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聴く人になるか、語る人になるか。

昨日久しぶりにフラワーデモに参加してきました。
フラワーデモとは?

毎月11日にフラワーデモは全国各地で開催されていて、昨日11日がたまたま土曜日だったこと。フラワーデモに参加できるまで自分の調子が戻ってきたことが参加理由です。

流石に東京駅前のフラワーデモにはまだ行く勇気がなかったので、住んでいる街のデモに行ってきました。

人混みの中でプラカードを持ちフラワーデモを行う人々。最初少し遠くから私は様子を伺っていました。
多くの人が広場にいてもデモを気に留めている人がほとんどおらず、一瞥しただけで足早に横を通り過ぎていく人々の光景が強く印象に残りました。

#metooの世界的な広がりから、最近の映画界、芸能界での性暴力問題など、日本でも少しずつ性暴力について語る場が増えてきたと思います。それはとてもいいことで、社会が少しずつ変化してきているのだなと感じています。

今回久しぶりにフラワーデモを訪れてみて感じたのは、たとえ誰も足を止めなくてもこうして立ち続けることにとても意味がある、ということです。

もしかしたらフラワーデモを私のように遠くから見ていた人がいたかもしれません。勇気をもらっていたかもしれません。
「あなたは悪くない」「一人じゃない」と励まされたのかもしれません。

遠巻きに見ていた私にそっと声をかけてくれた主催者の女性がいました。私はもうそれだけで涙が出そうになって、2年半前に東京駅でスピーチをしたこと、治療を経て今日フラワーデモに来れたことなどを伝えました。

自分の苦しみは同性でも理解しがたいものだと思うので、私は時々とても強い孤独に襲われます。しかしフラワーデモなどで色々な人のお話を聞くと、私は一人じゃないんだと勇気をもらいます。

これまで声を上げることすらできなかった人たちの思いが今こうして大きな力として動き始めている……。私が自分の被害について向き合えたのもこのような力が後押しをしてくれたからです。


実は最近「自分は聴く人になるか、語る人になるか」ということをよく考えます。

聴く人になるということは、本格的に性被害者を支援する側になるということ。そのためにもう一度学び直そうかと考えています。

そして語る人というのは、自分の経験を語り、社会に問題提起する人になるということ。

別にどっちになってもならなくてもいいのです。これは私の心の赴くままにと思っていますが、どちらかというと語る人の方が私には向いていると思います。


来週6月19日(日)夜9時からNHKスペシャルで「性暴力 “わたし”を奪われて」という番組が放送されます。

クローズアップ現代+では、2019年から継続的にこの問題に取り組み、今年初めに大規模なアンケート調査が行われました。番組ではこのアンケートの分析結果や専門家の意見、これまで取材した多くの被害者の声が伝えられるのではないかと思います。
私も微力ながらアンケートに協力しました。

聴く人になるか、語る人になるか。

私にはまだ答えが出ません。でもそう遠くない未来で、私はまた人々の前で自分の経験したことを語りたいと思っています。

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