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私が生み出した人々1 米空軍の将軍で、情報機関の大幹部は、日本語が上手で、 アナゴの寿司が大好きなヒスパニック男性。

 私は自分の小説「愛国者学園物語」に、自分で考えた登場人物を何人か、出しました。そこで、彼らについて少し紹介したいのです。以下の設定の多くは、小説には書いていないけれども、いずれは必要になるかもしれない。これらの設定には満足できない点もあるけれど、欠点を数え上げるだけでは物事は前には進まない。だから、これらは100点の出来ではないが、それでも良い。また後で改善すれば良いからだ。

 マイケル・アルバレス・ゴンザレス Michel Alvarez Gonzalesは、アメリカ人の男性。米空軍の将軍で、サイバー戦争と電子情報収集を行う情報機関NSA(国家安全保障局)の副長官。電子工学と行政学の修士号を持つ。
 初登場時には空軍中将で53歳。1970年生まれ。日本文化に深い造詣があり、アナゴの寿司が大好物。日本語、英語、スペイン語の話者。

 中肉中背で、少しお腹が出ている。黒い髪とカフェオーレ色の肌の持ち主。目は黒い。メガネをかけている。サイバー戦争を担当する組織の大幹部だからなのか、「攻殻機動隊」の大ファンで、バトーの物真似をすることもある。

 彼は極めて高い日本語能力の持ち主。辞書にも出ておらず、日本人も知らないような言葉も良く知っている。穏やかな物腰と、力強い重低音の声。声だけを聞いた人は日本人と誤解するレベル。親しい友人と会話するときは、彼は呑気な口調で話し、眠たそうな目をする。寅さんの物真似をしたり、ジョークを口にすることもある。

 米国ロサンゼルスの出身。ヒスパニックであり、その家系はメキシコなど、中南米の血筋。母方の祖母が南米バルベルデ(架空の国)の出身。生家は裕福ではない。子供のころ、壊れたテレビやラジオなどを分解して遊んでいたことが、電子工学への関心へとつながる。また、戦闘機が好きだった。

 苦学して奨学金を得て、ロサンゼルスの大学に進学。世界屈指の大学、カリフォルニア工科大学で学びたかったが、点数が足りず断念した。電子工学を学んで卒業し、米空軍に入隊。

 ところが、そこで彼の人生を変える出来事が。マイケルは戦闘機のパイロットになりたかったが、視力検査などに合格できず、あきらめた。上官から、大学で学んだ電子工学を生かすよう、通信部隊に勤務を命じられる。部隊では、機材の改良を手伝うように言われ、いやいやながら、その仕事をしていた。数年後、彼は別の基地に移動し、同じように機材の改良に従事していた。実はそれが、世界中の電波の傍受や、暗号の作成と解読などを担うNSAの仕事だった。

 その任務が終わった後、上司から、機密情報を扱う特別な資格を取得するよう指示があった。そして、ある命令を受ける。それは、日本の横田基地に応援に行って機材の開発を手伝え、というものだ。マイケルは日本行きを迷った。実は、海外に出るのは、休暇でパリに1度行っただけと、メキシコとバルベルデに行ったくらいだったのだ。だが、上官の「心配はいらない」という言葉を信じて、横田へ。

 マイケルは自分の仕事が情報機関に関係があることを、何年も前から知っていた。だから、自分が、空軍の主流から外れて、NSAに「流される」ことに悩んだこともあった。しかし、憧れの米空軍の将校として、今を生きる自分を信じて、目の前の任務に打ち込んだ。

 彼はその後も日本に留まり、表向きは米空軍の通信部隊の将校として、実はNSAの技術担当官として生きた。そして、休暇には日本文化に親しむ日々を送る。日本語を学び、煮たアナゴの寿司が大好物になる。

 ある日、築地で、ウニの軍艦巻きを美味しそうに食べる米国人ジェフ・ラトレイユと知り合い、生涯の友になった。彼とは日本語で会話し、共に日本の文化や体験を楽しんでいる。「日本には、日本語が上手なアメリカ人が三人いる。私とジェフ、それにデーブ・スペクターだ」というのが、彼のジョークである。

続く 


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