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新しい水族館への挑戦

はじめまして!株式会社JCEL 代表取締役 三坂伸也です。
国内・国外において新しいスタイルの水族館への挑戦をしています。

そんな挑戦の裏側や、日本でもあまり事例のない「水族館経営」について情報発信をしようと、noteでの発信を始めてみました。

今後継続的に発信をしていく予定ですので、フォローしておいていただけますと幸いです。

今回はまずはじめということで、自己紹介をさせてください。

「モノからコトへ」の時代、水族館の魅力は何か?

半世紀もの間、水族館は「名物展示」の競争でした。お客様は「○○水族館の○○を観に行こう!」と、商品はモノ(展示生物)でした。そのような事業環境の中で、私は「これからの水族館はコトを商品化しよう」と考えました。時代背景を鑑むとそれが自然だったからです。所謂、生活雑貨ビジネスでは、商品を従来のカテゴリーで括るのではなく「ライフスタイル」という切り口でマーケットに提供することが一般化していました。「○○を観に行く」ではなく「あそこに行くと何かある」「何となくまた行きたくなる」を構築しました。「観る水族館」から「感じる水族館」への転換です。

非日常の日常化へ

その最大の特徴は空間デザインへの拘りです。ランドスケープデザインの視点で空間を設計し、従来の水族館特有の完結した展示ゾーンを順路通り進むのではなく、各展示を有機的に繋げた自由動線設計により、来場者一人一人が自分の感性で館内を廻り自分の居場所を見つけることを可能にしました。更に、曜日・時間帯で細かく照明・音響・体験プログラムなどをカスタマイズしています。そのことにより、週末のファミリーニーズに偏りがちな集客動向を平日の午前中はベビーカーでの来場、日中は学生さん、夜になるとビール片手のビジネスマン・・・と、多種多様なマーケットに訴求することを実現しました。水族館という非日常の日常化に成功したとも言えます。

「こころのふきだし」の設計

一方で、水族館には流行りの生活雑貨店やテーマパークには無い魅力があります。それは「本物の命」が核にあることです。その「本物の命」をどう感じてもらうのかが商品開発のポイントだと捉えました。水族館は集客ビジネスです。集客ビジネスに於いて重要なことは、来場いただいているお客様の「こころのふきだし」をイメージすることだと思っています。最初は「さあ、これから何が始まるのだろう」、そして「なんとなくわくわくしてきたぞ」となり、途中からはお客様自身が自分の中でストーリーをつくっていくわけです。「えー、そこにきたのか」というような場面があって、最後は「今日の自分の収穫は○○!」、こういう気分で「じゃあ、また来よう」というふきだしが出る。お客様一人一人にとっては水族館に入る時から出る時までスムーズに「ふきだし」が展開していくと満足感が上がるでしょうし、施設のある一瞬を捉えると入館者全員の「ふきだし」が施設全体の空気感を醸成しそのバランスによって居心地の良い空間が生まれると考えています。そのためにはお客様の「こころのふきだし」を綿密に設計していく必要があります。

新世代エデュテインメントの幕開け

水族館の最終的なミッションは、施設を訪れた人たちが自分たちを含めた生き物たちが住みやすい世界をみんなでつくろうねって思える人間になっていく、その手助けをすることだと考えます。それは、水族館で完結しなくてもいい、むしろ完結せずに外の世界でその感覚を広げてくれればなお嬉しいですし、水族館は環境を考えるハブのような機能を有するべきではないかとも思っています。自然を考えるフィールドへの入り口です。

単なるエンターテインメントの枠を超えた、新時代エデュテインメント(エデュケーション+エンターテインメント)施設の幕開けです。是非ともご一緒致しませんか?

JCEL株式会社 代表取締役 三坂伸也


三坂伸也の略歴

一級建築士

早稲田大学理工学部を卒業。
1985年大成建設(株)入社。
1989年オリックス(株)入社。

オリックス不動産(株)水族館事業部長、オリックス水族館(株)常務執行役員を経て、2014年12月オリックス水族館(株)代表取締役に就任。

京都水族館(京都市下京区)、すみだ水族館(東京都墨田区)の開発・運営責任者として陣頭指揮を執る。

2019年 2月JCEL(株)設立、代表取締役社長に就任

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