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【自粛をチャンスに】0から始める「メンタルトレーニング」⑦

前回のnoteでは、リラクセーション技法における「腹式呼吸」を紹介した。

↓前回の記事↓

今回は、リラクセーション技法のみならず、全てのメンタルトレーニングにおいて重要な要素の1つ「セルフモニタリング(自己客観視)」についてである。

セルフモニタリングの重要性は、再三このnoteのシリーズで述べてきたが、本noteでは、その具体的な方法を紹介する。

まずは、復習がてらセルフモニタリングとは何かについてもう一度ここで触れておく。

セルフモニタリング

セルフモニタリングとは、自己客観視や受動的注意、マインドフルネスなどと基本的には同義である。それは、読んで字のごとく「自己を客観的に観察すること」であり、これがトレーニング後のフィードバックにおいて、極めて重要な技法となる。

心理学には、人間を機械のように完全にコントロールすることが出来ると仮定した視座、理論が存在するが、ここでは人間を「自然」に近いもの、すなわち「こうすれば、こうなる」という理屈から外れた生体として、東洋的な視座から捉える。

完全なコントロールはできないにしても、何らかの手段を用いて、間接的に、心身へ影響を及ぼすことを目的としたとき、ここでいう「何らかの手段」がメンタルトレーニングにあたるわけだが、セルフモニタリングがメンタルトレーニングに包含されることを踏まえれば、「客観視」は心身に影響を与えるということが、上記の文言からわかる。

これは、完全なコントロールができない心身に対して、それを「冷静さ」をもってして「観察」することが、感情や情動に何らかの反応をもたらすということもできる。

ある意味でこれは、メタ認知ともいえる。要するにそれは、一段高い次元に立った知の作業である。普段はそれほど深く考えることのない「意識(心の流れ)」に目を向けることで、スポーツを度外視した新たな発見もあるかもしれない。セルフモニタリングには、マインドフルネスといわれるように、単なるトレーニングの枠を超えるような心理の力が内在しているのだ。

具体的な方法

セルフモニタリングの重要性、可能性を踏まえて、具体的な方法についてである。「日誌」や「情動プロファイリング」「POMS」「心理的競技能力診断検査」など、その方法は多岐にわたるが、そもそも本noteの目的はアスリート個人がメンタルトレーニングを実施することであるがゆえに、継続的な実施が容易な「日誌」について紹介しようと思う。

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(http://www.cramer.co.jp/training/mental_08.htmlより引用)

「サッカーノート」という言葉が広く知れ渡っていることからも、日記やその類のものを媒介して、自己分析、自己客観視をすることには何らかの意味があるらしい。

上に引用したものは、スポーツメンタルトレーニングで用いられるような日誌の一例である。再三述べてきたように、情動は生理的反応である以上、身体的な因子とは切っても切り離せない。その点で、精神面に限らず、自己のコンディションに関わるほとんどの部分(睡眠時間や食事など)についても記述することがミソである。

また、上の日誌はあくまで一例にすぎず、その評価項目も自己流にアレンジしてかまわない。参考書籍「メンタルトレーニング教本」の中にも別の日誌のフォーマットが掲載されている為、そちらも参考にして頂きたい。

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日誌を含め、すべてのメンタルトレーニングは「継続」が前提にある。
セルフモニタリングの頻度については、毎日記録することを習慣化して取り組んでほしい。

日々感じる微妙な身体感覚の違いと、実際の食事や睡眠時間などの客観的なデータを照らし合わせることで、有用なフィードバックが可能になる。また、これらの相関関係は、継続してセルフモニタリングを行うことで、明確に示される。それを実感することは、セルフモニタリングをはじめとしたメンタルトレーニングの動機づけになることも念頭において、とにかく「継続」を心掛けてほしい。

まとめ

メンタルトレーニングにおけるフィードバックの重要性と、セルフモニタリングについて学んだ。今回紹介した「日誌」は、あくまで一例にすぎず、その内容はより「自分に合った」内容に変更しても良い。とにかく重要なのは、微妙な心身の変化を「客観視」することであり、またそれを「継続」することである。

次回は、「サイキングアップ」について紹介する。

参考書籍

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