【メダロットS】メダリーグのメタゲーム (2023年8月版)


概要

 2023年7月24日の仕様変更後、一ヶ月が経ちました。環境の様子がだんだんわかってきたので、今回の記事ではそれをまとめてみます。

ゲームスピードの高速化

 以前の記事でも書きましたが、ポイント計算の仕様変更によって「全員生存できるか」「如何に短時間で勝利するか」ということが重要になっています。特に大きいのは、時間がかけられない点です。上位層となると、5カウント以内に勝利することを目指さないとポイントが不足します。
 これにより、多くの構成や戦法がふるいにかけられています。安定を取って全機生存できたとしても、殲滅力の不足や後手に回りやすいなどで試合時間が長引くなら、有用な戦法・構築とは言えないのが現在の環境です。

環境のメジャー構成

 今の環境に多いのは、トルネアンチ構成と格闘主体の構成です。これらは前述の条件を満たしており、MF構成と入れ替わりで環境トップに君臨しています。
 現在の環境では、下記の構成にガード専門機体を1体混ぜるのもの存在します。ガード機体で時間稼ぎをしている間に、勝負を決めるという形です。耐久するのではなく時間稼ぎなので、使い捨てに近い運用をされています。亜種の一つなので、見出し付き項目としては記載を割愛します。

トルネード+アンチエア

 トルネードで浮かせてアンチエアで落とす、という構成です。利点は「決まればほぼ確実に機能停止させられる」ことですが、単純に足止めとしても機能する点も見逃せません。
 流行っているので当然対策はされており、「攻撃に寄せているけど妨害クリアだけは積む」「完全ガードで防いでいる間に各個撃破する」という構成が多くなっています。コンボが決まる相手だけ選べばいいだけではありますが、毎回丁度いい相手が選出されるわけではないのが面倒です。

クロスショック格闘

 クロスショックを主力とした攻撃構成になります。相性のいい格闘パーツでまとめられていることが多いのですが、サブウェポンにアンチフロートなどの射撃パーツが搭載されている場合もあります。そういう場合は、格闘と射撃の両刀ができるメダルが採用されます。レベル200まで上げられるようになり、こういう構成が取りやすくなったのは良いことだとは思います。
 クロスショックはその性能に対してデメリットが軽く、雑に振っていける強さがあります。加えて、乱撃の仕様によってガードに対してとても強く、いちいちデストロイをしなくてもガード機体を追い返すことができます。これも雑に振れる理由です。
 戦術がパーツひとつで成立するため、サブウェポンを積む幅が広いというのも利点です。バグ・フリーズ・フラッシュ・パニッシュメントといった症状系、高火力のツジギリ、甘えた浮遊足を咎めるアンチフロート、メダチェンジ機体を追い返すブロウアウェイと、立ち回りに応じて調整する余地が広いのは強みです。支援パーツを積む余裕もあります。
 問題として、クロスショックは現在3種、うち2種はコラボ機体です。手に入りやすいパーツではないので、あとから参入するのが難しい構成です。それでも、クロスショックが1つあれば十分脅威ではあります。何らかの形で手に入ったら、とりあえず軸にして組めば安定する構成です。

混成型

 主体をクロスショックの格闘型にして、1機だけトルネアンチ構成にする型も存在します。単純にトルネードで足止めしても良いですし、そのままコンボを決めても良いです。今の環境で手数が1つ減ることは、非常に大きい意味を持ちます。戦い方が前のめりになりやすいため、攻撃頻度が減ればその分安全になるからです。
 妨害クリアには足止めもコンボも効きませんが、トルネアンチ役の頭を支援系のパーツにすれば、最低限の仕事はしてくれます。完全ガードをおいておけば、時間稼ぎにも使えるので柔軟性が高くなるのが良いです。

それ以外の変化

 環境の変化によって採用状況に変化が出たものを取り上げておきます。

コンシール・ミサイルの起用

 コンシールや全体攻撃パーツが少数採用されているようです。特にコンシールは有用で、ファーストエイドと合わせることで遅延戦術を取る人が見られます。決して多くはないものの、コンシールを採用している相手がいる場合は警戒したほうが良いでしょう。
 全体攻撃パーツはメダリーグでの戦闘では影響は低いものの、リーダーサーチシステムを活用しようとする動きが起きていることでもあります。環境の研究が進むにつれて、採用率の増減があるかもしれません。余談ですが、ミサイルがダブルエッジ持ち機体に当たると、場合によっては各パーツ2000台半ばのダメージをたたき出す場合があります。ダブルエッジ持ち脚部を採用するときは注意する方が良いでしょう。

デストロイの採用率増加

 デストロイが採用される率がかなり上がっています。環境がガード機体による遅延策に寄っているため、その対策として採用率が上がっているようです。ジャッカルやバサルトなどのメダチェンジ系ガード機体は影響がありませんが、初手完全ガードを打つような立ち回りは咎められることが多くなりました。
 もし自分でガード機体を採用する場合、相手の構成を確認しておかないと時間稼ぎができずに負ける可能性があります。事前にチーム構成や機体構成はしっかり確認しましょう。

試合での課題

 現在のメタゲームにおいて、戦うにあたり問題となる点をとりあげます。
 記載する内容は「ゲームのバランスが悪い」という話ではなく、乗り越えるべき課題だという点であることに注意してください。特定の構成が環境を席巻することはカードゲームではよくあることです。同じ構築を握るか、トップメタを打ち倒すか。それを自由に選べるかが楽しさだと私は考えています。
 それをするには挑戦権が有限なのが少々辛い…というのは事実ですが、それ含めてなんとかするしかありません。

ガード機体の運用

 クロスショックが環境に居座る以上、ガード機体による耐久は非常に難しいと言えます。
 私は攻撃役・回復役・壁役(バサルト)でやっていましたが、相手によってはガードが二手保たないことがあります。相手を選べば安定はしますが、耐久のために攻撃役が減るほど、試合時間が伸びます。
 そのためのリーダーサーチシステムだろ、という話もあります。しかし、相手に最悪二手くれてやるのは非常に不利です。
 ガード機体を採用するのであれば、時間稼ぎというメリットと、攻撃の手数が減るデメリットを理解して採用しなくてはなりません。
 また、相手がガード機体を採用している場合、時間を稼がれるということを強く意識しなければなりません。ロボトルにおいて、一手遅れるのは大きい損失となります。二手遅れたら空条承太郎ですら負けるのですから、凡人である我々は戦う前にじっくり考えましょう。

5カウントの壁

 現在の環境は、上位層となると「如何に早く勝負を決めたか」で昇格が決まります。それ以外に点数のブレが発生しないためです。
 そうなると、試合時間は可能な限り短くしなければなりません。目安は5カウントだと私は考えています。初手でリーダー機を仕留めるという上振れがあって1〜2カウントになり、普通にやって三手四手なら5カウント程度になります。
 これが曲者で、多くの構成をふるいにかけている原因になっています。例を上げるならフルチャージ+ゴーストでしょうか。これは強力なコンボとして名を馳せていましたが、機体内で成立させなければいけないことがトルネアンチに劣る形になっています。トルネアンチは分担が可能であるため、一手で成立するからです。二手で成立するコンボが「遅い」とされることは、現環境の異常と言えます。
 トップメタを握らないなら、別の形で試合時間を短縮できる策が必要になることは意識しなければなりません。

事故が発生しやすい

 速度を重視すると、安全は犠牲になります。全機生存させたいのに、それをすることが難しいのです。というより、安全を確保したくてもクロスショックのせいで耐えられません。これはクロスショックのせいというよりかは、乱撃の仕様が原因です。「クロスショックが強すぎるせいだろ!」というのはまあ、同意します。 
 話がズレたので戻しますが、時間短縮と安全はトレードオフだというのが、現時点での私の見解です。壁役をガチガチにすればその分攻撃の手数が減りやすくなります。そうなると、リーダーの特定にしろ、機能停止にしろ、二手三手遅くなります。走行しているうちに5カウントなんてすぐにすぎるので、全勝したのに昇格できない…ということになります。
 安定を犠牲にすると、今度は「全勝したけど生存ボーナスでロスが出て昇格できない」という問題が出ます。そもそも負ける試合が出ると、上位層では昇格は絶望的です。
 まず「どうやって全機生存させるか」という課題に挑まなければならないということを強く意識しましょう。

上位層まで上がる人口が少ない

 8/7〜8/13のメダリーグでは、初日ダイヤモンド帯の昇格ラインが80位でした。ダイヤモンド帯の昇格ラインは上位25%なので、ストレートで上がってくる層は240人程度しか居ないことになります。
 このあたりはもう、我々ではどうにかするのが非常に難しいところです。運営がメダリーグをやるようなアクティブ層を大量に増やす施策をするか、昇格の仕様だけ以前のものに戻すか、他の何かしらかの対策をしないと解決は難しいでしょう。
 これはポイント計算周りの仕様変更に関係ないのですが、レジェンドに上がることは非常に小規模なイス取りゲームをやらされている事を認識しておかなければいけません。
 

おわりに

 仕様変更によって、新しいメタゲームが構築されてきました。仮想敵が分かれば、その対策をすることで戦えるようになるはずです。勿論、どうしようもない可能性もあります。その結論を出すには、環境の煮詰まり方を研究したり、手札と相談してからでも遅くはありません。
 劇的に環境を変えるパーツや、新しい仕様変更が発生するまでは、本記事の環境が継続することが予想されます。戦い方を変えるなら、シルバー帯やゴールド帯のような、まだリカバリーが効くうちに試すことを習慣づける事をおすすめします。

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