20200423 社会が、変わる(3)

事業と商売、言葉遊びのようだが、そこに含まれているニュアンスはものすごく違う。

今、世間で言われている起業(事業を興す)は、「利潤を求めて事業を企図、実行する」ことで、資本主義的考え方だ。これに対し、「商売」は江戸時代の「商い」を元とした考え方だ。現代の企業は基本的に前者だと思われているが、意外にそうでもない。実は後者の考え方を元にして活動している企業も多いのだ。特に中小零細、あるいは自営業者にはこれが多いと考えられる。私はここで、後者の「商い」について話してみたい。

商いの始まりは「生業(なりわい)」である。そのイメージは天秤棒(てんびんぼう・・・わかるかな、ググってください)で、売り物を担いで売り歩く、生きるための商い、だ。手から口へ、今日稼いだもので今日を生きる。江戸時代には江戸は物売りがひしめいていた。文献によると、市民は買い物に行く必要はほとんどなかったという。何でも売りに来たのだ。また、誰もが気軽に商品を担いで売り歩いたという。

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