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乳がんのホルモン治療の副作用と休薬から1か月を経て思うこと

2019年7月に乳がんと診断され、その翌月に左胸全摘手術後、同年10月1日からタモキシフェンというホルモン剤の服用を始めてから1年3カ月。

その間、自分の身体の状況を一言でいうと「一気に老化がすすんだ」感じで、徐々に自分の身体と頭をコントロールできなくなっていきました。

昨年末からあまりに副作用がひどくなり、今年の1月16日から休薬しています。私個人のケースとなりますが、副作用の詳細と、休薬から1か月を経た体調を、どなたかの参考になればと思い、つづります。

私が最初に副作用を感じたのは、服用から3か月の2019年12月。以下のような症状が徐々に出てきました。

「不眠」「めまい」「倦怠感」「気分の落ち込み、激しい不安感」「集中力・記憶力低下」「視力の低下(健診で要精密検査となるほど)」「腰痛、関節痛」

当時、体調が悪くて日々会社に行くだけで精いっぱい。忘年会にも出席できずに帰宅。友人とのランチでも、私があまりにも暗いので、心配をかけてしまい、楽しくない時間となってしまって申し訳ない気持ちになりました。。。

3カ月ごとの定期健診で乳腺外科の主治医に早速伝えたところ、睡眠導入剤と「加味逍遥散」という漢方を勧められました。

睡眠導入剤と漢方を服用し始めたところ、だいぶ良くなってきました。これで回復したと思っていたのですが、またその3か月後にガツンと不調の波が襲ってきました。それからは、不定期ではありながら、約3か月おきに大きな体調不良の波が襲ってくるようになりました。

不調の波の渦中にいるときは、もう何も手につかないほどの苦しさに見舞われます。それでも、仕事中は誰にも分からないようにしなければ、と必死でした。

職場ではごく限られた人しか私の病気について話していなかったことと、見た目は普通なので言ったところで分かってもらえない、と思っていたからです。そして抗がん剤に比べたら、ホルモン治療の副作用は軽いものだという負い目のような感情もあり、人に言うほどではないという気持ちもありました。

約3か月ごとにくる不調の波は、有給休暇を取るなどして、なんとか乗り越えてきました。

しかし、2020年の12月中旬に襲った体調不良の波は、これまでに経験したことの無い破壊力でした。在宅勤務でも、パソコン前に座っていることも難しくなり、涙があふれてきます。もうどうにもコントロールできなくなり、産業医に相談。アドバイスに従って年末に主治医のアポイントをいれ、同じ院内の心療内科の精神科医を紹介してもらい、受診しました。

初めての精神科医の受診でしたが、私の精神状態は薬の副作用だけが原因ではなく、フルタイムで夜にもイベントを担当しなければならない仕事、ワンオペ育児、保育園が運営のために定める過度に細かいルールへの対応など、「duty(やらねばならないこと)」が多すぎる、という複合要因によるものだ、というのが精神科医の所見でした。

とにかく、やることを減らさねばならない、と言われましたが、そんなにすぐにはやることは減らせません。仕事のアポイントもあり、チームとの打合せもあります。

1日がとても長く感じられ、今日一日を無事終えられるか、年末の休みに入るまでに自分が崩壊してしまうのではないか、と不安で号泣する日々。息子も私の病気が悪化したのではないかと不安そうにしていました。

なんとか仕事が完全崩壊する前に年末年始の休暇に入れたことが、私にとって何よりもホッとした瞬間でした。年末年始は何もすることができず、ただひたすら毎日涙を流して横になっていただけ。

年始の仕事始めに復帰できるか不安でしたが、なんとか有給をのばして10日間のお休みを経て、復帰。この10日間の休暇が無ければ、私は崩壊していたと今振り返って思います。

ホルモン治療をお休みすることによる転移への不安はありますし、そもそも正常な思考ができない状態なので、判断力が無い中で、なかなか休薬の決断ができませんでした。主治医も私の判断に任せると言うだけです。結局、精神科医から「お薬をお休みしたらどうですか」と言われて、あまりの辛さに背に腹は代えられない、と休薬を選択することができました。

また、仕事のチーム仲間にも自分の病気のことや状況を説明し、体調が悪くて正常に思考ができないので仕事に貢献できないことをカミングアウトしました。自分が「できない」ということを人に伝えることは、とても辛いことで涙が流れましたが、「できる」フリはもうできませんでした。

休薬から最初の3週間くらいは、体調にほとんど変化はなく、不眠、倦怠感とめまい、不安感は続きました。そして涙する日々も。。。主治医によると、休薬しても身体から薬が抜けるまでに1か月はかかるということでしたが、本当にその通りでした。

休薬から1カ月を過ぎた2月19日くらいから、頭がクリアになってきたような気がしました。それでも「気がする」というくらい、はっきりとわからないのが本音です。睡眠導入剤を服用しなくても眠れる日がたまにあるということと、涙を流さない日があるということだけでも、前進した気がします。

ずっと頭の中に霧がかかっていたような状態だったのですが、少し霧が晴れたような気がします。

まだちょっと近所に買い物に行っただけでも、疲弊してしまうくらい疲れやすいので、倦怠感は残っています。

一気に老化が進んでしまった身体は、そんなに簡単には戻らないということなのかなとも思います。そして、もともと身体が弱いこと、ホルモンバランスの崩れに対して脆弱という事もあると思います。

私がホルモン治療の休薬をしている人たちのSNSを見ると、休薬して良くなったと思っても、数か月後に元に戻ってしまったので休薬の影響がどの程度なのか分からない、というコメントもあります。

不調の理由を何か1つに原因を求めてしまいがちですが、人間の身体はあらゆるものの影響を受けているので、何か1つの原因(私のケースで言えば、ホルモン治療の薬)を取り除けばすべてうまくいく、というものでもないのだ、と思います。

病気になるのもそう。病気がわかったときに私がまず思ったのが、何が原因でなったのか?ということでした。食べ物がいけなかったのか?お酒を週に1回飲んでいたからか?

もちろん、お酒を飲まないに越したことはないですが、あらゆるものの影響を受けて、個体差としての身体が反応しているので、これだけが原因というものはないのではないか、と思います。

まだ体調不安定なときはありますが、今後、ホルモン治療を再開するかどうかは、自分の身体と心、QOL(Quality of Life:生活の質)を考えながら、決めていきたいと思います。

※画像は、週に数回ウォーキングをしながら空を見上げて、神様に生きていることへの感謝を伝え、家族とずっと一緒にいられるように祈るときに撮影したもの。美しい日の出に癒されます。ウォーキングは体調を整えるために必須です。






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