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ちいさなブランドのつくり方

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ちいさなブランドを運営する上で考えてきたことを、このマガジンにまとめます。
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#ブランディング

ちいさなブランドだからこそ大事な「世界観」のつくり方

個人でノートブランド『じぶんジカン』を運営してきて、早5年。 ものすごく大きく事業展開をしているわけではないものの、専業で生業にできるくらいには健やかに育っています。 世の中にはものが溢れ、素敵なものづくりをする人もたくさんいる中で、『じぶんジカン』を続けられていることの一番大きな理由を挙げるとしたら、「世界観」を大切にしているからだと思うのです。 世界観とは:ブランドの姿勢・大切にしていること・空気感ブランドの世界観とは、その姿勢や、大切にしていること、温度感、空気感

「誰が、どうやるのか」が大事

個人がブランドを立て、それを生業にしていくには、「何をやるか」よりも「誰が、どうやるか」が大事だなと強く感じます。 例えばわたしの運営する『じぶんジカン』で言えば、ノートの販売が「何を」に当たります。ノートの販売って、すでにやっている人がたくさんいて。文房具メーカーもそうだし、個人でもそうだし。何なら今から誰でも始められるような、イージーなタイプの事業です。 でも、この「ノートの販売」を生業の軸にできている人は、きっとそんなに多くない。つまりは「ノートの販売」自体に収益性

個人ブランド継続の3つの壁と、その乗り越え方

「松岡さんがこういう取り組みをするの、めちゃくちゃ意外でした」 わたしをよく知ってくれる人達から驚かれたり、わたし自身も「まさか自分がやるとはなあ」と感慨深かったのが、昨年『ちいさなブランドの学校』というものを始めたことです。 コミュニティとか、所属とか、そういうものがあまり得意でないわたしが『学校』を始めることにしたのは、「もっと想いが溢れるブランドが増えたらいいのにな」という願いからでした。 大量生産/消費じゃなくて、想いも手渡すような人間らしい営みが増えること。自

「やること」よりも「やり方」を見直す

ちいさなブランドをつくり、それを生業としていると、「どうしたらそんな生き方ができるんですか?」と聞いてもらうことが結構ある。 この質問に一言で答えるとしたら、これだ。 シンプルだけど、これが一番しっくりくる。 能力やセンスやコツよりも何よりも「続けたこと」が、大きな要因だと思っているから。 自分で何かを始めたいと思ったとき。種を蒔いてから実がなるまでには、ほとんどの場合、思っている以上の時間がかかる。 わたしが『じぶんジカン』を立ち上げたのは2019年のことで、もう

ちいさなブランドの、目的地の描き方

お店やブランドというのは生き物で、"現状維持" はないのだと、ノートブランド『じぶんジカン』を4年営んできて思う。 それなのにここ数ヶ月、わたしは「現状維持」を望んでしまったがゆえに、先の見えない霧のなかへと突き進んだ。 「現状維持」を望むことのもっとも大きな弊害は、熱量を失うことだと思う。わたしが熱を持てなくなることは、運営ブランドが熱を失うことでもある。わかりやすいもので、それは注文数などの数字に反映する。 とはいえ、売上を拡大したいわけじゃない。数値目標はわかりや

個人事業主に必要な「プロデューサー」の視点

『じぶんジカン』を立ち上げて、あっという間に4年目となりました。 ものをつくるのも自分、ブランドを運営するのも、これからの動きを考えるのも自分。ぜんぶ自分、っていうとこが "個人事業主ならでは" だなあと思います。 このブランドを大事に育てるなかで、最近特に必要だと感じるようになったのが「プロデューサー」の視点です。 『じぶんジカン』のような個人ブランドや、フリーランスで仕事をしている人もそうだと思うのですが、闇雲に目の前のことをやる時期も大切だけれど、自分の意志で「舵