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質の高い論文となるために、執筆ガイドライン利用のすすめ

みなさん、こんにちは。
研究を実施した後、論文投稿に進むわけですが、みなさんは何かガイドとなるものを使っていますか?
特に、初めて英語論文を書くという方はどんなことを書いたらいいのかわからない、と悩むことも多いのではないでしょうか。

今回、ご紹介するのは、質の高い論文を作成するための執筆ガイドと言ってよいものです。
詳しくは、「EQUATOR NETWORK」で検索してみてください。

現在、EQUATORには400種類以上の執筆ガイドラインが掲載されています。[1]
中でも有名なのは、CONSORT声明やPRISMAではないかと思います。
それぞれのガイドラインは、研究手法ごとに、論文内に記載すべき項目や方法を提案してくれています。
親切なことに、タイトルのつけ方やアブストラクトを作成するときの注意点も載っています。
これらのガイドラインを確認しながら論文を作成することで、該当する研究手法において記載しなければならない項目が抜けてしまうリスクを下げることができます。
また、論文の抄読を行う際は、これらのガイドラインを基に論文の質を確かめることも、一つの方法として考えられます。

どのジャーナルの投稿規定にも書いてあることですが、書くべきことが書かれていない論文はリジェクトされます。せっかく頑張って書いたのに、といくら思ってもリジェクトは覆りません。
ですので、事前に、著者としてしっかりチェックしましょう。また、ガイドラインを利用することは査読する側の労力を削減する上でも重要だと思います。
また、最近は投稿規定の中に、これらのガイドラインに沿って論文を作成すること、利用したガイドラインを参考文献として明記することが求められている場合もあります。
日本語で紹介されているものも多くありますので、ぜひ活用してみてください。

他には、患者報告式アウトカム尺度を開発したり、関連したシステマティックレビューをする際にはCOSMINのチェックリストで研究の質が評価されます。[2]
我々のJBIでも、研究手法ごとに研究の質を確認するチェックリストが存在します。[3]
このようなチェックリストも、論文投稿の時に(もっと言えば研究計画段階から)活用することで、研究そのものや発表する論文の質が高いものとなり、将来的に活用されやすくなると考えられます。

古藤雄大

参考
[1] EQUATOR NETWORK. https://www.equator-network.org/
[2] COSMIN. https://www.cosmin.nl/
[3] JBI Manual for Evidence Synthesis. https://synthesismanual.jbi.global/

画像:いらすとや 焦って書類を書く人のイラスト(女性)


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