【採用担当者向け ITエンジニア採用ノウハウ】日本語ができない外国人ITエンジニア編
我々JELLYFISHでは、外国籍のITエンジニアに特化した人材紹介事業を行っております。
これまで200社以上の企業にご利用いただき、世界各国から優秀な外国人IT人材をご紹介させていただきました。
日本にもIT人材が多くいる中、外国からITエンジニアを採用する理由は企業によって様々ですが、外国人ITエンジニアを採用する主な理由としては
・企業のグローバル化やオフショア開発などの海外事業展開を目指すため
・日本人のみだと母集団が少なく応募が集まらないため
などが挙げられます。
外国人材が必要になるタイミングやフェーズは企業によって様々ですが、採用に踏み出す時に懸念となるのは、ずばり「言語の壁」でしょう。
日本語は世界的にも難易度が高く、特にビジネスの場においては日常会話とはまた違ったマナーや常用単語などがあるため、習得が難しいといわれています。
「言葉が通じないと業務に支障が出てしまうのでは…。」
「自分たちの言ったことがちゃんと理解されなかったらどうしよう…。」
など、不安になるのも無理はありません。
そこで今回は、日本語ができない外国人ITエンジニアの採用について、過去の事例や対処法をご紹介します!
①国内の最新外国人IT人材事情
法務省入国管理局によると、現在日本に在留する外国人の中で、多くの外国人ITエンジニアが保有する「技術・人文知識・国際業務」という在留資格を持つ在留外国人数は2022年3月時点で約27万人以上。
2020年以降在留資格の中で技能実習に次いで4番目に多い結果となっています。
またこの資格による在留者数も増加しており、2021年は新型コロナウイルスの影響を受け3%ほど減ったものの、他の在留資格と比べて減少率は低めでした。
海外ではすでに外国人観光客や新規入国者の受け入れを再開したり、出発前に新型コロナウイルスの陰性証明書を不要または規制を緩和したりする国が増えてきています。
日本でも4月末から観光目的以外の外国人新規入国者の受け入れを開始、6月には条件付きで外国人観光客の受け入れも再開することが発表されています。
今後規制がより緩和され、国を越えた移動がもっと活発になると、日本就職を待ちわびていた人たちが続々と来日し、外国人ITエンジニアの数も増えることになるでしょう。
②外国人ITエンジニア採用の壁
IT業界やITエンジニアに限らず、外国人材を採用するにあたって多くの企業が直面する課題のNo.1は、やはり「言語」。
日本経済新聞がヒューマングローバルタレントとグローバルパワーのデータをもとに集計したところ、7割超が最高水準の日本語力を要求するのに対し、レベルを満たす求職者は4割弱ということがわかりました。
これまでJELLYFISHにお問い合わせや求人契約いただいた企業の中にも、言語面に不安を抱える方は多数いらっしゃいました。
しかし今は人材争奪の時代。中でもIT人材は、世界中で多くの企業が欲しがっています。
各国の新規入国者受け入れがコロナ前に戻ったら、IT業界を中心とする様々な企業が国内外問わず優秀なIT人材を採用しようとするかもしれません。
そうなると、日本国内だけでなく、世界の転職市場の中から自社にぴったりのIT人材を見つけるのが至難の技になってくるでしょう。
そんな人材争奪の時代に、高い日本語レベルを求めてしまうのは、多くの優秀なIT人材の受け入れをあきらめてしまうことにつながりかねません。
③日本語レベルを下げた外国人採用を実施するためには?
では外国人ITエンジニアの日本語レベルを緩和したとして、日本語が話せない、または日本語レベルの低い外国人材を受け入れるには、どのような環境を整えるべきでしょうか?
ポイントとなるのはずばり、英語が使える環境にすること。
以下は、JELLYFISHのクライアントの中で、日本語を不問または社内コミュニケーションが取れるレベル(JLPT3,4程)の外国人ITエンジニアを採用している企業の実施例を紹介します。
1.日英バイリンガル人材の確保
● 日本語のレベルが高い外国人ITエンジニアを採用する
● CTOやテックリードなどのマネジメント層にバイリンガル人材を起用
● 専属の通訳者を採用
2.既存社員の育成
● 英語が話せる社員数を増やすため、英会話研修などを設ける
● 社内公用語を英語にし、社内MTGや書類作成を英語で行う
3.その他
● 外国人材を積極的に採用している企業からマネジメント層や役員を招聘
● 日本語が話せる外国人ITエンジニアを中心にリファラル採用を実施。
またその人をリーダーにした外国籍チームを作る
● 社内のコミュニケーションツールに翻訳のAPIを入れる
など
このような環境を整え、外国人ITエンジニアを採用する背景としては、
など様々です。
④外国人ITエンジニアを採用する前に
外国人ITエンジニアに求める日本語レベルを下げた方が採用プールが広がることは間違いないです。
しかし、仕事の進め方、企業のフェーズ、ITエンジニアに求めることなど働き方と役割は企業それぞれ。
求める日本語力の高い・低いも異なるため、一概に日本語レベルを下げて募集するのは得策ではないという企業もあるでしょう。
そこでまず外国人ITエンジニア採用に踏み出すにあたり、念頭に置くべきポイントをご紹介します。
1.IT人材の獲得は今後ますます難局化する
迫りくる「2025年の壁」と2030年のIT人材不足の危機。
また2022年以降、新社会人の人数が定年退職者より少なくなり、若手を獲得するのがますます困難になるといわれています。
また②でも述べた通り、海外もデジタル社会やDX化推進に伴うIT人材不足から、日本に限らず世界中の国々が外国籍のITエンジニアを欲しがっています。
そのため外国籍のITエンジニアは世界中から引く手数多で、アメリカや中国、インドなどのIT大国では年収1,000万円でのオファーが当たり前になっています。
さらにアメリカの就職・転職サイトGlassdorの調査によると、アメリカのITエンジニアのインターンの平均報酬は約50,000ドル(2021年12月時点)。
日本円に換算すると約650万円で、日本ではミドル層のITエンジニアの年収と同じ額が支払われるのです!
日本人ITエンジニアのみ、もしくは外国人ITエンジニア採用を行っていても高い水準の日本語レベルを求めていては、採用プールはさらに縮小し、限られた中から人材を選ばなければいけなくなってしまいます。
2.外国人ITエンジニア日本への就職意欲は高い
特にコロナ禍で日本のデジタル化の遅れがはっきりと現れ、海外と比べてIT技術が進んでいないと思いがちですが、実は先進的な技術を開発している国として、多くの外国人から注目されています。
また、かなり高い日本語力がないと日本で働けないことも重々わかっていて、外国人ITエンジニアの中には来日したらまず日本語学校に入学し、ビジネスに通用する日本語を習得してから就職する人もいます。
「日本でITエンジニアとして働く」という夢を叶えるため、語学面や技術面で入念に準備する人が多いのです。
外国人と聞くと、「すぐ離職してしまうのでは…」「文化の違いでなじめなかったらどうしよう…」などと不安になるかもしれません。
しかし、過剰な不安は禁物。
実際は日本で働きたいという高い意欲と明確な目的をもって来日し、仕事をする人がほとんどです。
実際に外国籍のITエンジニアを採用している企業の開発チームブログや採用ページ、新聞などのメディアで紹介された日本に就職する外国籍のエンジニアの記事などに目を通したり、外国籍のITエンジニアを紹介している人材会社に話を聞くなどして、外国人ITエンジニア採用の実態をしっかり理解することが大切です。
⑤まとめ
外国人ITエンジニア採用を取り入れれば、国内外に採用プールを広げることになり優秀なIT人材の確保が可能になります。
ただ、その外国人に求める日本語力を高く設定してしまうと、せっかく国外に広げたプールがまた狭まってしまいます。
会社や部署内で英語を使う環境を整えることで日本語レベルを下げた外国人人材採用を実施することができ、より幅広い人材の中から自社で活躍してくれそうな外国人ITエンジニアを見つけることができます。
人がいてこその会社。
IT人材争奪戦が激化する前に、外国人ITエンジニアを受け入れる環境を整えておくのが吉です。
外国人受け入れについて、事例がありましたらぜひぜひコメントで教えていただけると嬉しいです!
引き続き、エンジニア採用関連のネタの投稿を続けていきますので、よろしくお願いします!