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「4つの経済思想」とは?~経済の本を読む前に。

こんにちは。自由主義研究所の藤丸です😊
今回は、複雑な話ではないので、多くの人に気軽に読んでいただけば嬉しいです。

「4つの経済思想」とは?


社会問題を考えるとき、
どのような世界観・思想・視点から見るかはとても重要です。
このことは、「経済」を考える上でも同様だと思います。

本屋に行けば、政治経済のコーナーにはたくさんの本が並んでいますが、
そのほとんどが「ケインズ経済学」か「マルクス経済学」の世界観から
語られている本だということはご存知でしょうか?

経済について学ぼうと思ったときに、考え方のベースとして、
「経済思想」に4つの区別があることを知ることは重要だと思います。

なぜなら、個別の経済問題や経済政策について考えるときに、
思想や世界観が根本にないと、
目先の問題に対する処方箋だけを選んで、短期間での成果に一喜一憂することになり、
長い目で見た場合に社会にどのような影響を及ぼしえるか、
を考えることが難しくなるからです。


今回は、この「4つの経済思想」について簡単に紹介しようと思います。
経済活動は、ゼニカネの話ではありません。
ある意味、社会の動きそのもの、人々の活気や人生そのものと言っても
過言ではありません。
自分がどのような社会でどのような人生を送りたいのか、
考えるきっかけにもなると嬉しいです😊

どのくらい自由があるかについての4つの経済思想


この図は、
「どのくらいの割合を政府が決め、
 どのくらいの割合を個人の自由に任されているか」
を表したものです。
「政府の強制」と「個人の自由」の割合が、どの程度の割合が望ましいか、を示しています。

この政府か個人かの観点から、経済学は4つに分類できます。
左から順に、
「マルクス経済学」「ケインズ経済学」
「マネタリズム(新古典派、シカゴ学派)」「オーストリア学派」
です。


一番左の「マルクス経済学」では、
すべての社会経済的なことを政府が決定するべきという考え方です。
社会主義・共産主義の考え方で、私有財産がない世界です💦


反対の一番右の「オーストリア学派」では、
政府の役割は外交・国防・治安維持などのみに限定するべきで、
他のすべての経済活動は、民間の自由な取引(自由市場)に任せるべきだという考え方です。
自由主義経済学であり、ミーゼスやハイエクが代表的な経済学者です。


両者(マルクス経済学とオーストリア学派)の間に、
ケインズ経済学とマネタリズム(新古典派、シカゴ学派)の考え方があります。

マルクスに近いほうがケインズ、
オーストリア学派に近いのがマネタリズムです。
マネタリズムはミルトン・フリードマンが代表的な経済学者です。

4つの個々の内容については、また詳しくnoteに書こうと思います。



この図の左が経済的「左派」、右が経済的「右派」と言われます。
これはどちらが善・悪ではなく、価値観の問題です。

例えば、コロナ禍やウクライナ戦争の影響などで、生活が苦しいとき、
経済的左派は、
「政府はもっと富裕層から増税してでも、困っている人を支援しろ」
と考えるでしょう。
経済的右派は、
「政府は余計なことはするな。減税して、奪うお金を減らせ」
と考えるでしょう。

また、最近できたヘルメット規制については、
経済的左派は、
「政府の規制により、交通事故で亡くなる人が減り、良い社会になる」
と考える人が多いでしょう。
経済的右派は、
「政府の規制により、個人の自由が減り、窮屈な社会になる」
と考える人が多いと思います。

どちらが善か悪かという話ではなく、
どちらの社会を望ましいと考えるかは、個人の価値観によります。

そして、この世には自分と真逆の価値観の人がいることを知るのも大事だと思います。
他の価値観の立場にたって考えてみることで、
自分の考えの欠点や弱点がみえてくることもあるでしょう。

ケインズ経済学について

上の図の左から2番めのケインズ経済学は、
戦後の資本主義国を通じて圧倒的な主流派です。

ケインズ経済学は、
不況時には、政府が金融政策や財政政策で介入するべきと主張します。

不況を脱すれば民間の自由な活動に委ねる、という考え方ですが、
実際には、政府は一度手に入れた権力を簡単には手放そうとしないのが
難しいところです。

ケインズ経済学に基づく政府活動は、肥大化し続ける傾向があります。
実際、日本の国民負担率(国民の所得に占める、税金と社会保険料の割合)は上がり続けていて、2023年の現在約50%(五公五民)です。
これをわかりやすく言うと、
「一年のうちお正月から6月いっぱいまでは、
 税金を納めるために働いている」

ということです。
恐ろしいですね…💦

さらに、政府と癒着している既得権益層の保護が強化され、
多数の規制によって民間は自由な経済活動ができなくなってしまいます。


ちなみに、アメリカとイギリスの2大政党は、
経済的な価値感がわかりやすい対比となっています。
「アメリカ民主党」「イギリス労働党」がケインズ経済学、
「アメリカ共和党」「イギリス保守党」がマネタリズム(新古典派、シカゴ学派)です。


(おまけ)
何かと話題💦の現代貨幣理論(MMT)は、
この図でいうと「ケインズ経済学の左端、マルクス経済学に近いところ」にあたる価値観です。

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最後まで読んでいただきありがとうございました😊
4つそれぞれの具体的な考え方は、またいつかnoteに書こうと思います。

この4つの経済思想は動画 ↓ でも解説しています。ぜひご覧ください!


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