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データ活用よもやま話

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「データ」をキーワードに様々な話題をお届けする、楽しくてためになるコラム集です。DXプロジェクトやデータビジネスのヒント探しにも。
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2023年5月の記事一覧

【分野別】自治体のDX・データ活用事例10選!官民連携の取り組みとデータ流通促進施策

近年、DX・データ活用が官民を問わずあらゆる組織の重要課題となっています。日本の地方自治体でも、住民の暮らしをさらに便利で豊かにしていくため、デジタル技術やデータを活用したさまざまな取り組みが進められています。 この記事では、そういった自治体のDX・データ活用事例を分野別に紹介したあと、未来のさらなるDXに向けたデータ流通促進の取り組みも解説します。 【分野別】自治体のDX・データ活用事例集自治体が主導するデジタル化プロジェクトやデータ活用プロジェクトの事例を、分野別に紹

「データ取引市場」とは? メリットや国際動向、情報銀行やPDSとの違いも解説

近年「データ利活用」「DX推進」等が取り沙汰されているように、企業や自治体はデータを活用してイノベーションを起こすプロジェクトに続々と乗り出しています。 現在、日本のデータ活用事例といえば、自組織が保有するデータを利用した取り組みが大半ですが、今後さらなるイノベーションを起こすためには、組織を超えたデータ利活用が必要であると考えられます。 そういった未来を目指して徐々に形成されつつあるのが「データ取引市場」です。この記事では、データ取引市場の概要や整備のメリット、企業や自

多様化する生活者データを俯瞰する

インターネットの商用化から30年が経とうとしています。 「言語と国境を越えたコミュニケーション」のできる「不眠不休の情報ネットワーク」が、「無限の知識データベース」として「だれもが表現者になれる時代」の「いつでも、どこにいても快適な」「あなたにぴったりの生活スタイル」を「ストレスや遅延、無駄なコストなしで」探し、見つけ、手に取り、分かち合える。 そんな未来が夢見られていた頃、その最先端で働いてきた技術者たちも、いまではすっかりおじいさん。 ”日本のインターネットの父”村井

APIエコノミーとはなぜそう呼ばれたか ―用法と事例―

機械やひとが、気軽にデータを売買できる時代の始まりです。 APIサービスが普及し、企業によるデータ流通が簡単になって、新しい経済圏を生み出しそうだと注目されています。数十年前からある技術が、簡単に使える支援サービスの普及に伴って、新ビジネスの企画・開発に便利だと思われ始めているのです。 (清水響子・本誌編集部) はじめにまずは「APIエコノミー(経済圏)」を取り上げます。耳慣れない方がほとんどでしょうが、一説には260兆円市場に成長するともいわれる分野です。米国ではAP

ひとりで学べる育児ハックとEDTECHの現在

育児・教育界におけるデータ活用の試みには、他分野にも役立つ学びが詰まっています。 教育とは、どんな人でも必ず体験する、もっとも身近な「情報流通の仕組み」に他なりません。その仕組みが今、少しずつ変わろうとしています。その来歴を辿ると、情報技術(テクノロジー)の理想と現実の溝を埋めようと苦心する、実務現場の努力が見えてきます。 (福田千津子・菱沼美咲姫・本誌編集部) はじめに育児ハックって何? EDTECHっていつから言うの? まずはキーワードの用例を確かめていきましょう

行政オープンデータの歴史に学ぶ、データ公開の制度と実践

「うちのデータを公開して、何の意味があるの?」と聞かれたら、政府の事例を紹介してみましょう。 オープンデータ運動は、国際組織や各国政府などが現地の市民と協力する文化・社会運動として、すでに10年以上の歴史を有します。ともすれば「足取りが遅い」「発想が固い」と言われがちですが、その地道な足跡をふり返ると、企業や個人がデータを世間へ広めたいと考えたとき、どんな不安や課題があって、制度や組織をどう工夫すれば上手く行くかを学べる、先行事例の宝庫だと気づかされます。 (清水響子・本

徹底整理!ビジネスに本当に役立つ世論調査・社会調査の手法とは?――国勢調査からWEBアンケート、身近な情報検索のコツまで

「世論調査なんて当てにならない?」 世の中には社会調査・世論調査があふれています。学術研究だけみても、日本では年に300本以上の「調査」が行われます。ビジネス分野の調査技術も日進月歩で変わっていて、調査業界自体のトレンドや意識を追うだけでもひと苦労。データの解釈をめぐって論争になることも……。どうにかならないでしょうか? (福田 千津子・本誌編集部) 1.「社会」は「調査」であふれてる!編集部:今回は、社会調査に関するトレンドについての意識調査をしていこうと思います。

住宅化するスマートシティ、都市化するスマートホーム――試される日本の都市計画の「想像力」

地球が「都市化」を始めています。先進国では海外への渡航者数が右肩上がりし、東アジアや中東、アフリカで都市開発が急速に進む見通し。かたや日本では、少子高齢化に伴う地方郊外の人口減少・過疎化が確実視され、「住みやすい都市」の在り方が根底から揺らいでいます。スマートシティ、シェアリングシティ、レジリエンスマネジメントなどの関連用語を紐解きながら、都市・住宅分野のデータ活用の最近を概観します。 (清水響子・本誌編集部) 1. 地球が丸ごと都市化する?世界的な人口増による「都市」の

モビリティの未来と地図データの課題を、道路交通ビジネスの歴史から考える

 標準化やデータ取引、分析ツールのオープン化が先行する地理空間情報の世界で、日本の基幹ビジネスは何を夢見ているのでしょうか。  毎日の通勤や買い物から、家族形成、就職/転職、住居購入や老人ホームへの入居、また内戦や気候変動といった長期的な要因まで、人びとは様々な理由で移動しています。移動それ自体がエンターテイメントにもなります。仮想現実(VR)や複合現実(MR)を通じ、いながらにして移動を疑似体験することもできます。  人間は一生の間にどれだけ移動するのでしょうか。筆者の