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真空管ラジオをレストアしてみている。 1台目 (2) メインのバリコン

この一連の記事の一番最初に、NHK第二 ,AFN, TBS, 文化放送, ニッポン放送が受信できたと書きましたが、これが意味するところは、NHK第一は受信できなかったということなのです。ここは東京23区なのですが、それぞれの局の周波数は、次の通りで、NHK第一が電波が弱くて受信できないという環境ではないので、疑わしいのは周波数を変える所、すなわちメインのバリコンということになります。そして、一番低い周波数がダメということは、バリコンの容量がかなり大きくなったところで不具合がおきている可能性が高いと踏みました。

  • NHK第一 594kHz

  • NHK第二 693kHz

  • AFN 810kHz

  • TBS 954kHz

  • 文化放送1134kHz

  • ニッポン放送1242kHz

ひとまずバリコンを外す前にそのままテスターでショートしていないか確認したところ、2連バリコンの局発側が予想通りに容量がだいぶ増えたところでショートしてしまうことがわかりました。バリコンの羽を何度も回転させて様子を伺っても接触するような羽の曲がりはなく、特に擦れている感触もありませんでしたので、仕方なく取り外してよく見ることにしました。

取り外す前の2連バリコン(手前側が不良)
赤丸のバリコンが不良で、ある大きさの容量になると、ショートして発振が止まる

今度は、容量計を繋ぎながら回転させて様子を見てゆきます。どこかが接触しているはずなので、汚れを落とすことも兼ねて800番の紙やすりを羽と羽の間に通してみます。構造上簡単には届かない場所もあります。一通り通してみましたが、埃は綺麗になったものの接触は残念ながら直りませんでした。どうしたものかと思いつつゆっくりとすべての羽の間を色々な角度で覗きこんで行くと一か所なんとなく隙間が暗くなっているところを発見したので、そこに向かって再度紙やすりを入れたところ、容量計が反応しました。接触個所を発見できました。ヤスリを抜くとまたショートします。ライトに向けて覗くとどうやらホコリらしきもののようだったので、紙やすりを細く切って何度もつついたり通したりしてそのホコリらしきものの除去に成功し、直すことができました。
わかれば大したことがないのですが、なんだかんだで2時間くらいの格闘でした。
アルコールなどに浸けて洗ってしまうのが早かったかもしれませんが、そんなもの常備していませんし。まちがってもCRCは噴いてはだめだということを知っていたので、その沼にははまらずに済みました。
エアダスタースプレーは、埃を吹き飛ばすのに便利だと思います。(今回はなかったので使いませんでした)

このバリコンの容量(片側)
最小:13pF
最大:431pF

ここで、一旦バリコン周辺のレストアは、終わりにしていたのですが、バリコンの取り付け角が曲がっているのが気になりだしました。曲がっていることで、配線端子がシャーシに触れそうになっています。

バリコンがの取り付け位置が曲がっている

バリコンは、ゴムブッシュでシャーシからは絶縁された状態で取り付けられているのですが、このゴムが劣化して弾力を失い、ダイヤル糸のテンションに引っ張られて徐々に曲がって来たようです。ブッシュの代用品を見つけこれも交換しました。

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