メイン画面子供

「楽しく継続できる学習コンテンツ」制作のコツ3つ


 今の日本で、ゲーミフィケーションがもっとも活用されている分野は、デジタル学習サービスだと思います。特に子供向けのもの。その制作のコツを、実際のコンテンツから紹介します。

「楽しく継続できる学習コンテンツ」制作のコツ3つは、下記の通りです。
1.「 ゲーミフィケーション6要素」に沿って、実装する
2. 楽しいはあくまで手段、目的は本人の自発的な学習意欲の喚起
3. ゲームにするのではなく、ゲーム化する

一つづつ解説していきます。

1.「 ゲーミフィケーション6要素」に沿って、実装する


 株式会社SRJから3月にリリースされる、ICT×自立学習型能力開発ポータル「TERRACE(テラス)」。コンテンツも盛りだくさんなのですが、ゲーミフィケーション要素もふんだんに入っていて、岸本が監修を務めさせて頂いています。

画像1

ICT×自立学習型能力開発ポータル「TERRACE(テラス)」のリリースページ
https://speedreading.co.jp/products/terrace/teaser.php

では、読者の皆さんに問題です。
次のPVをご覧になって、ゲーミフィケーション6要素を見つけてみてください。

動画TERRACE 速読解・思考力トレーニング
https://youtu.be/LbT7WjvNkpg

さて、いくつ見つかりましたか?





では、我々が組み込んだゲーミフィケーション要素を紹介します。

メイン画面子供

①  可愛いキャラクターが登場  ⇒[能動的な参加]
可愛いキャラクターを登場させることにより、子どもたちに、学習空間はより楽しい別の世界だと感じさせ、学習意欲を高めます。

メイン画面幼児

②  最初の画面が楽しそう(幼児) ⇒[能動的な参加]
最初の画面は重要です。子どもたちに、勉強=つまらないではなく、勉強=楽しいかもしれない、と思わせる明るく楽しそうな画面を登場させます。
また、メイン画面は、ユーザの年齢層の好みに合わせて幼児、小学生、中学生3つの絵柄を用意しています。

正解時

③  正解時に、丸印や効果音で正解だと伝える ⇒[称賛の演出] [即時フィードバック]
うまく出来た時は、すぐに褒めてあげることにより、子どもたちの学習意欲を高めます。丸印や、気持ち良くなる正解音などです。デジタル学習コンテンツでは、その仕掛けをアナログより簡単に効果的に組み込めます。

画像5

④  高成績時の“Excellent!”表示  ⇒[称賛の演出] [即時フィードバック]
もっと良く出来た時は、特別な「Excellent!」の文字で称賛します。

効果音変化

⑤ 正解を続けると効果音が変わる  ⇒[称賛の演出] [即時フィードバック] [成長の可視化]
高度な技ですが、正解を続けると効果音が変わっていくことに注目してください。音を聞いているだけでも気持ち良くなるので、周りで聞いている人にも、連続正解していることが伝わります。プレイしている子どもたちへの称賛はなおさらです。

メイン画面幼児

⑤  ストーリー性 ⇒[能動的な参加][成長の可視化]
動画には登場しませんが、子どもたちが毎週の学習を継続すると、メイン画面の背景の図書館の絵がドンドンと広がっていきます。それにより子供たちに成長を実感させることができます。ストーリーの最後には、この図書館の謎が解き明かされます。子供たちをワクワクさせる仕掛けです。

 以上、こんな様々な楽しい仕掛けを入れて、子どもたちの学習意欲を継続させることを狙って作っています。

2. 楽しいはあくまで手段、目的は本人の自発的な学習意欲の喚起

 ゲーミフィケーションは大きく2つの場面で有効です。1つ目は、まず学習の一歩目が踏み出せない子供たちに、ゲームみたいに楽しいから試しにやってみようと思わせ、一歩目を踏み出させることです。2つ目は、継続することが苦手な子どもたちに、先の画面が見たいややるとほめられることにより、継続のモチベーションを与えます。

 大事なのは、子どもたちに学習コンテンツ内で自己の成長を目に見える形で伝えることにより、子どもたちは自らの成長に気づいて、自発的に学習を行うようになることです。
そうなった子供たちにはゲーミフィケーション要素は余り必要でなくなるのです。ゲーミフィケーションの楽しいはあくまで手段で、目的は本人の自発的な学習意欲の喚起なのです。
 たまに「楽しいだけではダメ」とおっしゃる方がいらしゃいますがその通りで、制作者がそうならない様にゲーミフィケーションを実装する必要があります。

3. ゲームにするのではなく、ゲーム化する

 2でお話しした様に「楽しいだけで良い」のは、娯楽のためのゲームの作り方です。学習コンテンツにゲーミフィケーションを入れる時には、子どもたちがつまづきやすい箇所に重点的にゲーム要素を入れて、学習を継続させて学習者が「やったら出来た」と自己成長に気づく仕掛けがを入れることが大事です、これがゲーム化するということです。たまに自分はゲームをよく遊んでいるのでゲーミフィケーションの仕掛けが作れると勘違いされる方がいらっしゃいますが、無理です。笑 ちゃんとゲーミフィケーション理論を学ぶことが大切です。

 以上、今回は長文になりましたが、「楽しく継続できる学習コンテンツ」制作のコツ3つについて体験型にて、解説しました。

お時間あれば、こちらもご覧ください。
動画岸本好弘氏ゲーミフィケーション6要素について
https://speedreading.co.jp/products/terrace/teaser.php
(終わり)

jgamifa #gamification #ゲーミフィケーション
#日本ゲーミフィケーション協会 #学習コンテンツ   #TERRACE #SRJ
執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?