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宝石たちから紡がれる、美しい言葉【アニメ「宝石の国」考察】

こんにちは。Jessie -ジェシー- です。

アニメ「宝石の国」を観る中で気づいたことがあります。

宝石たち、言葉が綺麗。

それこそ磨かれ研ぎ澄まされたように、本質をついた言葉が語られることの多いこと。
私にとって特に印象的だった3つを紹介します。

シンシャ

夜から出たい――無理だ、信じてない

何かを実現するには信じることが必要という、スピリチュアルにも通じるメッセージだと感じました。

信じる必要を知りながら、信じ切れないシンシャの辛さはいかほどか……。どうか幸せになってくれ。

アンターク

できることしか、できないままだな

フォスの「できることなら精一杯やる」との発言への返答です。

私はこの言葉に込められた、フォスの態度へのやわらかな肯定が大好き。アンタークの優しさがにじみ出ている感じがします。

「そんなこと言ってないで頑張れ」と言うのは簡単だけど、それはフォスの今の在り方を否定していることになるわけで。

一方、アンタークのこの言葉は、フォスの態度を否定しているわけではありません。
単純に事実を指摘しているだけです。

できることしかやらないのなら、できることだけができるまま。本当にその通り。

でも、ここには変わりたくなる不思議な魔力が詰まっていて。

私も向上心が欠けていた時期があるから共感してしまうのですが、上のように他者から自分の現状を言葉に出されると、急に客観視ができるようになって情けなさがこみあげてくることがあるんです。

「あれ、自分今情けないこと言わなかった!?」みたいになるというか。

その情けなさと羞恥心がバネになって、変化の動機になることがあります。(人によっては深く傷つくこともあるので、ご利用は計画的に)

外部の人間が変化を促すでもなく、かといって本人の態度を否定するでもなく現状を指摘する。

アンタークは見た目のみならずその精神まで美しいのですね。(推し)

ダイヤ

遠くにいるボルツは、大事に見える

ボルツとフォスが組んでいるのを見たダイヤが、どれほど多くのことを感じ考えたかと思うとこちらまで切なくなります。

湧きあがった感情の中には嫉妬に似たものもあったのではないか……と私は考えています。
けれどダイヤが苛立ちを見せたり、反射的にフォスにきつく当たることはなく。

むしろ無言のうちに「なぜ嫉妬が起きるのか」という根源的な心情まで内観し、「ボルツのことが大事なんだ」という本音に気づいて直接伝えられるのは、なかなかできることではないと思います。すごすぎ。

心の中で研ぎ澄まされたからこそダイヤの言葉は本質を突き、ボルツにも伝染して本音を吐露させたのではないでしょうか。


美しさと切なさの同居がいっそう切ない

アニメ全話観ましたが、宝石たちの髪の透明感が印象に残っています。

原作に触れるのはこれからなのでこれはイメージですが、アニメ「宝石の国」は原作再現度が高いのではないでしょうか?

作者へのリスペクトと、美しい物語に美しい映像をあてようという気概が感じ取れるのです。

美しい映像に、研ぎ澄まされた美しい言葉が上乗せされて、私にとってあの世界は美しさと魅力を増すばかり。

おすすめしてくれた方は「重め」と形容していたから、もしかしたらハッピーエンドではないのかもしれないけど、幸せに終わるだけが理想の物語じゃないし、切なさの中から得られる感情もあると思うのです。

こういうのに魅かれるのは、やはり日本人の「ワビサビ」的な感性なのでしょうかね(o^―^o)


良い作品に出会ったなあ、と何度も思い返しています。



サムネ画像はPixabayからお借りしています。

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