自分は世の中の何に加担しているのか

「影響力も資本だ」なんて言われるようになって、その資本の使い方をよーく考えるようになったのが2020年でした。

インフルエンサー業というのは基本的に広告収入で成り立つわけです。なので誰かが作ったものを仲介して認知を高める仕事なのですが、その商品を自分が拡散することでファンの皆にどれだけ意義とリスクがあるのだろうと考えることが増えました。

最初は僕に宣伝してほしいと依頼があることがまず嬉しくて、そのお題でどう面白い動画を作るかに必死になっていました。

案件が増えて来ると時間的に全ての依頼に答えられなかったり、そもそもその商品が現地で評判良くなかったりしてファンから「広告の仕事が必要なのは分かるがちゃんと選んだ方がよいぞ」と心配されることもあったり、色々ちぐはぐすることも増えてきました。広告の出し方間違えると心無いコメント来ることもありますし、喜ばせるべきは一体誰なんだろうとも悩み始めます。

極めつけは自身の健康に対する意識の変化です。体に良い物が必ずしも市場で選ばれているわけではないし、糖分は一時の快楽をもたらしてくれるがその代償は脂肪になって返ってくる。何も考えさせない刺激だけを追求した娯楽映像は若者の可処分時間を奪っていく。ストイックな生活を送れば身体は絞れるし知識や技能も身に付いて結果生活の質も収入も増えるということが証明されているのに、僕はそれまでお金もらってファンの皆を逆の方向へ導いてしまったのではなかろうかと考え始めてしまいました。

しかし資本は逆の動きをします。怠惰や怠慢を助長するものにお金が流れやすいのは自明の理です。そら僕も含めみんな楽したいし手軽に楽しい気持ちになりたいしそれだけストレスフルな毎日を送っているから。なので今までおバカなことをやってた僕が突然健康や自己啓発みたいなことやると再生数低下になって跳ね返ってくるし、そもそも「お前にそういうの求めてないから、ただ楽しい動画を作ってくれ」という反応が返ってくるのです。僕が届けたいこととファンが望んでいるものにギャップ生まれてから回りしてしまうんですよね。つらまろ。

こういうのも、じっくり時間をかけて気持ちの変化を伝えていくことでしっかりイメージチェンジすることもできるんですが、基本僕1週間くらいで価値観180度ガラっと変わるのでじっくり時間かけようにもかけられなくてｗ

言うて僕も一時期ストイックな生活を送ったのですが、今はむしろバラエティも見るし甘いものも大好きなのでめっちゃ食べるし毎月ミスチかブランカのチーズケーキ取り寄せてるくらいだし、必要だっていうことは重々承知しています。その中で僕は何に加担して何を声を大にして言うべきなのかっていうところですごく悩んだ一年でした。

一方でこのコロナ禍、自分を励ましてくれたのもコンテンツだったし支えてくれたのもコンテンツでした。インプットの時間を増やして、日中韓のコンテンツを見ながら分析してました。30代も中盤に差し掛かり、ティーンの間（しかも外国人の）で流行っているものに全然共感できないことも増えてきましたが、マクロでみるとそれらは様々な社会問題と繋がっていることも分かり、知識があれば世の中の見え方は全然変わるんだなという気づきもありました。

結局何が言いたいのかと言うと、コンテンツも種類があるし、年齢や立場によって見え方は変わり続けるし、マネタイズの方法だってクリエイターが考えても良い。前例に倣えば全てうまくいくという時代が終わりかけているので、リスクとって自分が納得いく新しい作り手と受け手の関係性を作っていかないことにはコンテンツの作り方やアプローチも変わっていかないし、激変の時代に新しい共感を生むことはできなくなっていくんだろうなということです。そしてそのためにクリエイティブの「前例」や「歴史」をリスペクトして学ばせていただくことからしか始まらないなと思いました。つまり考えるのをやめてはいけない、ということです。

バズは偶然作れるけど、長く愛されるものを作るには実力が必要です。ここ数年日本でも議論されつくした話題かも知れませんが、長く愛してくれるファンと共にクリエイターが生きて行けるような生態系のデザインに加担していければよいなと思います。

個人的にネトフリのCowboy Bebop実写化に期待大です。散々中国文化人ぶって推すプラットフォームが中国じゃねぇのかよ！というツッコミは甘んじて受け入れますｗ この「Tank!」本当カッコいい...シビれる。

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現在、テレビ朝日にて私がレギュラー勤めている「ブイ子のバズっちゃいな！」がバラバラ大選挙に参加しております。是非一票お願いします！

昨年12月にNewsPicksさんでロングインタビュー記事が会員向けに掲載されています。髪長くて気持ち悪いですが良いこと話しています。でも話したりなかったのでまた是非お願いしますｗ