ドライサウナは有効?!
私は昔、銭湯巡りが好きで、小さな銭湯から大規模スパまで幅広く好んで通っていました。銭湯だけを目的にバイクで飛ばすこともしばしば。病院勤めの際、日勤後に(自宅が近いにもかかわらず)わざわざ銭湯に入りに行って深夜勤務に入ることが日課になってました。実は、この3月に引っ越した家も、銭湯が近いというのがプラス評価になっていたのも否めません。
とくに私が銭湯で利用するのはサウナです。サウナに入って、たっぷり汗をかくことで、なんだかすっきりした気分になるのと(ちょっとやせた気分になったり)、肌がすべすべになる気がするので、サウナがある銭湯はテンションが上がります。
サウナを提供する施設でよく表示されるうたい文句としては、「解毒、代謝の増加、体重減少、血液循環の増進、痛み軽減、老化防止、皮膚の若返り、心血管機能の改善、免疫機能の改善、睡眠の改善、ストレス管理、リラクゼーション」などが掲げられています。しかし、これらの主張には厳密な根拠が乏しいのが現状です1。今回はこのサウナの効果についてのSRがあったので紹介したいと思います。
Hussain J, Cohen M. Clinical Effects of Regular Dry Sauna Bathing: A Systematic Review. Evid Based Complement Alternat Med. 2018; 1857413.
このSRでは、Pubmed, Web of Science, Scopus, Proquestのデータベースを使用しており、2000年から2017年に限定していることからSRというには少し絞り過ぎていると感じるところではありますが、分析対象とした論文は40件と、割と多い論文数で検討していました。
以下、要旨の翻訳です。
結果: 13件の研究のみがランダム化比較試験であり、ほとんどの研究は小規模であった(n <40)。 報告されたアウトカム指標は不均一であり、ほとんどの研究が有益な健康への影響を報告していた。 1つの小規模な研究(n = 10)において、男性の精子形成の減少による健康への悪影響を報告していたが、サウナ活動を停止すると可逆的であることが実証されていた。
結論:定期的なドライサウナ入浴には、潜在的な健康上の利点がある。 有害な副作用の頻度と程度については、より高品質のより多くのデータが必要である。
とのことで、まだまだ検討の余地はありそうですが、CAMとしてエビデンスが確立されていけば、サウナが各国で入れるようになるかもしれませんね。
(文責: 植木)
参考文献:
1.Tsonis J. Sauna studies as an academic field: a new agenda for international research. Literature and Aesthetics. 2017;26(1) 41-82.
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