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完璧な葬式

葬儀会社で研修中。
人の生死は時を待ってくれない。真夜中にお迎えに伺い、数日後にはお別れすることもざらにあり、たくさんの方のひとときに携わることの大変さを身にしみて感じる。
ご利用者様にとっては人生一度の儀式で、必ず通る道。
受ける側では失敗がないように研修に研修を重ねて3か月。

数日後にお客様の式を一人で承るようになるかどうかの試験がある。
2週間ほど前に越えられなかった壁は、越えたのかどうかはわからない。
いいわけではないが、いや、いいわけだが、独り立ちしてやっている先輩方も、必ずしも完璧ではない、ということがわかってしまった。

ここでいう完璧は、「マニュアル通りにやる」ということだけではなく、お客様へ商品を説明する方法だったり、指示の出し方だったり、ソフトの部分も含まれている。

私に研修をしてくれている先生(30代前半。勤務9年)は、マニュアルに沿った完璧な式を出す。社内の評価は高く、参列者が100名単位の式をつかさどることも多い。
お客様からの評価も満点だがコメントはなく、多分相手の心にしみていない。行き違いが発生するのは、自分の説明を相手が理解できているかをくみとる能力が低いんじゃないかと思う。

昨日同行させてもらった先輩(もうすぐ50代。勤務5年)は、指示の出し方に言葉足らずなところがある。
アシスタントが新人だったら多分迷うだろうし、お客様がクレジットカードを持って式場に支払いに行ったときに、係員がいないこともあるかもって思わなかったのかな?

合理的に準備をして、スマートな式を出す先輩(40代前半?)は、どちらかというとアフターに力を入れている。
ご請求の説明がてら、役場手続きについて1時間以上説明していた。でもね、式後でお疲れなのにそんなに長く説明して、実際頭に入ってる?

あ、愚痴です、あらさがしです。
じゃあ、私自身はどうなの?
これを踏み台にして、これから探します。

結局のところ完璧はあり得ないし、何年やっていてもどこかしらに問題があるものだ。
それがわかればテストも研修も怖くはない。

…でも、試験前最後の休みに、映画を見に行く勇気はない(笑)




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