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SOに革命を起こすNstock編~金星・Jカーブの企業深掘り2~

こんにちは!135kg金星・Jカーブです。前回のキーエンスの深掘りどうでしたか。楽しんでいただけたでしょうか。一つでも新しい発見や知識を身につけられたら幸いです。さて、今回深掘っていく企業はNstockです。と言うのもJカーブ3月2日に行われた50社以上のスタートアップが集まるStartup Aquarium 2024に参加してきました。50社の中でも特にJカーブが気になった企業がNstockです。今回も汗水垂らして書いたので最後まで見ていってください!

Nstockってどんな企業?

Nstockは2021年1月に設立したSmartHRの100%子会社です。主にストックオプションの発行・管理・行使などを効率化するSaaSを開発・運営している企業です。

ストックオプション(SO)とは何なのか?

皆さんはSO制度を知っていましたか。私はNstockを知る上でSOについて一から学びました。SOとは会社が社内、社外の関係者(従業員や取締役、業務委託者)に対し、あらかじめ定めていた価格で自社の株を取得できる権利を付与する制度です。このSO制度は米国で始まりました。一方の日本では、当初SO制度は認められませんでした。認められない理由としては、旧商法において企業が自己株式を充実させることが重要であるという考えが強かったため、もう一つは既存株主を保護する考えが主流だったためです。しかし、1997年の商法改正によって日本でもSO制度が認定され運用がスタートしました。SO制度を導入するメリットは、企業の業績の向上がそのまま社員のインセンティブになる点です。すなわち、SOが社員のエンゲージメントを向上させ、企業の上場に向けた起爆剤になるということです。そんな起爆剤の役割があるSOは大きく分けて二つあります。一つ目がSOの権利を付与する際に購入費用が発生しない「無償ストックオプション」。二つ目が付与する際に購入費用が発生する「有償ストックオプション」です。また、「無償ストックオプション」にも「無償税制適格ストックオプション」と「無償税制非適格ストックオプション」の二種類に分けることができます。この二つの違いを簡単にいうと税制に優遇があるかないかです。SOは原則として給与所得にあたります。そのため、基本的に権利を行使したとき、株式を売却し利益を得るときには所得税が発生します。しかし、「無償税制適格SO」の場合、行使したときにかかる給与所得が免除されます。その代わりとして、「無償税制非適格SO」に比べて付与対象者は行使期間について厳しい要件を満たさなければなりません。しかしながら、実際にSOを行使することができれば持っていた株の価格が10倍、100倍以上になり、何千万円の利益を得ることができます。そう考えると現代の日本の給与所得は最大で55%もかかってしまうので無償税制適格SOと無償税制非適格SOの差はとても大きく感じますよね。他にもSOには種類がありますが基本的なものは今回紹介した三種類です。

Nstockのキャッシュポイント

・キャピタルゲイン(SOによって得られる利益)を可視化し、社員のエンゲージメントを上げている点。
従来の企業は社員にSOの価値が伝わっていないことがあり、エンゲージメントの向上のツールになっていませんでした。理由として、キャピタルゲインの算出方法が特殊で社員全員がSOの価値を可視化することが困難だったからです。
その問題をNstockが社員一人ひとりに「権利者アカウント」を実装し、自分のキャピタルゲインを直感的に理解、確認することを可能にしエンゲージメント向上させました。

SOに関する情報を一元化し、最新かつ正確なデータを管理、共有できる点。
企業によってはSOのデータを手作業でスプレッドシートに管理していたところもあったみたいですがNstockを導入すると最新の情報を誰でも取得することが可能です。

創業者

Nstockの創業者は宮田昇始さん。「SmartHR」の創業者でもあります。宮田氏は当初インターネットに興味がなかったがネットメディアのインターンを通じて、インターネットの面白さや力を感じていくようになったそうです。2013年にsmartHRのもととなるKUFUを立ち上げました。29歳でした。第一、二のサービスは失敗に終わっています。三度目のサービスでやっとsmartHRのアイデアが生まれました。この案がダメだったら諦めると腹をくくっていたいたそうです。うまくいった秘訣はアイデアを出しては検証を繰り返すことを常におこなっていたからだそう。私もこの推測と検証を繰り返すことによって得られる思考能力が大切だと感じました。理想と現実を追求した先にアイデアが転がっているのかなと感じることができました。


まとめ

今回はNstockについて深掘りしてきました。深掘って行く中でNstockが今回の事業ができたのは法改正にあると感じました。令和6年度税制改正大綱において税制適格ストックオプションにおける権利行使により交付される株式の保管委託要件が撤廃されます。この暖和で株式を自己の口座で直接保持できることが可能になります。そのため、今までにない形で個人のSOを管理するSaaSを作ることができました。だからこそ、今やるのだと考えました。このように革新的なサービスを作るには法の改正も視野に入れる必要があると考えることができました。

以上金星Jカーブでした。次回もお楽しみに!


参考資料

Nstock | 株式報酬のポテンシャルを引き出すSaaS

ストックオプションとは? 制度の仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee

ストックオプションとは?制度の歴史背景からメリット・デメリットなど詳しく解説 | HUPRO MAGAZINE | 士業・管理部門でスピード内定|ヒュープロ (hupro-job.com)

令和6年度税制改正の大綱の概要 : 財務省 (mof.go.jp)

【No451】令和6年度 税制改正大綱~ストックオプション税制の要件緩和 | 税理士法人FP総合研究所 (fp-soken.or.jp)

 

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