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ダメだからダメじゃない

感情は意思の力で変えられる?

私たちは時として、「劣等感の暗示」にかかっていることがあります。
例えば、「自分は何をするにも不安で自信がない」と思っていたとします。
この時、不安になるということを自分の弱点と捉え、それを克服することが最重要課題と思い込み、「不安な感情を意志の力で抑え込めば、平気な気持ちで動けるようになる!」と考え、不安な感情を切り替えようと努力していることはないでしょうか。

しかし、このやり方ではうまくいかず、いっそう自信をなくしてしまうことになりがちです。感情を一時的に抑え込むことができても、その根本にある不安になる原因がある限り、不安な感情を消すことはできないからです。

自分の認知のクセに気づく

「劣等感の暗示」から抜け出すための方法の一つは、自分の認知のクセに気付くことです。
不安にかられるような事態に直面したときに、「なぜ不安を感じるのか」をメタ認知してみましょう。
 →自分にできるのかどうか、失敗したらどうなるのか不安
 →でも何か手を打たなければならない
 →でもこの程度の対策だとうまくいかないのではないか
「何か手を打たなければならないが自分にできるのだろうか」という不安とともに、「そもそもこの対策では不十分なのではないか、それをやらないといけない自分、うまくいかなかったときの自分は大丈夫だろうか」という不安もあるようです。
つまり、完璧でないといけない、~すべきだ、といった認知のクセがあります。不完全=失格という思い込みから、ちゃんと(完璧に)できなくて失敗するくらいならやらないほうがましだ、となってしまいます。

弱点を改善するよりも、美点重視で動いてみよう

もう一つは、弱点の改善ではなく、美点の活用に重点を置いて行動することです。
「自分は何をするにも不安で自信がない」という人は、心配性で決断が遅く、先のことを気にしすぎて自信が揺らぎやすい、という弱点がありますが、これは「念には念を入れ、しっかりとした段取りを組んで着実に行う」という美点でもあります。
自信がないということが、先に起こりうるリスクが見えているせいであるなら、その強みを活かして、細心に困難な状態をよく観察研究し、びくびくハラハラしながらも、成功したいという欲求に引っ張られながら行動すれば、不安な感情を持ちながらも前向きな一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。不安な感情があるからこそ、より細心により成功に近づく行動をとることができるかもしれないのです。
「自分は何をするにも不安で自信がない」という劣等感は、より良い状態を常に望む姿勢が強すぎたせいであり、自身を否定するものではありません。

もし、「自分はダメだ」というような劣等感の暗示にかかってしまったら、
「自分はなぜダメだと感じて/思っているのだろうか」を掘り下げ、自身の認知のクセに向き合いましょう。そして、自身の奥にある思い込みを強みに置き換えて行動してみましょう。ダメだからこそダメじゃない結果がでてくるかもしれません。

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