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「10年後の教育を考える」#JCEL キックオフ前夜

コロンビア大学教育大学院(Teachers College, Columbia University(以下TC))の田原です。2021年9月。コロナで1年遅れた東京オリンピックが終わり、TCに来た。いよいよ留学が始まると思うとワクワクした!なにせ、TCには教育関係のプログラムが100あり、5000人以上の学生が学ぶ。彼らと教育について学ぶことができると思うと嬉しかった!!

9月末。「コロンビアのスクールの垣根を越えて、日本の教育について語る勉強会を開きたい&海外に本気で挑戦する日本人をひとりでも増やしたい。」と、泰さん(石川泰)から、メッセージがあった。きっかけは、泰さんが松田悠介さん(JCELのアドバイザー)と、TCのサンドラ大喜多先生(JCELの顧問を務めて下さっている)に話に行ったことだそうだ。

問題意識としては、「コロンビアって、せっかく様々なスクールの人がいるのに、大学内のつながりが薄い。一緒に何か作り上げた、みたいな経験がないと、卒業後のつながりはなくなる。それではもったいないよね」というものだった。

いやー、確かに!授業でつながりはできるけれども、卒業後も続くかっていうと、そこまで強いつながりには思えなかった。周りには、一年間で1000万円かかる費用をやりくりして、NYの大学院にわざわざ学びに来てるような人たち。大学院が終われば、それぞれの分野でリーダーになるにちがいない。そういう人たちとのつながりこそ、大学院に来た財産なのかもしれないな!と思った。

問題意識に共感した5人が、運営メンバーとして関わることになった。
石川泰さん(Instructional Technology and Media)
山根寛さん(Learning Analytics)
山本茜さん(Developmental Psychology)
保倉冴子さん(Adult Learning and Leadership)
そして私、田原佑介(Private School Leadership)
という多様な人の集まり。改めてワクワクした!

「そもそも、何のために集まる?」
「どうやって進めていけばいい?」
「コミュニティの名前は?」
など、ゼロから話し合いを進めた。

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10月初旬。「決まった!」と思ったら、次の会議で全然違う方向に行くこともあった。勉強会に対するイメージが、運営メンバーの中で異なっていたからだ。

そこで、図書館のスタディールームに3時間こもって、イメージのすり合わせを行った。「なるほど。こんな感じの集まりになりそうだなー。」と形ができてきた。そして決まったのが以下のとおり。

【団体名】JCEL(Japan⇔Columbia Education Loop)
【活動名】Gakkatsu!
【テーマ】10年後の日本の教育のVisionを示す
【Mission Statement】Our mission is to bring together a community of Columbia students and alumni with an interest in Japanese education. We aim to play a part in the innovation of the Japanese education system through collaborative projects and sharing our learnings both domestically and globally with the outside community.
【目的】
①コロンビアに集まった日本人留学生の叡智を集め、日本の教育の未来をつくる
②コロンビア生の学びの促進
③卒業後も資産となるコミュニティの形成
④日本からコロンビアや海外大学 (院) を目指す人を増やす

学生団体っぽくなってきた!!

"Japan⇔Columbia Education Loop"の"loop"には、「ループのように、学びが循環するといいなぁと。人のつながりっていうイメージもある」という泰さんの思いが入っている。また"⇔"には、「コロンビアで一方的に勉強するのではなく、日本とのやりとりを重ねながら還元していく」という寛さんの学びへの姿勢が表れている。

"Gakkatsu!"は、「学校の『学活』みたいに、カジュアルに集まって、楽しく、何かを作り出したい」という冴子さんの発案だ。

テーマの「10年後のビジョン」は、「10年後だったら、イメージがしやすい。遠い未来にある自分たちに関係のないことじゃない。未来の教育のために、自分たちが具体的にビジョンを示したいよね!」という茜さんの思いから決まった。

Mission Statementは、運営メンバーが書いたものから、共通なものや大事にしたいものを抽出して、みんなの思いが入っている。

こうやって、JCELは始まった。

大枠が決まったところで、広報スタート!コロンビア生に声をかけ始めたり、チラシでPRをした。

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そこから毎週集まって、役割分担、Gakkatsu!のコンテンツなどを決めていった。

「課題と手段の関係は?」
「どうやったら『学びが深まった』って言える?」
「最終的に、どういうコミュニティになっているのがゴール?」
などを議論しながら、具体的に決めていった。

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こういう概念図をつくって、議論を整理したこともあった。社会人経験をした人もいれば、学部からそのまま来た人もいる。教育への思いもそれぞれ違う。全員の学びを深めて、コミュニティができて、しかも、日本にアウトプットできたらいいよね、というふうに整理した。

そして決まったのが、次のとおり。

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秋学期と、年間(5月まで)のスケジュール。(ここまで来るのに1か月かかった…)課題を共有して、深めて、チームを組んで、最後は日本にかっこよくプレゼン!できるといいなぁ。当然、これ通り行かないこともあるだろうし、行く必要もないのかもしれない。来てくれた方々と一緒に、どうやったら日本の教育がよくなるか考えること自体に意味がある。

さあ、いよいよ19日にキックオフだ!!TCの学生以外にも、コロンビアの様々なスクールの学生、卒業生など、30名近くが参加してくれる。どんな会になるのか、遠足の前日みたいにワクワクする。

(文責 田原)

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