BILLIE IDLE®「NOT IDOL」ざっくり雑感。

「何でこういうの今まで誰もやってなかったの?」が一巡聞いた後の感想。まあ、どっかで誰かがやってたのにたまたま出会わなかっただけかも知れんけど。ビートパンクからユーロビートやダブ、果てはヘビメタの要素までが取り込まれたBILLIE IDLE®さんの新譜「NOT IDOL 」にもし明確なコンセプトがあるとしたらそれは「脱構築」って事なのかも知れない。

何を「脱構築」しているのかというとそれは「NOT IDOL」と言うタイトル(BILLIE IDLE®さんの結成当初からのコンセプトそのものでもある)が標榜する様に、音楽性の多様化が著しく進み過ぎてジャンルが細分化され、音楽的には一種のタコツボと化した「ロック系アイドル」等と言うジャンルの括りやアイドルのフォーマットそのものの事なのだと思うし、大袈裟目に言えばそれらを無効化する事に成功した様な気がする。

「脱構築」という「白か黒か」などの二項対立を否定し「両立」や「並列」が成立するある種の矛盾状態を推し進められるのも「ネオ80's」と言うキーコンセプトがうまく機能し始めたからだと思うけど、言い得て妙というか「80'sリバイバル」では無かったのがミソだなあと思う。結局「ネオ80's」と言うのは80年代をベースとしつつもNIGO®さんのセレクト・チョイスによる90年代やひょっとしたら00年代をも含んだ「(大きい意味での)ポピュラーミュージック」のエッセンスを取り入れた新しい概念みたいなモノなのかもしれない。知らんけど・・・(苦笑)

いずれにせよ個人的にはこれだけ楽曲の方向性を散らばらせときながら全部ストライクゾーンに入ってくるしめちゃ気持ち良く聞けた。このまま矛盾を矛盾と思わせないまま、いや、個人的には「脱構築」を歓迎しているので矛盾だとは思わないけど、守備範囲を拡げていってもっともっと外側にいるリスナー層にも届けばいいなと思う。


#コラム #音楽 #BILLIEIDLE  

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