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侵略戦争を容認しないということ

 今月はちょっと忙しくて、あまり書きたいことを書く時間がありませんでした。そうこうしているうちに情勢が動いて、これに触れずに他のことを書くのもなあという気持ちになりました。

侵略戦争

 戦争といっても、いろいろあります。
 宗教を含む民族同士の確執によるものだったり、抑圧的な王政や他国に従属する傀儡政権に対して民主主義を求めるものだったり、軍部によるクーデターだったり……。
 国内での紛争の形をとることも多いですが、国家間の紛争であれば、例えば境界地域の所属を巡って紛争が起きたりもあります。
 しかし、現在起きているロシアのウクライナ侵攻は、一部地域や民族を口実にしながらも、明確に侵略戦争であると世界から認識されている点でかなり特異だと思います。
 侵略戦争というのは、基本的には第二次世界大戦以前の、植民地支配を目的とした戦争を指しているもので、それ以降の時代においては容認されないもののはずだからです。

戦争の理由、反戦の理由

 戦争にはそれなりに理由があるでしょう。経済的なことをベースに、しかたなく戦争に走ったのだという説明はできるかもしれません。そういった理解を試みることは必要だと思いますし、世界の紛争を未然に防ぎ解消していくための道筋でもあります。
 一方で、戦争に対して反対の声を上げるとき、そうした理解は必ずしも必要ではありません。なぜなら、戦争による犠牲者・被害者が無数に実在するからです。
 たとえどんな理由があろうとも戦争という非人道的な行為を容認することはないと、意志表示することは正当だと思います。

 私はよく知りもしないことをどうこう言える性格ではないですし、近年の世界情勢については(あるいは日本の情勢についても)情報をキャッチアップできていないので、わからないことだらけです。
 わからないながらも、私は絶対に侵略戦争を認めません。

戦争を好む国々

 かつてアメリカで同時多発テロ事件が発生し、アメリカ世論が報復戦争だと息巻いた時期がありました。日本もそれに同調して、自衛隊が米軍を支援するための具体的な動きをとるようになりました。
 当時10代半ばだった私は、学校の授業中の作文で報復に走らず冷静になるべきだと書いて発表しましたが、同級生にはあまり響かなかった気がします。
 そうしてアメリカは「テロとの戦争」という大義名分を掲げ、アフガンを侵攻し、数年後には次いでイラクを侵攻しました。テロとの戦いと言いながらもやっていることは大国の軍事力による後進国の国家転覆でした。侵略戦争ではないと、言えるでしょうか。
 世界にはいろいろな紛争がありながら、日本が大きく関わっているのはアメリカの軍事戦略であり、今回メディアがロシアを非難するような報道をできるのもそれが「アメリカ側」だからかな、と穿ってしまいます。
 この20年ほどの間にもパレスチナやシリアなど他の大きな紛争があったにも関わらず日本の主要メディアは今回ほど大きな報道をしてこなかった経緯があり、私自身もそうした問題に疎いところがあります。

 自民党の歴史においても長期政権となった安倍政権は、もともと憲法を改正して自衛隊を海外で戦えるようにすること、それも緊急事態のために首相に権限を集約して強力に実行できるようにすることを目指していました。その方針は今も変わらず受け継がれていて、右翼政党は常に憲法九条を改める改憲案を手にその機を伺っています。
 ロシアは世界の世論を味方につけることができませんでした。しかしアメリカがもっと上手にわかりにくい形で侵略戦争をするとき、日本のメディアは自衛隊が支援し共に戦うべきだと報道するのではないでしょうか。
 私が侵略戦争を認めないと言うのは、たとえそれが自国や私自身に利益をもたらすとしても、認めないということです。
 自分ができることがあまりなくてずっと無力感を抱えて生きていますが、せめてもの意志表示はしたいと思います。

情報セキュリティ関連について

 情報セキュリティの界隈では、ロシアの実際的な侵攻が報道される数日前には、ウクライナに対するサイバー攻撃が観測されているとの話題が出ていました。
 セキュリティの仕事をしていた経験では、サイバー攻撃の送信元としては北朝鮮・中国・ロシアの3か国が非常に多く、アメリカを上回っていました。また、北朝鮮が国家的にハッカー集団を組織していて、サイバー攻撃によって仮想通貨を盗み出すなどして資金源としていることはよく知られています。ロシアもまた国家的にハッカー組織を持っているだろうことは推測されます。
 アノニマスがロシアを攻撃すると表明したことが話題になっています。私見ではたいした成果は挙げられないんじゃないかと思いますが、テロ組織が強国をターゲットとすることに、アルカイダが米国をターゲットとしていたことを重ねて見てしまいます。
 ウクライナを支援する組織に対してロシアから攻撃が来る可能性を懸念する声も見られました。一般的な企業などが国家的な攻撃の標的になる可能性は低いと思いますが、世界的に情報セキュリティの治安が悪くなりそうという意味では警戒を強めたほうが良いとは思います。

自分の生き方

 自分ひとりがどうこうできるのは結局自分の生き方なので、私は自分の生活を大切にしながら、自国の政権に関わる選挙とかで、可能な範囲で責任を果たせればいいかなと思います。
 おいしいこと、楽しいこと、気持ちいいいこと、そうした日常の喜びを大切にするのが自由と平和を希求するということでもあると思っています。

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