エルドレインの森にむけてポリシーの変更

Toby Elliot氏のblogでアナウンスされた、IPGとMTRの変更についての記事の和訳です。各文書の発効日は下記「新しい文書」内の日付をご参照下さい。

原文はこちら
https://blogs.magicjudges.org/telliott/2023/09/06/policy-update-for-wilds-of-eldraine/


新しい文書
IPG(原文)/(和訳)  | MTR(原文)/(和訳)


やぁみんな、聞こえてる?

だいぶ間があいて、みんなが何が起きたのかって思ってるのはわかってる。パンデミックの最中、トーナメントが閉じていたのは明らかだし、それらがいつか戻って来るのか、いろいろなことが不透明だった。そして、いざ戻って来たとき……その間に起きていた(ほとんど)すべてのことをポリシーがうまく扱えていたってことが判明したのだ。我々はもう一方の靴が落ちてくるのを待っていたものの、それはなかった。しかし、それはつまり我々がアップデートを発表する理由があまりなかったということを意味していたのだ。

しかし、最終的に注目すべき2つの事柄があり、その他にも、独立してアップデートを発表するのが正当ではなかったやり残しがいくつかあった(さらに、アップデートの準備中にやってきたものも含まれる)。

あたりは真っ暗だ。狼男に食べられるかもしれないぞ。

パンデミックの最中、我々は問題を抱えた2つのセットを避ける事ができた。全てが閉鎖された後に、イコリアが発売され、変容と相棒がもたらされ、これらはルール上の頭痛の種となり、相棒に至ってはデッキ構築ルールを機能させるため、幾らかの微調整を必要とした。しかし、後者は時間と共に微調整が施され、前者は現時点において構築フォーマットに影響があるようには見られないようだ。しかし、その後に、『真夜中の狩人/Midnight Hunt』で、トーナメント上のメカニズムとしては史上最大の問題の候補となり得る昼/夜が登場した。

昼/夜は現行のポリシーとの整合性を取るのが難しい独特な課題を提起している。このメカニズムそれ自身は、それを気にするパーマネントとは切り離されていて、キーワードをもつパーマネントが戦場に存在しなくても変化することがある。何も起きないとしても変化するのだ。「情況情報/Status Information」にも見えるが、コントローラーは存在しない。前例としてこれに最も類似するものはターン数であり、これまでマジックは、最初の数ターンのみが影響するよう非常に注意を払ってきた。そのため、プレイヤーはこれについてすぐに忘れてしまい、その後に、誰も注意を払っていなかったのに突然関連するようになるのだ。

これを様々な場所に埋め込もうと試みたが、そのためにはあまりに多くの書き直しが必要となるか、プレイヤー個々の責任ではないことに対する多くのペナルティをもたらすか、という結果となった。そのため、異なる方法をを採ることとした。その結果、完全に新しいコミュニケーションの節が昼/夜へと捧げられ、これにまつわる問題は基本的にはペナルティを伴わずに意思疎通規定違反として扱われるものとした。

しかし、これだけでは十分ではない。まだ、あなたもプレイヤー達も昼か夜か本当に判断できない場合において、それをどのように修正するのかということについての明確な指針が存在しないまま残っている。ここで、少し単純な論理を用いる必要がある。ターン中に呪文を唱えないということは、ターン中に呪文を2つ唱えるということより頻繁に発生し、呪文を2つ唱えるということは記憶に残りやすい傾向がある。つまり、何が起きたのか不明な場合には夜である可能性が高いので、そのようにしよう、ということだ。注意点として、これは全ての状況を補完するデフォルトということではない、本当に何が起きたのか不明な場合にのみ使用してほしい。

マジックのカードのイカすアイデアだ、でもそのままじゃホントのマジックのカードじゃないよ

パンデミックを越えて見られたもう一つの大きな変化は、特にSecret Lairで、Wizards社がマジックのカードの見た目を本当に自由にし始めたことだ。これは、お気に入りのマジックカードの新しい加工を探しているときは素晴らしいことだが、プレイ可能なカードを構成するものとは何なのかということを定義しなければならない場合にはあまり素晴らしいことではない。伝統的に、主な指標はマジックのカードの裏面だったが、それはすでにさまざまな形式の両面カードにおいてかなりビミョーなものになっており、ウラモグシリアルボックスや両面に同じカードの文面があるフォイルカードの導入により、さらにビミョーさが増している。さらに付け加えると、Mystery Boosterの「プレイテスト」カードというものが存在している、これは公式なドラフトのイベントで使えるし、Gavinすら預かり知らぬ「カード」がたくさん出回りだしている。新たな皺寄せが絶えず現れているのだ。

何がリーガルであるのかを定義しようとすることは難しいことが判明した。しばらくカードの下部にある黒枠を二分割してその前部と後部で定義にしようとたものの、うまくいかなかった。復刻カードではしばしばこの下部が省略されるのだ。最も難しいカードは、意外にもOptimus Prime, Inspiring Leaderだった。シリアル・ウラモグが存在する世界において、どうしてこのカードが違法とされるのだろうか?それはカードの下部に「Heroes」という単語が小さな文字で書かれているだ。幸いにも、これらのカードがトーナメントに持ち込まれる可能性はほとんどないようだ。

そこで、我々は振り出しに戻った。まず、マジックのカードであれば何でも合法と定義し、それから合法でないものを除外したらどうだろうか?実際、これはかなりうまくいっているように思える—どこでもリーガルでないものにはほとんどすべて、金色の枠があるのだ。我々は『Heroes of the Realm』のカードを取り除いたが、それが公的にリリースされたカードというものに含まれるのかどうかについては議論があった。すべてのプレイテスト・カードはリミテッドでは問題なく、Unなカードにはいつもの呼び出しが必要だったが、それが - 私たちの考える - すべてだった。

重要なのは、機能的な変更は意図されてないということだ。古い定義において機能していなかったSecret Lairのカードをリーガル化することを除いて。たくさんの、とてもたくさんのカードが刷られている以上、明らかにイリーガルなものが誤ってリーガルになってしまう可能性はある。それがまだ違法であると仮定した上で、それを知らせて我々が穴を塞ぐのを手伝って欲しい。

我々はこの過程で、一部のSecret Lairで名前を変更しているカードに関する疑問を解決した。みんながこれまでが行ってきたように、それらは同じカードである。現在、これに関するルール上のサポートがいくつか提供されている。そして、誰でもいつでもダンジョンを持っていると言ったことが、他のトークンにも当てはまるようになった。そのような扱いを一般的にしたのだ。ただし、これは差し替えカードには適用されないことに注意して欲しい。差し替えカードは引き続き、公式版を必要とする。

クイックヒット

  • 情況情報について触れると、指輪があなたを誘惑する、が追加された。

  • 失格の処理方法に関する情報へのIPGのリンクは長らく更新されていなかったが、ついに修正された。

  • 誘発忘れにおいて、非常に限定的な復元がサポートされるようになった。これは、初めて誘発が忘れられたことがわかったのが、後続のアクションが実行される際で、そしてそのアクションだけの場合にのみ適用される。これは《虚空の盃/Chalice of the Void》などの一部の状況において役に立つだろう。

  • この更新を準備している間に、呪文の解決中にデッキに不足しているカードが判明する、という状況について混乱を引き起こす裁定があった。そのような状況における裁定をより明確にするため、その状況では相手が(呪文の解決中か、解決後かを)決定することができるというステキで簡単な修正があり、それをこっそり追加した。

これでおしまい

では、ここで大きな疑問を - 次回の更新は数年後になるだろうか?自信を持って「ノー」と言えるが、以前の、パンデミック前のスケジュールに戻るかどうかについては自信が持てない。ルール適用度が競技的であるトーナメントが減少しているため、一貫して問題が提起される機会も減少している。複数年にわたって中断していた期間中にすべてがほぼ持ちこたえたことからも、以前よりも更新の頻度が必要ないかもしれないということが示唆されている。もしくは、将来のリリースによって必要になるかもしれない - マジックのようなゲームにおいては、変化が一貫して起こっているのだ!

変わらないことは、更新というものは、問題を見つけ、改善方法の提案をするジャッジの貢献によって実現されているということだ。特に、Isaac King、Joe Klopchic、Joseph Steetに感謝を。そして、調整が必要だと思うものを見つけた場合には、気軽に連絡して欲しい(Twitterの @tobyelliott が一番簡単だが、元記事のコメント欄もチェックしている)。もしラスベガスにいる予定なら、ぜひ会場で会いにきて欲しい。いえ、Worldsの方ではなく、メインホールにいるはずなので、おしゃべりの時間はあるでしょう!


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