【400字の独りごと】 届いたことば
届いたことば
ふと、最近聞いていなかった大好きなシンガーのCDが聴きたくなった。なんとなく、無性に聴きたくなった。
次の日。
立ち寄った本屋で、彼女を特集した雑誌を目にした。
そうか、そういうことだったのか。
導かれるようにしてその雑誌を購入し、帰途についた。
部屋着に着替える間も惜しんで、彼女のCDを手に取りオーディオにセットする。
それから真新しい表紙を、ゆっくりとめくった。
彼女の歌声を耳にしながら、彼女のことばに触れ、彼女の想いにひたる。
私のすぐそばまで眩しい海が近づき、色とりどりの花たちの香りが、ふわりと立ちのぼってきた。
束の間の、静かで、そして満ち足りた時間だった。
(2004年4月ごろ)
10代後半から20代の頃、Coccoの世界にどっぷり浸かっていました。
心の闇に、共鳴していたんでしょうね。
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