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広島市長の教育勅語引用研修の文字起こし

広島市の松井一実市長が職員研修で教育勅語を引用し、民主主義的な要素もあるなど、現憲法下では否定されている教育勅語を肯定する講話をして、広島弁護士会や市民団体から批判が上がっています。どんな中身だったのか?情報公開請求すると4年間の研修録画が入手できました。教育勅語に関連したところを文字起こししてみました。録画はURLをクリックすれば見られます。

2023年度研修

https://youtu.be/PI41CTmTCp0 12分50秒から16分20秒まで)

いま言った職場での対応以上に、いわば生きざまで重要にしたいこと、これはあらゆる面に通用すると思うんですけれども、私自身のまあその座右の銘にもなるんでございますけれども、温故知新ということに通じる話なんですけれども、これは参考までに聞いてください。 

我々の現在の生きざまというのはですね、先祖先輩が作り上げてきたいいところを引き継いでいるから、我々の今の生活の良いところがあると思うんですね。そうすると過去を全て否定する、どんでん返しにするといった発想よりは、過去の人類の叡智その良いものをしっかり受けてですね、良いところを次に渡すという、この発想で生きていく、あるいは仕事をしていくということがあっていいんじゃないかというふうに思っています。

その1つの証拠としてここに書いてある英文と日本語を見ていただきたいのですが、ここに書いてある文は、実は明治期の教育勅語の一文であります。それを英文で上に書いてあるんですけれども、日本国政府のこの教育勅語に対する対処はですね、戦後直後に教育勅語というのは、日本が戦争体制に持ち込むときに用いられたとても重要な文書なんだけれども、これがあったがために戦争になった。だから、文部行政からこういったものをなくそうというふうに言われたので、今この文書に触れることもないんですけれども、ただこの教育勅語の英訳を見るとですね、なんと、いわば民主主義の素晴らしいことを書いてある文書というふうに見えるんですね。下が教育勅語の日本文なんですけれども英訳するとですね、なんと民主主義の先端をいくようなものなんですね。 

そしてこれがなんと幕末から明治期にかけて作られた文書となるとおおむね合点がいく。つまり日本が文明開花ということで取り組まんといけないと言っていた時期は、世界的に帝国主義という形で、海外に西洋の力が伸びる。そしてしっかりした教育をしないでおくと、日本国は例えばアヘン戦争などで中国の清のように西洋に席巻されてしまうということだから頑張ろうという中で、より進んだ考え方で国民を教育していこうということで、この内容を捉えているんですけれども、ただ問題はそのやり方を、朕という特定の為政者のもとで、全部やれとこういった枠組みで組み立てたという、そういうところが問題なんですね。ここの訴えについては、とても大事にしないといけないのですが、それを、専制政治というか特定の人のしもべとして、こういうことをやろうとしたことが問題なのであって、そういったものをしっかり明らかにして良きものは残すということがあってもいいんじゃないのかなと、こういうふうなことを思っているところであります。

松井市長が職員研修で使った資料

2022年度研修
https://youtu.be/miQh7RpUORY 9分30秒から11分40秒まで)

仕事をする上で、特に役所で仕事をする上でですね、継続は力なりということなんですけれども、自分以前のその仕事の成果というものを踏まえて、自ら仕事をしていくわけです。そうすると、先輩ご先祖様、かつての方々のいい仕事はですね、しっかり引き継いで、それをよりいいものにするという発想で仕事に取り組んでいくべきではないかなと考えております。

ここに挙げている文章は英語で下は漢文調なんですけれども、なんだと思いますかね。これはですね、実は明治期に作られた教育勅語の一文なんですけれども、この教育勅語というのは、さっき言った戦争で負けて封建体制を廃止しろという指導の中で、教育勅語というものは天皇の言うことを聞くために教育した手段だと、封建制の典型だからね、あってはならないということで、戦後の教育で否定されたんですけれども、実はこの教育勅語ができた当時の日本の状況を見るとですね、幕末という時期にあって、西洋が植民地化するためにアジアに侵略する。その際に持ち込んだ西洋流の民主主義、これをいかに敷衍するかということを掲げながらやっていくために、そういった思想を早く取り込んで、日本国に馴染ませないと植民地化される。だからいい事は早くいただいてわが国のものにしようという意思もこの中に入ってるのですね。

ただそれを行き渡らせるために朕天皇がそれを全部言ってますという構成にしているものですから、中身よりは命令の仕方についてですね、非常に問題があるということで冷遇されてるんですけど、中身をよく見ると、ここにありますように英語に直すととても民主主義的でいいこと言ってるんですね。お互いにみんなを大事にして自ら修行する、公益ということを追求する。こういうことを言ってるんですね。こういう風に悪いと言われるものであっても、よくよく見定めていいものを続けていくという、そういう意味で私は温故知新これをですね座右の銘にしてるというところであります。

2021年度研修
https://youtu.be/PkM_xvAOFQs 13分15秒から15分35秒)

自分自身が仕事をやる上で、座右の銘としている温故知新にもつながるものであります、古きを尋ねて新しきを知るといいますか、古いものの中でいいもの、これはしっかりと受け継いで、それを自分が大事にして、それをまた後輩に伝えていくということをやりながら、組織としての完成度を高めていくということが重要だと思います。

実はここに書いてある英文と日本文くらべてもらいたいんですけれど、これは原典は明治期の教育勅語の一文であります。戦後ですね、教育勅語というのは先ほど言った日本を戦時体制に持ち込んだ封建主義のですね、いわば重要な要素であったということで、文部行政から抹殺されてしまいましたけれども、よく見ていただくと、この英文はですね、実は幕末期から明治期にかけて、その当時、世界における民主主義というものが広がっておりまして、革命が起こったりするというものをみながら、日本も早く近代化しなければ植民地化されるから頑張ろうと、民主主義のいいところですね、日本国に導入する。ただその導入にあたっては、それを指導するのが天皇陛下という位置づけにしないと幕藩体制から近代国家に変わらないということで、天皇にその権限全てを集約するという形で、朕はと言う主語をつけてですね、英文を日本文に訳し、それをさらに漢文調にしたのが教育勅語であります。ですからこの朕というものを除いた教育勅語の中身は、もういっぺん英文に戻りますとね、今でも通用する民主主義の基本的な概念、これを述べているのがたくさんあるんですね。そういった意味でですね、よく時代背景を知りながら、いいところをしっかり具体的につなげていくということも重要だと思います。

2020年度研修
https://youtu.be/L1tGLyPMeHE  8分30秒から10分)

根本原理、生きていく上での心持ちということなんですけれど、私自身は先輩が作り上げた、いいものはしっかり受け止めて、後輩につなぐ。そして新しいアイディアを作り上げるという、そういう言葉でいえば温故知新、これを座右の銘としています。

ここに書かれている文面は、明治期の教育勅語の一文であります。戦後直後に教育勅語は日本人を戦争体制に持ち込んだから、教育上もちいてはいけないということで、やはりこれも占領下で、文部行政から消えていったというものであります。

教育勅語の英語訳で見ますとですね、幕末から明治期にかけては、世界中で民主主義がどんどん勃興しておりました。それを日本語に訳して漢文調にしたものが、実は教育勅語だったわけであります。この教育勅語の主体 朕はという主語が、全部その方のために、こういった対応しようという文章構成になったためにですね、文部行政から消えてしまうという運命になったんですけれども、そこに書いてある朕はという文章をのぞいてですね、個々に見ていくと、今でも大事にすべき様々な教えが入ってると、そういった意味で、いいものをしっかり引き継ぐということをやっていきたいというふうに思っています。

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