまとめています



ちいさなブランドをつくるための、ひとつの参考書のような本をつくりました。

・自分のブランドをつくってみたい方
・つくり始めたばかりの方

に向けた内容となっています。自分のお店やブランドを大切に育てるために、ご活用いただけたら嬉しいです。



●エッセイ集を出版しました
「自分はどうかな?」と考えるきっかけとして、文章が届いたら嬉しいです。


運営している「じぶんジカン」では、自分と向きあう時間をつくるノートをお届けしています。もっと心地よく自分を生きるための一歩目に、よかったらどうぞ。


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