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ときめきで落ち着かない夜

今日が最高すぎたからか、気持ちが落ち着かなくて寝支度をする気にならない。インプットが多すぎたのが問題かなと思って、noteに頭の中を垂れ流せば眠れるんじゃないかなと思った。

今日が最高だったこと

そもそも今日はチケットを2つも買っていた。1枚は麻布台ヒルズギャラリーのオラファー・エリアソン展。もう1枚はN響(NHK交響楽団)の公演。

オラファー・エリアソンのチケットは時間予約制で13:00~の枠を取っていたので、身支度してからすぐに電車に乗った。

神谷町駅で降りて5番出口を目指すと、麻布台ヒルズの駅前広場に着く。麻布台ヒルズの完成はずっと楽しみにしていて、オープン直前に駅利用を言い訳にしてチラ見したことはあった。他に人がほとんどいないときの際立つ空間も好きだったが、広場としてたくさんの人が行き交う様子はやはり良かった。このまま建物内を散策したい気持ちに駆られたけど、予約の時間が迫っていたのでギャラリーに向かうことにした。

オラファー・エリアソン展のギャラリーに向かう途中にも、他に2つのギャラリーがあることを知った。オラファー・エリアソンを見たらこっちも見にいけそうだなとまたワクワクした。

ギャラリーは中地階にあり、地下1Fの神谷町5番出口からはエスカレーターで上る。

私はエスカレーターが好きだ。特に初めて行く場所に向かうエスカレータは、目的地へ近づくにつれその姿が露わになっていく様子に対する高揚感と、自分の身体が・視界が定速で持ち上げられていく感覚が共鳴する気がする。そしてエスカレーターというどう見ても無骨な機械を囲う空間に表現される個性も好きだ。

ギャラリーの位置が最高だった。この中地階のフロアはギャラリーと受付などの付属の空間で完結していて、"商業施設の中の1つのテナント"感がなく、独立した空間となっているのが良かった。また、これはギャラリーだけでなく麻布台ヒルズ全体に点在しているのだが、ギャラリー前にある中庭に、地上から日光が差す具合も自然と気持ちを切り替えさせてくれるようで良かった。

入場前に寄った化粧室とロッカーも良かった。私は新しい施設の化粧室を見るのが好きだ。ロッカーも可愛かった。

13時前になったので入場口に向かった。受付のお姉さんが気さくだったな。体験付きチケットを買っていた私に、"きっとかなり前にチケット購入されましたよね""この体験は本当に面白いですよ"と色々聞かせて下さって、体験がより楽しみになった。

時間になって、入場した。

オラファー・エリアソン展

最初の展示は⦅蛍の生物圏(マグマの流星)⦆。

蛍の生物圏(マグマの流星)

同心円上に配置された3つの多面体が揺れて壁面や天井に光の影を落とす。

この手の作品はちょうど9月に見たテート美術館展にもあり、お気に入りだ。

星くずの素粒子 - テート美術館展
黄色vs紫 - テート美術館展

次に⦅終わりなき研究⦆。今回体験できるのがこの展示だった。

終わりなき研究

円形の小さい机とペンが、大きな机の天板を貫く重りつきの振り子に支えられている。机には1つの振り子が、ペンは2つの振り子がついており、片方を反時計回りに、他方を時計回りに回した軌跡を描く装置だという。

後から知ったが、この装置は"ハーモノグラフ"という19世紀に流行した装置らしい。

今回は1回の練習後に1回の本番、計2回体験させてもらうことができた。

まず机を反時計回りに好きな動きで回転させ、そしてペンを時計回りに動かして、良いなと思ったところで落とす。

リサージュ曲線的なやつだな〜とは思いつつ、だからと言ってどうやって動かせばどのような曲線を描けるかまでは頭が回らなかった。

昔遊んだぐるぐる定規(スピログラフって言うらしい)とは違って、机もペンも三次元空間を動くので、な〜んにも計算ができなかった。

そして体験ブースは展示も兼ねているので、周りに他のお客さんがたくさん集まってきた。自分がオラファー・エリアソンの展示の一部を決定づけるような役割を引き受けた気がして、すごく緊張してしまった。

私の本番の作品はこんな感じで描かれていった。

ペンを落とした瞬間に"トトトトンッ"と音が鳴ってペンが弾んだのが気持ちよかった

そして完成したのがこちら。

奥行きが見える曲線と、物理的な装置だからこそ現れた線の濃淡が可愛く仕上がった。展覧会のオリジナルスタンプとの相性も良い。

次の展示はドローイング作品。

⦅太陽のドローイング⦆はガラス球によって集められた太陽光が紙を焦した軌跡に、太陽のエネルギーを強く感じる。

⦅太陽のドローイング⦆

⦅溶けゆく地球(バナジウム・イエロー)⦆もよかったな。

紙面に置かれた氷河期時代の氷の欠片が、溶けながら周りの顔料を流動させ絵画が作られていく。

これは連作が展示されていたが、この作品が一番よかった。顔料にラメのような輝きが含まれていて、氷を溶かす太陽の光を想像させられるようだった。

⦅溶けゆく地球(バナジウム・イエロー)⦆の溶けた氷の跡

次の部屋は⦅瞬間の家⦆。

暗室内を一定の速度で点滅するライトが水の動きを瞬間的に捉えてシャッターを切る。連続的に動いているはずの水の軌跡が、パラパラ漫画のように静止画として輪切りにされていく。

⦅瞬間の家⦆

(こういう作品、他でも観た記憶があるのですが、思い出せなかった。
どなたかご存知の方がいたら教えていただきたいです。)

この部屋を抜けると、麻布台ヒルズのオフィス(森タワー)のエントランスに飾られた⦅相互に繋がり合う瞬間が共和する周期⦆についてのインタビュー映像が放映されていた。

彼が環境と美にどのように向き合っているか、そして私たちがそれにどう向き合うべきかについて語られた内容が印象に残った。
私は全てを知らないと大きな口を叩けないと思ってしまう性格で、環境活動に対しても同じような思いがあり、向き合うのならば真剣に向き合わなければならない、しかしそこに全てを懸けるような心意気がたりてない、というような状態だったのだが、彼の言葉を聞いて肩の荷が下りた気がした。

一言一句違わずに彼の言葉を引用することができないので、内容には触れないでおく。ただ今後、ふと自然が作り出す美しさに視線が奪われた瞬間があれば、そんな光景を明日も目にし続けられるように、と小さく祈る習慣から始めようと思った。

展示はこれで終わり。

地下に戻りミュージアムショップに寄った。

"音と関係がある"と記載があったが全く思い当たらなかったハーモノグラフの書籍を購入。

そしてリトルサン・ダイアモンドも購入。

元旦の能登の地震から、防災グッズを改めて用意しようと思っていたこと、以前MOTでオラファーエリアソン展を見た時に売っていたサンフラワーよりもデザインがかなり好みだったことから思わず購入してしまった。

リトルサン ダイアモンド

帰宅して早速点灯してみたが、壁面にダイヤモンドのような反射光が映るのが彼の他の作品を見ているようでとても美しかった。




わずか1時間にも満たない体験だけで3,000文字近くも書いてしまった。そりゃあこの濃度でまる1日分過ごしたらアドレナリン爆発、眠れないわけである。

ようやく書き続ける方がしんどくなってきたので、今日はここで終わりにしてしまおうと思う。

もし気が向いたらこの続きを書こうかな。

おやすみなさい。

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