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便利ツールで英語論文に挑戦する

先週の記事では、文献の検索方法について紹介してきました(「文献検索をやってみよう」)。この記事では、医学中央雑誌での検索方法を紹介しており、日本語での医療系論文の検索では必須のデータベースです。
しかし世界では、当然ですが、日本語よりも圧倒的に英語の論文が多いです。そのため、この記事では色々と便利なツールを使って英語論文に挑戦してみませんか?ということで、英語が苦手でも比較的楽して英語論文を探す、読む方法を紹介したいと思います。

英語論文を探す

日本語でも、英語でも検索方法は同じですので、文献検索どうするの?は先週の記事を参照してください。
日本語では、論文検索のデータベースで医学中央雑誌Webを用いますが、英語では、PunMed(無料)を用いることが多いです。

PubMedで、興味のあるテーマのキーワード(もちろん英語ですが・・・)をANDやORなどを組合わせて目的の論文を探します。
一度検索してみるとわかるのですが、とても上手くキーワードを組合わせないとすごい数の論文がヒットしてしまいます。日本語の検索数と1桁、2桁ちがうこともよくあります。
「そもそも、英語が出来ない・・・」という人にとっては、100件の英語の論文タイトルを読むだけでも一苦労で嫌になるかもしれません。
そのような人に少しお勧めで面白いツールが、CONNECTED PAPERSです。

以前、JCEBPのTwitterアカウントでも紹介したのですが、あらためて少し説明します。
自分の興味のある英語論文を1つ選んでください。
例えば、2021年の1月25日の記事「Is the chocolate good for health ?」を読んで、他のチョコレートと健康に関する論文も読んでみたいなと思ったとします。この記事で紹介されているチョコレートと健康に関するシステマティックレビューのPubMedのURLを、検索欄に入力(コピペ)し、Build a graphをクリックしてください。

無題

そうすると、下の様な図が出てきます。

無題2

一番緑が濃い丸が検索した論文です。
そして、その丸からつながる線や、色の濃淡などで関連性の強さを表しているようです。
この図みると次に読みたい論文を簡単に選ぶことができますのではないでしょうか。本格的に文献検索をしたり、研究を始める場合は、きちんとデータベースでの文献検索が必要ですが。

英語論文を読む

読みたい英語論文がみつかった。けど、そもそも英語が読めない・・・という壁はとても大きなものかもしれません。
そんな時は、英語翻訳です。
最近は機械学習の技術が使われ翻訳のとても上がっているようです。いくつか試してみたのですが、比較的精度が高いかなと思うのもが、DeepLというものです。

こちらは無料版ですと、5000文字まで可能ですので、パラグラフ毎や項目ごとに翻訳して論文を理解していけるかと思います。
もし入手した論文がPDFだった場合、改行が入り、変な日本語になる・・・ということがあります。
そんな時は、Shaperというwebアプリがあります。

このアプリは、改行を取り除くものです。また、ShaperからワンクリックでDeepLを用いた翻訳も可能です。
これらのツールを使えば、辞書を使って英語を読まないといけないという労力や苦手意識が少しは薄まるのではないでしょうか。

英語の論文は、英語で読んだ方がいいに決まってますし、正確に読むには英語で読むべきですが、まずは読む、世界の知見を少し知るという目的のためには、今ある便利なツールを使って、楽してもいいのではないかと思います。
ぜひ、英語論文にトライしてみてはどうでしょうか。

(文責:的場)

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