映画「黒部の太陽」を観て

1968年公開の日本映画。原作は同名の小説。

 黒部ダム建設、特にトンネル工事に重きを置いて描いている。
トンネル工事の大変さ、悲惨さが描かれているが、現代からしたらあまりピンとこないかもしれない。そこまで辛い思いするくらいだったら、転職すればいいじゃん・・・と。でも、もしかしたら本当に命を懸けて働くと、何かが変わるのかもしれない。いや、私には分からないが・・・。

 しかし、作中でも、さすがに命の危機を感じたら、立ち去っていくものも現れる。去っていくのは決まって、一番下っ端の人たちである。「金を渡すだけのパイロットだ」と、捨て台詞を残して・・・(これは岩岡が言われた台詞。)

 岩岡は、そんなことを言われても、仕事から逃げることはしない、困難にあたっても、逃げることはしない。岩岡は、ただ「やれ」というだけの人間でもない。どうやったら破砕帯を抜けられるのか、そのことを考えに考え抜いて、答えを探し続ける。そこに根性論は無い。
 解決策が無くても、逃げることなく突破口を探り続けるその姿に、格好良さを感じる。(私だったら逃げてるか、心が折れてるかするだろう。)

 今時は、こういうのはあまりウケないかもしれないが、こういう働き方が無かったら、今の日本は無かったとも言えるだろう。そして、作中に出てくるような、仕事によって生きがいを感じる人たちは、今一体どこにいってしまったんだろうか。誰がころしてしまったんだろうか。環境か?社会か?国か?

 いずれにせよ、もう昔は戻ってこない。私たちは、これからの時代の働き方を考えなくてはならない・・・

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