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C向け事業の業績・KPIまとめ 【2020年1-3月から5選】

C2CやB2CなどC向けに展開している事業・サービスの数値と戦略をおさえる連載を始めます。ピックアップする企業は毎回異なります。
主に頭に入れることが目的なので、決算資料の中から重要どころだけをピックアップしたり十の位で雑に丸めたりしています。最後にソースを載せておくので、さらなる詳細は原文にあたってください!

0.サイバーエージェント - 連結

(1でメディア事業に触れる上での前提として補足)

売上:2019年 約4,500億 | 2020年1Q 約1,160億
営利:2019年 営利475億 | 2020年1Q 約127億

1.サイバーエージェント - メディア事業(Abema TV)

メディア事業の挑戦的な代表例としてAbemaは定点観測していく次第。

【主要数値】
売上 :2019年約370億(2020年1Qは 約120億)
営利: -180億円(うちAbemaTV -200億)
KPI:WAU 1000万人(2019年4月に突破以降ベースアップ)
有料会員数:約60万人
オンデマンド率:38%
競輪チャンネル取扱高:約17億円/Q
【戦略・施策】
①速報ニュース:「何かあったらすぐAbema」の確立
②恋愛リアリティショー:中高生の圧倒的支持(現在JKの1/3が見る)
「月とオオカミちゃん〜」「いきなりフォーリンラブ」「御曹司ボーイズ」
③オリジナルドラマ:若年層をメインターゲットに、恋愛〜コメディ幅広く
 「奪い愛、夏」「FULL MOON LOVERS」「僕だけが17歳の世界で」「フォローされたら終わり」

2.ユーザベース - NewsPicks事業

もともとはCGMだったところを、生放送の分散型メディアや有料限定コンテンツ、アカデミア会員向けリアルイベントなどメディアを多角化。ユーザ課金と広告の比率をちょうど半々に保っている例。

【主要数値】
売上:2019年42億円(広告:課金=50:50)
主要KPI:MRR 1.7億円(YoY +40%)
有料会員数:15万人(約1/4が法人会員)
ARPPU:法人1400円、個人1200円
【戦略・施策】
① NewsPicksは法人の会員に入り込むことでMRR増加(The Wall Street Journalも会員の半分は法人)
② ユーザベース全体では、広告が伸び悩む一方でサブスク収益が成長(CAGR +51%)(たとえばQuartzも12,000人 * ARPPU1000円弱 = 売上1,100万円。初年度40%引で有料転換率改善)。
② 単価が異なる形態(月額・年額、個人・法人、Web課金・App課金、アカデミアなど)で拡大させるため、KPIをMRRとする

3.Makuake

映画『この世界の片隅に』やローストホースなど国内で特に市民権を得るクラウドファンディング。C2Cの2019年上場枠として。

【主要数値】
売上:5億円/Q(2020年1Q)YoY +64%
営利:1億円/Q (2020年1Q)YoY +183.5%
主要KPI:応援購入総額20億円 / Q(掲載開始数 * 応援購入数 で成長)
       新規:リピート= 1:3
重要KPI:掲載開始数890/Q
      リピート応援購入率70% 
      QUU 500万人
      会員数75万
【戦略・施策】
①事業エリアの拡大(例:アリババ連携でプロジェクトを中国進出できるように)
②ユーザー基盤の拡大(MAUを増やしつつ、クローズドのコミュニティラボを展開)
③ 多種多様のジャンルそれぞれに「新しさ」のあるプロジェクトを投入(災害対策・地域活性・ホテル・ガジェット・伝統・アニメや映画・レストランとグルメ・ファッション・テクノロジー)。最高金額のEFDELTAはサポーター2000人で2.8億円を達成(1人あたり14万円に匹敵!?)

自律成長サイクルがわかりやすかったので引用。

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4.ギフティ

オンラインで気軽にギフトを送れるサービスとしてスタート。スタバやミスドなどのCPと、LINEギフトやGunosyクーポンなどDPによる収益が中心。B2Cの2019年上場枠として。

【主要数値】
売上:17億円(2019年)
   giftee 2億円・for B 10億円・System4億円
営利:5億円(2019年)
主要KPI:流通額 68億円(2019年)
会員:138万人
DP数:643社(ギフト利用側)  CP数:89社(ギフト発行側)
DP 643社中、2019年4Qに使用したのは365社。1社あたり案件数が成長し、2018年700件/Q→2019年1000件/Qに。
【戦略・施策】
導入済み企業の業界内他社 へ拡大
(CP 飲食:ミスド、サーティワン、幸楽苑、スタバ、すかいらーく、サンマルク、大戸屋etc...)(DP 不動産:三井不動産、三菱地所etc...  証券:SBI、MONEX、松井証券etc...)
他業界の顧客を開拓
(自動車、銀行・証券、クレジットカード、住宅etc...)
③営業4割、エンジニア3割の人員構成

5.ハウテレビジョン

エリート大学生に特化して企業から掲載料をもらうモデルの「外資就活ドットコム」、大学生が入社後にキャリアアップするにあたって転職支援する月額と成果報酬の「Liiga」等。Cは大学生から始まり、社会に出た後もグローバルプロフェッショナルを目指すべく継続していく。B2Cの2019年上場枠として。

【主要数値】
売上:8億円(2019年)|外資就活〜だけで7.5億円
営利:9千万円(2019年)
主要KPI:会員数 41,000人(月+2,000人)
DAU:4,800
広告総客数(AD Clicks):40万件/月
売上÷企業数 = 3,000円(企業単価)
顧客企業数:240社
【戦略・施策】
① 学生専用のコワーキングスペース「外資就活カフェ」で京大増加、難関大学で高いシェア(関関同立以上で8割)
②難関大学に絞って「会員数÷就職者数」を売りにする。東大81%、一橋73%、京大46%。
③「外資就活〜」はSEOと口コミによる自立成長型のメディア。

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AbemaのWAU1000万のように圧倒的シェアを広げない限りは、特化型かBからの安定的な収益があるかが重要かですね。NewsPicksも法人会員獲得に切り替え始めているのが象徴的でした。あとは各社の継続率改善のための施策が知りたいところ。特にMakuakeの月次応援購入総額5-6億円のうち3/4が継続ユーザーのようだけどこれはコミュニティラボなのかな?
次回もまたメディアとC2Cに特化したまとめにしていこうと思います。

【この記事のソース一覧】
https://pdf.cyberagent.co.jp/C4751/kAZq/zn5g/C1BL.pdf?_ga=2.164064252.230888450.1584721308-984290777.1584721308
https://pdf.cyberagent.co.jp/C4751/xFFN/VNEH/lvQS.pdf?_ga=2.222318552.230888450.1584721308-984290777.1584721308
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3966/ir_material_for_fiscal_ym2/76777/00.pdf
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS04721/9e7f01f8/550c/4d7c/8430/b04958fd4b8e/140120200214465393.pdf
https://global-assets.irdirect.jp/pdf/menu_file/7064/20200318165931_6482.pdf

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