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システマティックレビューの特徴

こんにちは。今回はシステマティックレビュー(SR)についての話です。
「そもそもシステマティックレビューって、普通の文献研究と何が違うの?」という疑問に対して、SRトレーナーの私から説明いたします。

SRとは、
Systematic reviews aim to provide a comprehensive, unbiased synthesis of many relevant studies in a single document using rigorous and transparent methods.
つまり「厳密で透明性のある方法論を使用して、1回のレビューの中に多くの関連する研究を収集し、包括的で偏りのない統合を提供するもの」と定義されています。
でもこれだけを見ると、何となく皆さんが考える文献研究も同じような感じがしますよね。

そもそも一般的な文献研究は、そのままliterature reviewと言ったり、昔からやられている伝統的な文献研究という意味でtraditional reveiwと言ったり、あるいは特定の書き方を用いずに説明口調で論述するという意味でnarrative reviewと言ったりします。こうした文献研究は、以下のように定義されています。
Traditional (narrative) literature reviews provide a broad overview of a research topic with no clear methodological approach. Information is collected and interpreted unsystematically with subjective summaries of findings.

「no clear methodological approach」ということで、厳密な方法論というものがないものを文献研究と言っているわけです。著者の自由な書き方で、定めたトピックの全体像を自由に述べていいということですね。さらに、「unsystematically」ということで、系統的な文献の検索が求められていないというのも一つの特徴で、自由度が高く、著者の度量にゆだねられているのがこの文献研究になります。
(どれだけ自由度が高いといっても、その内容が非論理的で飛躍された内容では論外ですが)

システマティックレビューはその逆で、ザックリ言うと、ちゃんとした方法論の下で、ちゃんとした検索をやるやり方をしているというものになります。

大学院への進学を考えているあなた。考えている研究課題の解決を求めるのであれば、その課題の周辺知識をちゃんと調べたくないですか?ちゃんとまとめたいと思いませんか?
文献をまとめる際に説得力のある記述をするためにも、ぜひシステマティックレビューを大学院で学び、書けるようにしましょう!それこそ〇〇博士になる第一歩です!

(文責:植木)

引用:
Aromataris E & Pearson A. The Systematic Review: An Overview. AJN The American Journal of Nursing, 2014;114(3): 47-55.
Green BN, Johnson CD, Adams A. Writing narrative literature reviews for peer-reviewed journals: secrets of the trade. Journal of Chiropractic Medicine. 2006;5(3):101-117. doi:10.1016/S0899-3467(07)60142-6.


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