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国際法解説④ 〜白人達だけのマイルール〜

 国際法の父であるグロティウスは、キリスト教の宗派であれば、どんな宗派であっても理解できるような理論でもって、国際法を提唱しました。
 要するに、国際法とは、キリスト教の聖書に書いてある事をこねくり回して作り上げた詭弁なのです。
 それ故に、「国際法は白人国家やキリスト教国にのみ適用されるルールであり、文明である」という「二重基準」がありました。だからこそ、白人達はアジアやアフリカ、中南米で好き放題やったのです。白人国家やキリスト教国家こそが文明国であり、白人国家でもなければ、キリスト教国家でもない有色人種の国など、非文明国扱いです。当然、国際法の適用主体とはみなしません。
 たとえば、「先占の法理」という国際法があります。これは、いずれの国にも属していない無主の土地に対し、他の国家に先んじて支配を及ぼすことによって自国の領土とする法理なのですが、白人達はこの法理を使い、自分達が見つけた山や湖を、勝手に自分の物にしました。当然ですが、白人達が見つけるよりも先に見つけた有色人種の人がいたはずですが、そんなものはお構いなしです。だって、白人国家でもなければキリスト教国家でもない国は文明国家ではないから!国際法の適用主体ではないから!
 こういう歴史がありましたから、半分明国の日本は、国際法を「ヨーロッパ公法」と呼んでいました。国際法の英訳は「Internationallaw」ですが、「国際法」とは訳さず、「ヨーロッパ公法」と訳しました。当時の現実に即した翻訳と言えます。
 ここで、もう「半分明国」という言葉をつかいましたが、これを少し詳しく説明します。クリミア戦争の講和条約であるパリ条約に署名したトルコは、このときにヨーロッパ公法の体系に負け、Internationallawは直訳でいう「国際法」になりました。
 それまで、ヨーロッパの中にあったのは文明国か、非文明国かの二つだけでした。しかし、トルコは非文明国の植民地ではありません。そこで、文明国と非文明国の間の「半文明国」という概念が生まれたのです。
 ヨーロッパの文明国はトルコに続き、ペルシャ、ムガール、清と侵攻を続け、それらの国々に不平等条約を押しつけて、「半文明国」に叩き落としました。
 特に清の悲惨な歴史は小学校でも習います。「眠れる獅子」と呼ばれ、白人達も評価していた清国でしたが、一次と二次のアヘン戦争に負け、日本にも負けた事で「張子の虎」である事がバレました。
 それにより、清は一気に白人達からエサとして扱われる事になります。誰も庇ってくれませんでした。
 これが国際法の歴史です。有色人種の国には適用されなかったのです。

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