B015 階段ファイルを使う(3)

考えてみると身の回りにはこのような、データ数は少なく、内容は多彩なデータグループはかなりたくさんあります。B-TAOユーザーのある材木屋の親父さん、顧客は昔からの知り合いの大工さん。注文はほとんど電話で来ます。B-TAOカードに日付と、注文主、注文内容を書くそうです。もちろん最小限の殴り書きでしょう。でも、相手先と日付はカードの一番上に。カードの良さは、裏に受注品の加工図面が書けることだそうです。それを階段ファイルに綴じ込んでいく。出荷準備が出来、納品書が書けたらカードを外し、保管ボックスに移す。未納品のカードはそのまま残るわけだから、非常に気になって仕事を急ぐと。

こんな事を書くと若い人は、「今はもうそんな時代じゃないよ。だいたい電話で注文なんて・・・」とか色々言われると思います。はい、その通り。世の中の流れとしては、その通りと思います。が、私は彼がB-TAOカードを見たとき、「あぁ、こうすれば自分の仕事に役に立つな」と考えた、その着想を大いに評価したいと思います。それで彼の仕事は明らかに今までより能率的になった訳で、それがまさに「知的生産」なのです。

彼が新しいものに興味を持ち、着想を得、実行する、という「知的生産」を行ったのは、これが始めてではないでしょう。きっと様々な局面でいろいろなことを考えつき、実行して、結果として自分の業界でしっかりとした地位を築いている。電話で注文を受けているのも自分のためではなく、注文主の利便性を考えてのことかも知れませんね。


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