メガバン体験記ー３行の違い

メガバン体験記、今回は３行の違いについてご説明します。
ちょうど３行いずれも友人がいるので、そこからきいた違いを書いてみたいと思っています。

３行とはMUFG、SMBC、MFGの３行です。

それではMUFGから行きますね。

MUFGは三菱UFJ銀行です。ここは大きくは財閥系三菱グループにあたり、グループの中核企業になります。（御三家の他は三菱重工、三菱商事になります。）
元々は三菱銀行と東京銀行、三和銀行、東海銀行の３行が合併してできた銀行になります。現在では日本１位の規模を誇り、全世界的にみても世界１０位の企業価値を誇ります。日本を代表する企業になります。

合併の中の三菱銀行が中核となり風土を形成してきました。もともと三菱銀行はとても品？がよく、都市銀行の中でも、三菱らしい穏やかな雰囲気を持った銀行でした。そこに、全然風土の違う銀行が一緒になったので、最初は大変であったと聞いています。特に三和銀行でしょうか。ここは体育会系風土に溢れた銀行で、とても三菱とは相容れない状況であったのですが、三菱の力が圧倒的に強かったため、時間をかけて主要各所を三菱出身者で埋めて行った結果、今のような風土になったと聞いています。
東京銀行は外為を中心に扱う特殊銀行の１つであったため、うまく合併後も機能したと聞いています。

まあこの銀行の特色を１言で言えば、安定・安全でしょうか。有名なのはバブル時代にとにかく他の銀行と違って融資を進めなかった、また投資にも乗らなかったことから、バブル崩壊を極めて小さいダメージで乗り切っています。要はリスクをあまり取らない風土があったということです。
全体的には優秀な方が多く、とても穏やかで品の良い行員がいることが特徴でしょうか。

次はSMBCです。
SMBCは三井住友銀行になります。その名の通り三井銀行と住友銀行が合併したグループになります。三井銀行は当時さくら銀行という名前でして、さくら自体が太陽、神戸、三井の３行が合併してできた銀行でした。そして、三井銀行は当時から体力がとても弱っていて、さくらになったときも都市銀行１０行の中で最弱に近い銀行でした。（当時は都市銀行が１０行ありました）そして破綻懸念もあり国からの援助金も入れてやってきた中、住友銀行が救済するという形で合併をします。当時救済合併という名称を出すと、住友の頭取が明確に否定していましたが、実際にはそれくらいの体力差があったと認識しています。当時はラストバンカーの西川さんだったでしょうか。

世界ランキングは１４位、国内ではMUFGについで２位の規模となっています。しかし、この銀行の特徴は業務純益比率が他の銀行に比べて高いということです。比較的攻めの姿勢、リスクをとる銀行であります。

グループとしては三井グループになるのでしょうが、みなさんもご承知の通り三井の財閥グループが少し弱くなってきており、住友の力が徐々に伸びてきているという状況があります。今後どうなるかわかりません。

しかし、ここも人の三井と言われた誠実な人材育成を旨とするグループと、それに対して住友はとにかく体育会系、攻めの姿勢、水と油で全然噛み合わない雰囲気でした。
しかし、ここもやがて住友側の人事が幅を利かせ、今の体質に至ったと聞いています。

SMBCが今後MUFGとどのような位置付けになるかは見据える必要があるなと思っています。

最後はMFGです。
MFGはみずほ銀行です。ここは日本興業銀行、第一勧銀、富士銀行の３行が合併してできた銀行になります。

国内３位、世界１８位。
芙蓉グループに属します。

ここはとにかく日本興銀という当時の日本の叡智を集約したような政府系の銀行があることが特徴です。しかしながら、規模的には富士に圧倒的に差がついていましたので、実質支配は富士銀行ということになります。

芙蓉グループの特徴ですが、垂直管理ではなく、グループ各社を水平に対等に管理するという風土があり、そのことがこのグループにも影響しています。

なので、実質に３行が交わることはなく、いまだに旧３行が対立し、残っています。名刺交換すると時々、旧富士ですとか旧興銀ですとか言われます。そういえば第一勧銀の人はあまり言わないですね、主張が乏しいのでしょうか。

そのことはシステムにも影響が出ていて、ほかの２行がすぐにシステム統合して行ったにもかかわらず、MFGはいまだに３行ベースでのシステムが残っています。それがあるが故に、あのようなシステム事故やミスが多発しているとみています。とにかくカオスなのです。

あとはプライドの高さを感じることが多々あります。特に旧興銀でしょうか。いまだにひょっとしたら合併に納得いっていないのかもしれません。確かに、興銀といえばほぼ旧帝しか入れない超エリート集団であったがために、民間とは相入れないのかもしれません。

この銀行はとにかく外に打って出るよりも早く内部のゴタゴタを解決する必要があると思っています。１つになる、ワンみずほになる必要があると思います。

以上が簡単ですが、３行の特徴となります。