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『春ゆきてレトロチカ』感想

2022年5月12日にスクウェア・エニックスから『春ゆきてレトロチカ』という“新本格”ミステリアドベンチャーゲームが発売されました。

新本格ミステリが元々好きでミステリ作家の我孫子武丸さんがシナリオを担当した『かまいたちの夜』を発売日に購入してプレイしたりしていたので、
ゲームと本格ミステリの融合というのは大好物で、このゲームは気にはなっていたのですが、安いゲームではないので購入しようとまでは当初は思っていませんでしたが、発売前に開発者インタビューの記事を読んで、これはもしかして期待していいんじゃ?と考えるようになっていきました。

https://www.gamer.ne.jp/news/202203080001/

新本格ミステリの定義、”フェアに作られたミステリ”、人によってはどうでもいいことかもしれませんが、綾辻行人さんの『十角館の殺人』を読んで衝撃を受けてその後、新本格ミステリというジャンルの本を貪るように読んだ自分にとってはとても大事なことだし、新本格なんていうめんどさくいジャンルが好きな自分が本当に満足いく作品になっているのか?という半信半疑な気持ちもありましたが、CGでいくらでもリアルな映像が作れるこの時代に莫大な予算をかけて実写ミステリゲームを発売してくれるという心意気にお金を払うつもりで購入を決めました。

発売日に購入していたのですが、俺は心意気にお金を払ったんだから、クリアして高かったなと思ったらすぐ中古ソフトとして売ればいいやぐらいに斜に構えていたので、商品が到着しても他のゲームを遊んでいたためすぐにはプレイしていなかったのですが、そのゲームが一息ついたので、まぁ、せっかく発売日に買ったんだからやってみるかぐらいの気持ちで『春ゆきてレトロチカ』をプレイし始めたのですが、もう始めたらやめどきがなくなってしまうくらい夢中でプレイしていました。

クリアした時点では、よくぞここまで作ってくれたな、操作性などの不満点はいっぱいあるけど心意気にお金を払っただけの価値はあったよ。
特に3章なんて実写とミステリアドベンチャーゲームの融合の最高到達点だったよありがとう、さぁ、そのうち中古屋に持っていくかというくらいの気持ちだったのですが、Twitterで『春ゆきてレトロチカ』で検索していくうちに、あれ?なんか俺の思ってる感想と違うな?と気づいてからの展開は圧巻で、
優れた新本格ミステリの読後感をゲームで体験出来るとは思っていませんでした。

この時点で深夜2時くらいだったのですが一人でこのツイートのような状態になっていました。

https://twitter.com/oumi_candy/status/1526454464890056711

合う合わない、刺さる刺さらないはあるゲームだと思いますし、ゲームである必要があったのか?という感想も目にしましたが、ゲームでなければ絶対にダメだったし、推理もこのシステムである必要があったと思っています。

このゲームの魅力を伝えようと真剣に考えれば考えるほど、頭がよろしくないので何も言えることがなくなってしまうので、とても聡明な方が作られたネタバレなしの優秀なレビューだなと思った動画を貼っておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=S_I5OGzreq4

いちごうさんの言葉を借りると”胸を張って好きと言えるアドベンチャーゲーム”なので、新本格というジャンルは新本格好きの間ですら作品によって認める認めないという論争があったりするめんどくさいジャンルなので、合わなかった人、刺さらなかった人に「こういうのが好きなんですね」(本当にこういうこと新本格好きの人から言われたことあります)と言われたとしても「はい!こういうのが大好きなんです!」と言えるゲームでした。
『春ゆきてレトロチカ』最高!

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