「小山さんノート」
昨日から小山さんノートを読んでいる。
小山さんとは、ホームレスの女性だが生前80冊近いノートに独特の文体とともにその生き様を記された方で、その内容を小山さんと関わりがあった方達で読み解いて本にしたもの。それが先日発売された。
時間の許す限り、私は私でいたい
という言葉に記されるように、彼女は現代の生き方にそぐわなかった性質をもち、しかし、その中でも自身を失わぬよう生き抜いてきた内容が書かれている。
ホームレスだからというわけではないけども、でも、そういった状況にそぐわないほど非常に美しい文体。そして豊かな情景や心情表現
そして、圧倒的に生に向き合ったそのリアルな真実
それがひしひしと伝わってくる
なぜこの本に惹かれたかというと、自分自身現代の生き方に疑問を持った1人だからだ
もちろん、うまくいっていればおそらくこういった本に辿り着かなかったと思う
しかし、体を壊してから、そしてその体を壊すに至った原因を突き詰めていくと、やはり自分はどこか社会の構造に反抗的な気持ちがあったのだと推察される
要は気持ちよく洗脳されなかったというか、、同調できなかった自分がいた
あとは、世の中の嫌なやつ、どうしようもないやつに片っ端からぶつかってきた(今はそうではない、若い頃はなんでしょうね、なんでかわからないけども自我の強さと世直し?みたいな気持ちがあって許せなかった)
小山さんはありていに言うと資本主義の社会構造にそぐわなかった人だ
集団で生きられなかったひと
でも、世の中にはそんな人山ほどいると思う
社会に出てみても、なんとか誤魔化しながら逃げながら社会生活を送っている人
そんな人は山ほどいる
しかし、その傍ら元気で社会構造に馴染み、生き生きと生きている人がいる
まるでそういった人たちに合わせたかのような社会設計に疑問を感じてしまうのだろう
そして、しかし、生きていかないといけない
そういった中でどうやって心を組み立てていくか、それがこの本には記されている
幸せ不幸せという概念がある
まあこれは心の中の出来事だからどうやっても比べられないし、見ることも出来ないのだけれども
しかしながら絶対的に不幸せになるようなことがある
それは
・健康問題
・極貧
・暴力
などだ
小山さんは上記と向き合って生きてきた
私は常に思うけども、逆に健康が伴い、極貧からは脱して、暴力(言葉含む)などから遠ざかることができたら人間はそれなりに幸せだと思っている
それから先はもうプラスアルファの世界だと思っているから、すでにそれを持っている人はあまりよをはかなまない方がいい、むしろ恵まれていると思えたらそれで幸せだと思う
社会的弱者が懸命に生きる姿は本当に痛ましい
病気を抱えながら生きていく人、そういった人を抱えながら生きていく人も然りだ
それはどう表現しても、重い荷を背負うが如く生きていく感じになる
でも、人生は全てが修行だと思えばいいといった作家もいたが、まさにそのように思う
私の場合、幸にして20歳まではほとんどそういった悩みに煩わされずに生きてくることができた
社会生活を始めて、そして最初の歯車が噛み合わないところからおかしくなったわけだけども、その代わりにどれだけ考えたかわからない。哲学者のようになってきた気がする
今はそれをプラスというか、そういう人生だったのだと思うしかないが
そういった行程の中で小山さんのような文を読むと、全然違うが、同志のような温かい気持ちが蘇ってくる
生きることの苦しみを隠さずに話してくれる人がどれだけいるか
もしいたとしたらどれだけ貴重な存在かわからない
だって孤独ではないとその人が教えてくれるから
僕にとってはこの本はそういった1冊になると思う。
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