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NHK world/Biz Streamでの紹介を終えて。WELgeeが難民の若者たちと作りたい世界。


こんにちは!NPO法人WELgeeの渡部カンコロンゴ清花です。

昨夜のNHKワールドを観てくださった皆さん、ありがとうございました。


世界150の国と地域を対象に、日本や世界の最新のイノベーションを紹介する経済番組「Biz Stream」にて、#世界難民の日 を前に日本で生まれている新たな難民活躍の事例が紹介されました。

実は、今日20日の17:10 - 17:40と、23日の4:00 - 4:30にも再放送があります!
上記の時間に下のリンクにアクセスすると、世界中どこからでもリアルタイムで見れるのでぜひご覧いただけたら幸いです。

今日6月20日は、世界難民の日。

世界では8200万人が現在、難民状態にあります。
そして、日本にも、迫害や紛争、命の危険から逃れて、そして希望を求めてやってくる人たちがいます。

この番組では、なぜWELgeeが就労プログラム「JobCopass」に特化しているのかについて、特集していただきました。

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2019年比較。日本が難民として認定したのは44人。
世界と比較すると、明らかに少ない現状があります。

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政府に認定されるための「難民認定申請」をしている人は、祖国に強制送還こそされないのですが、結果が出るまでの間、ひたすら待ち続ける日々を送ることとなります。

それでも、待っても、上記のように認定される可能性はものすごく低い。


彼らの多くは、申請をしてから「特定活動」という在留資格を6ヶ月ずつ更新し続けながら過ごすことになります。(難民の人たちはみんな不法滞在なの?というのは違います。)

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そしてその「特定活動」の在留資格は、8ヶ月経つと就労が可能になります。(もちろん、在留資格も、就労許可もない人もいます。それはまた別のところで説明します)

国連の難民キャンプも、みんな入れる政府のシェルターもないので、言ってみれば、どうにかなんでもいいから働いて、結果が出るまで生き延びるしかないとも言えます。

しかし、この「ひたすら待つ」日々に、多くの人は「サバイバルジョブ」をすることになるのです。

サバイバルジョブとは、明日をどうにか生き延びるために、今月の家賃をどうにか払うために、日雇いや派遣の仕事を繋いでいく方法です。

不安定な在留資格で、正規の雇用もなかなか見つからない。
自分が母国でしていた仕事とはほど遠い業務。
最低賃金の仕事に就くことも、事故にあっても労災もおりないことも。

未来を描けず「とりあえず」を続けるひたすら日々に、心も身体もボロボロになってゆきます。

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しかしWELgeeが2016年から出会い始めた同世代の若者たちは、母国での経験と専門性と、熱い情熱と未来へのポテンシャルを秘めていたのです。


「母国へは帰れない。だからこそ、この社会の一員になりたい、ただ、毎日を生き延びるだけではない方法を見つけたい。」という声から、就労伴走事業の模索が始まりました。

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大好きなことを学んだ学歴も、絶体絶命を乗り越えてきた経験も、無駄にするんじゃなくて、自分をもっとも活かせる場所に繋がってゆく。

「ここで日本に貢献したい。難民としてではなくて、1人の人間として。」という言葉を聞くことも多くありました。


この就労プログラムは、活躍できる職場を得られるだけではなく、企業での正規の雇用を通して、最大5年の「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得て、長期のビジョンを持って、安定して生活してゆくことができるようになることを目指します。

一緒に来ることができなかった家族を呼び寄せられる希望や、いずれ日本での永住権を得られる可能性も大きくなります。

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だた、ここまで読んできてくださった皆さんお察しの通り、この挑戦の道のりは簡単ではありませんでした・・・!

日本での「難民」という言葉の印象。(難しい民と書きますね)
遠い国で起きている難しい問題だと感じるかもしれない。

案の定、「え、日本に難民っているの?」から始まった企業探しでした。

人材活躍や話をしても「寄付が欲しいの?」となかなか、ピンとこない。

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しかし、難民の若者たちがもつ可能性を共に信じ、それを企業のパワーにしてゆこうとする会社さんと、これまで10人の雇用が生まれてきました。

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番組の後半で紹介されているのは、ネントリーズ株式会社さんです。

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ここでプログラマーとして最近働き始めたのは、アフリカからやってきた青年。

もともとは、IT企業で働いていましたが、身の危険を感じる出来事を経て日本に逃れるに至りました。


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「日本に、スキルを持った人たちがたくさんがいる。」

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「彼らは難民申請者たちで、いまもみんな仕事を探している。」

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「仕事を得られてから、希望を持ち始めました。」

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「そして、夢も持ち始めました。」

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現在はアプリ開発を担当しており、企業は近い将来、アフリカ市場に進出・展開する際に、彼が主要な役割を担ってくれることを期待している。

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宮田副社長
「日本の人材不足が深刻になってゆくことは避けられない未来。いいプログラマーやエンジニアの獲得競争も激化してゆく。彼のような存在を迎えることは企業の成長になると思っています。」

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スキルのある人材を得るということ以上の発見が企業にもあります。
異なる背景をもつ社員と生み出す新しいビジネス展開、企業の成長、イノベーション、職場のダイバーシティ促進・・・
本気で人材に向き合う企業さんとの価値創造を、もっともっと増やしてゆきたい!

さて、ネントリーズさんでのもっと詳しい就労の様子はこちら。
就労伴走事業の最前線で何が起きているのかをお伝えしています。


番組の最後には、ずっとWELgeeの試みを応援してくださっている渋沢健さんがコメンテーターとして登場してくださいました。

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「『難民』とは、困難を逃れてきた人たちだけれど、その人たち自身が難しいようなイメージがどうしても生まれてしまう。でもその言葉の先を覗いてみたら、そこには人々のスキル、タレント、夢がある。」

「Humanitarian Protencion(人権保護)ももちろん非常に大事。でも、WELgeeのイノベーションは、Human dignity(人としての尊厳)。難民が社会の一員だと感じ、貢献できる方法を作っている。」

というコメントをいただき、困難を乗り越え生きてきた難民の若者たちからたびたび聞く「Diginty」の言葉を思い出しました。

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番組のエッセンス、全てはカバーできていないところがありますが、ディープな取材をこんなにもぎゅっとまとめてくださって、パイオニア人材たちの潜在的な可能性と、日本がもつ新しい難民受け入れ&人材活躍の道を英語で発信できたことはとても嬉しいです。

この後、放送がまだ2回あるので、リンクからぜひご覧いただけたら幸いです。


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