見出し画像

親孝行とは

拾い集めれば毎日いろいろなことがあるはずなのに、ここに書くに至らずに、ささやかな気持ちが流れていってしまっている近頃。

少し前のことだけど、書いとこっかな。お仕事中のはなしです。

☆☆☆

長ーい夏休みが終わり、また午後2時ころから、こどもたちを学校に迎えに行く日々がはじまりました。

運転手の数が限られているのと、複数の学校に似たような時間に迎えにいかないといけないので、その日、わたしはふたつの小学校に迎えにいくことになりました。

時間の都合で、いったんバイトの学生さん(男の子)に一人の子をひきとってもらい、その間にわたしは別の小学校で2人をひきとり、その後、学生さんと待つ子をその小学校にまた迎えにいって事業所に戻る、というスケジュール。そこまで細かい説明は本題には関係ないのですが…

というわけで、普段はわたしひとりで運転しますが、その日、珍しくバイトの学生さんを助手席に乗せて15分ほどのドライブ。ちょっとゆっくり話すことができました。

子どもたちがいる時間は、結構みんなバタバタと仕事があったりするし、終わったらみんな早く帰りたいし、コロナで飲み会みたいな交流会もないし…で、社員さんやパートさん、バイトさんとみんな仲良くはしているものの、いまひとつプライベートなことは知らないのがが現状です。

でもその日は車に乗って、どういう流れか忘れたけど、兄弟はいるの?なんて、ちょっとプライベートなことを聞きました。すると、彼は弟くんがいるとのこと。弟くんも大学生で、さらに実家通いではなく一人暮らしをしているとのこと。あ、そのバイトさんも一人暮らしをしているので、親御さんは2人の大学生を一人暮らしさせているってことですね。

「あらあ、そりゃ大変だね!もう親の見方しかできんから大変だね、しかでてこないよぉ」

とわたしが言うと、

「ですよねぇ。ほんと、親には感謝してます。僕も親元はなれて、ほんとにありがたみわかりました。自由が楽しくて、もう戻りたいとは思わないけど、親孝行しなきゃ、って思いますよ~」

と言いました。そこから親孝行のはなしに。

「いや、しかしね、親孝行なんてお金のはなしではないと思うんだよね。楽しそうに、幸せそうにしてるのが何よりだよ」

「え、ほんとですか!なんか励まされるなぁ~うれしいな~」

バイトくんが嬉しそうにそう言ってくれたので、その返事にわたしも嬉しくなり、またペラペラと

「まあ、わたしの場合は、ってことだけど。そりゃまあ、子どもにもいろいろあると思うし、ピンポイントでつらいことはたくさんあると思うよ。でも基本的にいいお友達がいて、やりたいことやってて、留年しないで学校もちゃんと行って、健康だったら、もうこれ以上の親孝行はないとおもうよ~」

と言いました。

ほんとですか〜、と何度か返事をもらい、ほわほわとした、いい会話でした。

☆☆☆

わたしは娘たちに対して、いい学校に行ければいいなあとか、なりたい職業につければいいなあとか、素敵な彼氏かだんなさんに恵まれればいいなあとか、できればあんまりお金にも苦労しなくていいようになればいいなあとか、いいお友達に囲まれてほしいなあとか。

こうなればいいなあというのは、言い出すといっぱいあるけども。

でも、最終的には要するに本人が納得して楽しく日々を過ごしていければいいのであって。まあそれがなかなか難しかったりはするけど、それなりにまあまあやっていれば、ほんとうにそれで充分。

たとえ、世間的にいい学校やいい会社に行ったところで、本人が楽しそうでなかったり、つらいことが大きすぎたりすると、親としては見ててやっぱりつらいです。結局なにってしてあげられないし。

悩みを自分なりに乗り越えたり、もちろんそこから逃げてもありだと思うし、そうやって自分でなにかしら目の前のことに対応して、最終的に「これでよかった」なんて言ってくれれば、親としても嬉しいなと思います。

私は、全然エライ大学には行けなかったけど、部活やったり、いい友達に恵まれたりして、本当に充実した学生生活を送れたと思っています。だから親に感謝している一番は、いつも「実家を離れて大学に通わせてくれたこと」といつも答えています。お母さんからすると、当時はあまり気に入った進路ではなさそうでしたが、いつもわたしがそういうので、結果よかったと思ってくれているみたいです。

そのバイトくんも、私も深くは知らないのでテキトーなことしか言えませんが、客観的に見る限りでは、男女、年齢問わずいろんな人に好かれていて本当にいい子なので、とても親孝行だなあと思います。親御さんにしたら心配なことはあるのかもしれないけれど…。

若い人に限らず、結局、親孝行って自分がしあわせならそれだけでいいと思うので、自分がしあわせでいることって、大事なことだなあと、あらためて思ったできごとでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?