『デジタル耐震チェック』今の「住まい」と「生活」を守る耐震性能診断
今年の元日に発生した「令和6年能登半島地震」のニュース映像等を見て、現在住んでいる場所の地盤や住宅について、心配や不安に思われた方も非常に多かったと思います。
「我が家も過去に大きな地震を経験しているが、建物の耐震性が低下していないか?」「目には見えないダメージが蓄積して、大きな地震に耐えられない家になっていないか?」「耐震性が気になっているが、実際にどうすればいいのかよくわからない。」などのご質問が当社にも多く寄せられています。
現在、別途公開中の地盤安心マップ®PROのご利用に合わせて、
「地盤カルテ」のご利用件数も日々増えている状況です。
住宅建築の指針となる建築基準法は、1978年に発生した宮城県沖地震による被害をきっかけに、1981年に法改正がなされましたが、それでも1995年の阪神淡路大震災では多くの住宅が倒壊・半壊したため、2000年にも改正され、現在の基準となっています。
現在の基準は「2000年基準」「新・新耐震基準」などと呼ばれ、地盤情報に合わせた設計が必要になっています。
【旧耐震基準】1981年5月31日以前の建物
【新耐震基準】1981年6月1日以降の建物
【2000年基準】2000年6月1日以降の建物(木造)
当社では、お住まいの住宅が2000年以前に建築の場合、改めて耐震性能の確認をおすすめしてます。
その方法のひとつとして「デジタル耐震チェック」を実施し、
地盤の揺れやすさや、建物の耐震性能を数字で把握することを推奨しております。
デジタル耐震チェックとは?
デジタル耐震チェックは、「微動探査機」という精密な地震計を用いて地盤と建物を計測し、住宅の揺れやすさ(耐震性能)を数字で表すサービスです。
<建物外>と<建物内>の重心部分に調査機を設置して調査します。
計測にかかる時間は地盤・建物内それぞれ20分程度です。
非破壊検査のため、音のしない調査となってます。
地盤や建物には、人には感じられない微小な振動の影響を常に受けており、地盤面及び各階の床面でその振動を測定、解析します。
固有周期から算出した「実測剛性」と質量、高さ等から算出した「必要剛性」を比較することにより、建物の耐震性能を評価しております。
固有周期とは?
建物が一方に揺れて反対側に戻ってくるまでの時間のことを固有周期といいます。
上記イメージ図のように考えてもらえれば良いでしょう。
建物で言うと、高さがあるほど揺れ幅は大きくなり、硬くなるほど短くなります。
地盤も周期をもっていますので、「建物の周期」「地盤の周期」が一致してしまうと、「共振」という現象を起こし、揺れが増幅してしまいます。
調査の対象は木造2階建て、3階建てのみ
デジタル耐震チェックでは、各階の揺れ方(振り子の幅)の違いを計測し、木造等の地震力による構造耐力上、主要な部分の変形による建築物の部分に損傷が発生しないかをチェックできます。
平屋の場合は2階床がないため対象外となります。(ただし、平屋でも小屋裏部屋がある場合は、可能な場合もありますのでご相談ください)
デジタル耐震チェック 判定基準
計測耐震強度を必要耐震強度で除した数値で、1.0を境に数字が小さくなれば耐震補強の必要性があるといえます。
デジタル耐震チェック報告書では判定の数字を以下の4段階で評価します。(➀ 1.25以上 ② 1~1.25 ➂ 0.75~1 ④ 0.75以下)
1.25~
大地震で倒壊の可能性はほとんどない
1~1.25
大地震で倒壊の可能性は低い
→念のため、耐震診断を勧めます
0.75~1
大地震で倒壊の可能性がある
→ 精密耐震診断の上、耐震改修を勧めます
~0.75
大地震で倒壊の可能性が高い
→ 精密耐震診断の上、耐震改修が必要です
たび重なる大地震・・
見えない場所で家は被害を受けているかもしれない?
デジタル耐震チェックで今の住まいを守るためにできること
「微動探査機」は、国立研究開発法人防災科学技術研究所の研究により、物理探査機としては世界で初めてISO規格を取得した、地震時の建物被害が事前にわかる最新テクノロジーです。
耐震性の高い建築物でも過去に大きな地震を経験した建物は、構造部材の接合部や構造用金物などのゆるみやダメージの蓄積から、次の大きな地震に耐えらないことも想定されます。
既存建築物については、現状把握(自然災害リスク、地盤特性、耐震性能、防火性能の調査と避難経路、避難所などの確認)と耐震補強などの対策が重要です。
「デジタル耐震チェック」について、ご質問やご相談、見積り・調査希望につきましては、下記サイトからお気軽にお問い合わせください。
https://jibannet.co.jp/digital/
参照:「いい地盤の日アワード 2022」大賞 微動アレイ探査法研究開発者 先名重樹氏が受賞
ー地盤の揺れやすさがわかる微動アレイ探査法がISOを取得ー
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6072/ir_material8/206155/00.pdf